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大阪市の神社と狛犬 ➌西淀川区④姫島神社~やりなおし神社の大正狛犬~

大阪市西淀川区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。西淀川区は淀川の北側にある三つの区の西側に位置します。
西淀川区には、神社が9社があります。(地図参照)
9社のうちの5社が海の神を祀る住吉神社ですが、他の神社もほとんどが住吉大神をお祀りしています。
姫島神社は、阪神電車姫島駅の西約500mのところに鎮座し、「やりなおし神社」として女性の注目を集めているそうです。

姫島神社

■鎮座地 〒555-0033 大阪市西淀川区姫島4-14-2
■主祭神 阿迦留姫命あかるひめのみこと・住吉大神・神功皇后
■由緒  『古事記』や『摂津国風土記』に、阿迦留姫命の逸話がある。新羅の王子のもとに嫁いだ阿迦留姫は、高慢な夫の態度に耐えきれず、筑紫の国の伊波比の比売島(大分県姫島)まで逃れてくるが、夫の追跡を恐れて摂津の国に移り住んだ。そして、もといた島の名をとって、そこを比売島と名付けたという。淀川の河口は難波八十島と言われるほど多くの島があったが、姫島(比売島)もその一つであったのだろう。当社が「やりなおし神社」と呼ばれるのは、阿迦留姫命がこの姫島の地で再出発したことに由来する。

狛犬1

■奉献年 大正九年十二月(1920) ざこば 北邨久平 
■石工  大阪八軒家 石匠 川島三平
■材質  花崗岩
■設置  拝殿前

姫島神社・拝殿と狛犬
大正9年(1920)奉献の狛犬(阿形)
大正9年(1920)奉献の狛犬(吽形)
大正9年(1920)奉献の狛犬台座

拝殿の前には、大正9年(1920)奉献の花崗岩製の狛犬が置かれている。
同じ西淀川区の鼻川神社の昭和4年(1929)奉納の狛犬と同系統と言える。顔の左右のたてがみが大きく広がり、阿形の開いた口に三角形の舌が立ち上がる。吽形には角がない。
鼻川神社の狛犬は作者不明だが、こちらの狛犬は、台座に「大阪八軒家 石匠 川島三平」と彫られている。川島三平の作品は、生野区弥栄神社(大正14年)、城東区諏訪神社(大正14年)などでも見ることができる。
八軒家というのは、江戸時代、旧淀川の天満橋と天神橋の間に八軒の船宿などがあったことから名付けられた地名である。

狛犬2~4

姫島神社にはいくつかの境内社がある。そのうち、元楯社、金比羅宮、楠社に、比較的新しい石造狛犬が安置されている。

はじまりの碑と帆立絵馬

屋根のついた中央の石碑は「はじまりの碑」と呼ばれている。断ち切らねばならないことを念じ、再出発を祈願する人は、阿迦留姫命の名に因んだ赤い玉「断ち玉」を、石碑の中央の丸い穴に投げ入れて通さなければならない。そして帆立貝の絵馬に願いごとを書いて順風満帆を祈って奉納する。


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