見出し画像

阪急うめだ本店 ジミー大西 画業30年記念作品展「POP OUT」~展覧会#37

画業30年記念

2022年に画業30年をむかえる画家・ジミー大西の全国巡回展。
初期の頃から海外移住期、未発表の新作シリーズまで100点以上の作品を展示する、ジミーの30年を網羅する作品展。

ジミー大西という人

Wikipediaなどを見ると、この人についての詳しい説明があるので、ここでは簡単に紹介するにとどめます。
大阪出身のお笑い芸人で、あるテレビ番組の企画で描いた絵が注目されたのが画家としてのスタートだそうです。あの岡本太郎から画家になることを勧められ、「四角い枠を気にせず、キャンバスからハミ出しちゃえばいい」と言われたとか。
きっかけはともあれ、1990年代から30年ですから、絵筆を持ってからの人生のほうが長くなったわけですね。

作品展示

今回の展覧会は、そんなジミー大西さんの画業30周年を記念して、作品の制作年代をデビューから現在まで5期に分けて紹介しています。
30年といえば、決して短い年月ではありません。吉本のお笑い芸人が画業に転向するには、それなりに大きな決心があったと思います。作品を生み出すことは、「お笑い」とは次元が異なる苦しみがあったでしょうね。

①デビュー ~ 初期作品(1993-1995)

デビューの頃から、いろんな形や色で画面を埋め尽くす描き方をしていました。


②芸能活動を休業~スペイン移住期(1996-1999)

第②期は、ジミー大西さんの人生における大きな転換期です。風刺画的な作品もありますね。

自然界の動植物がモチーフの中心になっています。「ヒト」を描くのは苦手だとか。芸能活動を引退し、日本を飛び出して絵画活動に専念しました。


③多様な創作活動の展開期(2000-2007)

絵画だけでなく、立体造形も創作するようになります。色も形も楽しいものが多いですね。外国を旅する中で受ける刺激が、作品に結実します。国内での個展もたびたび開かれるようになりました。


④世界中を放浪~マルタ島移住期(2008-2015)

平面だった画面が盛り上がったり、立体物が貼り付けられたりする作品が登場します。自然界だけでなく、都会の場面もよく描かれます。
年齢的にも、アーティストとして定着した時期ですが、このまま絵を描き続けて生活できるのか、という疑問もあったようです。
この後、数年空白の時期が続きます。

⑤創作活動の再開から現在まで(2020-現在)

約5年、画家としての空白の時期を過ごした後、2020年から再び創作活動を始めました。これには、師匠の明石家さんまさんのアドバイスが影響しているそうです。
この時期の作品は、描こうとしている内容がダイレクトに見る人に伝わるものが多くなっているように思います。

ジミー大西さんは、絵のうまいへたではなく、見る人をワクワクさせる作品を創るアーティストだと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?