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アジア紀行~ベトナム・サパ②~

ラオカイ・サパ・ファンシーパン山

昨夜の夜行列車に乗って、早朝にラオカイ駅に着いた。地図で見ると、ラオカイのすぐ北側は中国との国境である。

目指すサパは、ラオカイの南西、約40kmの高地にあった。標高1600mのサパからは、ベトナムの最高峰3143mのファンシーパン山が見える。

ここからは、サパ(Sa Pa)での5日間の旅の記録です。

サパの町を歩く

1時間ほど休憩したあと、サパの町に出る。狭い町なので、地図を見ながら道路や建物を頭に入れていく。坂道と階段がやたらと多い。
ホテルの前の坂道を少し下り、右に曲がると階段がある。そこを下ると町の中心に出る。
この階段で一人の少女とすれ違う。

写真を撮らせてもらうと、指で「1」を示す。「1ドルちょうだい」という要求だった。しっかりしている! にっこり笑って渡さなかったけど・・・。
道路の両側には、山岳少数民族の人たちが店開きをしている。売っているものはさまざまだ。

山で暮らす人々にとって必要なものなんだろうけど、まるで「武器」そのものだ。こんなものを持っていたら、飛行機に乗れないだろうな。

黒モン族(Black H'mong)

現在、サパ周辺に居住しているのは、モン族とザオ族の人たちが多い。
サパは、1905年にフランスが避暑地として開発した町で、そのときに多くのモン族の人々が入ってきたという。2005年には百年祭が祝われ、現在もホテルの建設などで、観光化が進んでいる。私が泊まっているホテルの名称も「H'mong Sapa Hotel」で、「H'mong」という部族名が入っている。
この地のモン族の多くは「黒モン族(Black H'mong)」と呼ばれる部族で、男性も女性も黒に近い濃い藍染の民族衣装を着ている。

写真を見ると、みんなよく似た顔立ちだ。背は高くなく、小柄な人が多い。
伝統的な女性の服装は、筒形の帽子に、上着と膝くらいまでのズボンか巻きスカートで、膝下から足首までは一見ハイソックスのように布で覆っている。服の袖の部分には美しい刺繍がほどこしてある。
帽子をかぶらずに、鮮やかな色のスカーフを巻いている人もいる。少女や若い女性は、髪を長く伸ばして後ろで束ね、何もかぶらないことが多いようだ。

彼女たちは、住んでいる村からサパの町までやって来る。物を売るのはほとんどが女性の仕事だ。男たちの姿は見かけない。

赤ザオ族(Red Dao)

ザオ族は、中国の湖南省から雲南省にかけてと、東南アジアの北部に居住する部族で、中国では瑶族、タイとラオスではヤオ(Yao)、ベトナムではザオ(Dao / 瑶)と呼ばれている。
ベトナムのザオ族にもいくつかのグループがあり、私が出会ったのは、頭に赤い布をかぶる「赤ザオ族」だった。

赤ザオ族の人たちの顔立ちは、黒モン族の人とはかなり違う。成人すると眉を剃る習慣があるらしいが、表情が明るい印象を受ける。赤い頭巾だけでなく、服装もよく見ると、黒モン族とは異なることがわかる。
頭巾は簡単なスカーフみたいなものから、もっと複雑なものまである。

この写真の赤ザオ族の女性は、その前の写真とは服装が異なっているので、たぶん違う村から来たのだろう。

赤ザオ族の人は、バイクも赤、ヘルメットも赤だ。
赤ザオ族の男性の姿を見かける。たぶん、アッシー君だろう。妻の送迎が彼らの役割のようだ。

この後は、市場の中に入ってみよう。



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