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「胃の検査」始末記~気がついたら終わってた~

大寒や 医に続く坂 足重し 

今日は大寒。風が冷たい。
朝の気温は2度か3度ぐらいだろうか。
5年ぶりの胃カメラ検査に向かって、大寒の日の坂道をのぼる。
かかりつけ医に紹介されたのは、最近開業した内科クリニックだった。

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天野内科の窓に「天」が映ってる・・・とふと思いながら、クリニックのエレベーターに乗る。
予約した時間よりも早く到着して受付をすます。
待合室は広くて明るい。スタートはいい。
待つこともなく、すぐに診察室に呼ばれると、あまの先生は若い男性医師だった。
てきぱきと検査の要点を説明し、すぐに検査室に入る。
コロナ対策の換気のためか、検査室の横の扉は開けたままである。
コロナ対策といえば、胃カメラの挿入も口ではなく鼻だけである。
いわゆる「経鼻内視鏡」だ。
「鎮痛剤はどうしますか」と尋ねられたので、お願いした。
胃カメラは何度か経験しているが、静脈に麻酔剤を注入するのは初めてだった。

「どれくらいで眠ってしまうのです?」と看護師さんに尋ねると、

「長い人で5分から10分、瞬間で眠ってしまう人もいますよ。」

横を向いて鼻にスプレーをした後、鼻の奥にゼリー状の薬を注入。
そしていよいよ麻酔の注射・・・
まさに「瞬殺」である。

そこからは何も覚えていない。
だれがぼくの鼻から胃にカメラを挿入したのか、どのようにして組織をとったのか、いったいどれくらいの時間をかけてその作業はなされたのか。
ぼくが検査室に入ったのは10時頃。
検査が終了して、看護師さんに起こされ、足下をふらつかせながら待合の椅子に腰を下ろしたのが11時過ぎ。
文字通り「空白の1時間」だ。
この後も、しばらくぼんやりしていた。

再び名前を呼ばれて診察室に入る。
食道から胃の写真を見ながら、先生の口から出た言葉は、「萎縮性胃炎」「胃の粘膜のびらん」「逆流性食道炎」「ピロリ菌」など。
なんだか桃みたいな写真だな~と、のんきなことを考えながら聞いていた。
格別に深刻な状態ではなさそうだが、次に細胞の病理検査の結果がわかるのは2週間先だということで、とりあえず第一関門は通過したのかな。

胃カメラ

帰り道、わずかに残った麻酔の名残を寒風が吹き飛ばしていった。



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