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兵庫県立美術館 特別展「開館20周年記念 李禹煥」~展覧会#29~

李禹煥(リ・ウファン)という人

1936年、韓国慶尚南道に生まれる。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、その後、日本大学文学部で哲学を学ぶ。1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向の一つ、「もの派」を牽引した作家として広く知られている。
近年ではグッゲンハイム美術館(ニューヨーク、アメリカ合衆国、2011 年)、ヴェルサイユ宮殿(ヴェルサイユ、フランス、2014年)、ポンピドゥー・センター・メッス(メッス、フランス、2019 年)で個展を開催するなど、ますます活躍の場を広げている。国内では、2010年に香川県直島町に安藤忠雄設計の李禹煥美術館が開館している。

「李禹煥」展チラシより
「李禹煥」展チラシより

もの派

国立国際美術館と大阪中之島美術館で「GUTAI」の展覧会をみました。そして今回、兵庫県立美術館で「李禹煥」の展覧会をみました。
李禹煥は、「もの派」を代表するアーティストと言われています。
「具体」と「もの派」は、1960年代から70年代にかけて日本の現代美術界に出現した2大潮流と言えます。
奇しくもこれらの展覧会を続けてみる機会に恵まれたのですが、いずれも観覧者に難しい問いを投げかけてくる展覧会でしたね。
「もの派」の大きな動向は半世紀も前のことになりますが、李禹煥は現在もその延長線上で活躍し、「もの派」の論理を深化し続けていました。

李禹煥の作品は、石や木や鉄のような自然の素材を、ほぼ未加工なままで提示し、「もの」と「もの」、あるいは「もの」と「見る人」との関係を考えさせるものでした。それはまさに「哲学」としか言いようがないものでした。

今回の展覧会で画期的だったのは、スマホを使った無料の音声ガイドです。このガイドによって、「哲学」がほんの少しこちらに近づいた気がします。
平日は写真撮影可だったので、見て、聴いて、写真を撮って、ひととき「李禹煥」の世界に浸ることができました。

それでは「李禹煥」の展示室に入場しましょう。


作品

ここからは、ひたすら作品の写真が続きます。

あるがままをアルガママにする

限りなく行くものあれば 限りなく来るものあり
その交差に両義の作品が出来る

一瞬の出会い 余白の響き 無限の広がり

空中に 流れる 気流の力は
人間にも 絵画にも 広がる

人間は建てようとし 自然は戻そうとする
私はその両面の見える門を提示する


李禹煥(Lee  Ufan)の展覧会は、2023月2月12日までです。


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