サブスクリプションビジネスにおいて成長鈍化を示す兆候とは?

1、はじめに

近年、頻繁に耳にするサブスクリプション。代表的なところではファイル共有サービスのDropboxや音楽ストリーミングサービスのSpotifyがあります。しかし、ある程度まで順調にビジネスが成長すると、解約数が増えたり、成長スピードの鈍化がみられることもあります。

原因としては、顧客にとってサービスをいつでも解約でき、しかも退会した顧客の口コミが拡散して顧客離れにさらに拍車がかかってしまうことがあげられます。

このため、ビジネスが頭打ちになりつつある兆候を早めに読み取り、対処していくのが重要です。

2、成長鈍化の兆候とは?

では、兆候とは具体的にどのようなものか以下に列挙します。

第一に、請求書を手動で送付していて、事務処理スピードがビジネスの成長に追いついていないことです。
サブスクリプションの場合、請求書を発行する頻度が他のビジネスよりも多くなります。料金請求が月次となっていることが多く、売り切り型のビジネスと比べるとかなり頻繁です。
これに加えて、サービスの利用者が増えるのですから、請求書を手動で送付していてはすぐに限界がきてしまいます。場合によっては年払いや半年払いといった料金体系のプランが混在していることもあり、さらに請求管理を難しいものにします。
この結果、事務処理スピードがビジネスの成長に追いつかないという事態が生じてしまうのです。

第二に、サブスクリプションの前受金を処理できておらず、帳簿上で正確な収益を把握できていないことです。
サービスの提供に先立って代金を収受する前受金についても、顧客数の増加に比例して事務処理が当然に煩雑化します。手作業で処理できる範囲には自ずと限りがあります。前受金処理の遅れは収益の適切な把握ができないことにつながり、適切な経営判断の遅滞をもたらします。

第三に、売掛金を放置していて、きちんと債権回収できていないことです。売掛金の場合は特に問題が深刻です。
適切な債権管理は健全な経営の基本とされます。どの債権を回収できていて、どの債権が回収できていないのか。そして、回収できていない原因は何なのか。これらを正確に把握して迅速な売掛金管理をいつも心掛けたいものです。

3、問題の改善策は?
上記で列挙したような兆候を改善するためにはどのような施策をとるべきしょうか。
そもそも、これらの問題点はシステムの自動化によって多くの部分を解決できます。人による作業に依存していてはすぐに限界がくるのは自明のことです。
特に、サブスクリプションの場合は、複数の料金プランが用意されていたり、支払のタイミングも年払いや月払いなどのバリエーションがあったりで、顧客はそれらを常に乗り換えながらサービスを利用することになります。
その結果、請求業務は煩雑化しやすいのです。そうだとすれば、経営上考えるべきは、請求自動化とサブスクリプション管理システムの導入です。システムの適切な利用によって成長の鈍化を止め、順調な成長曲線を描いていきたいものです。

4、まとめ
以上で述べてきたように、システムの自動化によって、代金請求や債権管理をはじめとする財務部門の効率性と正確性を飛躍的に高めることができます。

サブスクリプションは創業から事業を軌道に乗せるまでに時間を要するのですから、事業がいったん軌道に乗った後は成長スピードを緩めることなく上昇していきたいものです。

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