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大阪市の神社と狛犬 ❿城東区③若宮八幡大神宮~小嶋屋半兵衛の誇張型狛犬~

大阪市城東区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。城東区は、その名前が示すように大阪城の東に位置し、東西に寝屋川と第2寝屋川が流れ、南北に城北川や平野川が通じるなど、河川が多いのが特徴です。区内には住宅地が多く、人口密度は大阪24行政区の中の1位です。

城東区には神社が9社あります。神社庁に登録された8社と、天王田の八坂神社です。中浜の東本稲荷神社は小社で狛犬もいないので、このnoteではそれ以外の8社について紹介したいと思います。
今回は若宮八幡大神宮を訪れます。大阪メトロの蒲生四丁目駅から徒歩で5分ほどの地に鎮座する地元蒲生の氏神様で、「蒲生の西向き八幡さま」として親しまれています。

若宮八幡大神宮

■所在地 〒536-0016 大阪市城東区蒲生4-3-16
■主祭神 仁徳天皇
■由緒  創建年代は不詳。初めて浪速に都を定めた第16代仁徳天皇の仁政と遺徳を偲び、村民がお祀りしたのが始まりと伝えられる。仁徳天皇は応神天皇(八幡神)の御子(若宮)であることから、「若宮八幡大神」として信仰された。

狛犬1

■奉献年 天保十四癸卯年八月吉日(1843) 
■石工  大坂西横堀 小嶋屋半兵衛
■材質  砂岩
■設置  正面鳥居内側

天保14年奉献の石造狛犬
天保14年奉献の石造狛犬(阿形)
天保14年奉献の石造狛犬(吽形)
天保14年奉献の石造狛犬(阿形の尾)

「天保十四癸卯年八月吉日」(1843)の紀年銘がある浪速狛犬である。作者は、大阪や奈良に多くの狛犬を残している大坂西横堀の石工小島屋半兵衛で、ここは珍しく「小嶋屋」と記されている。小島屋半兵衛の狛犬の初見は19世紀初頭なので、若宮八幡大神宮の狛犬は晩年のものといえる。
この狛犬の作風は、眉をつり上げたり、口角の開きを大きくする「誇張型」で、胸や前肢の筋肉も強調されている。誇張型としては最初期の作品である。
尾は中心部に蕨のような大きな巻き毛があり、周囲が木の葉状に広がる。顔面に風化損傷があるのが残念だ。

手水舎

手水舎
手水舎内の、鯛に乗る恵比寿様

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