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大阪市の神社と狛犬 ⑭大正区 ⑥神明神社~大戦を生き抜いた青銅狛犬~

大阪市大正区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。大正区は大阪市の南西部に位置します。西側は大阪湾に面し、区の三方を木津川、尻無川、岩崎運河に囲まれた島状の地形となっています。江戸時代には泉尾新田や恩加島新田などの新田が開発され、明治時代以降も埋め立てが行われて、大正末期頃に現在の区域がほぼ確定しました。河川や水路が多かったために、船による水上交通が発達しましたが、現在でも、大阪市内に残る8ヶ所の渡船のうち7ヶ所が大正区にあります。
また、大正初期以来沖縄からの移住者が多かった地域で、沖縄料理や沖縄食材を扱う店が多く、「リトル沖縄」とも呼ばれています。

大正区には、神社が6社あります。
今回の神明神社が6社目で、大正区で訪れる最後の神社になります。神明神社の鎮座地は埋立地の鶴町で、公共交通機関も大阪市バスしかなく、町全体の周囲が湾や運河に囲まれています。神社は鶴町中央公園の北側に、南向きで鎮座します。

神明神社

■所在地 〒551-0023 大阪市大正区鶴町2-7-29
■主祭神 天照大神、八幡大神、春日大神
■由緒  当社は、もとは現在の大阪市中央区内平野町にあり、神明宮と称していた。朝日神明社・夕日神明社と並んで大坂三神明の一つに数えられ、俗に日中神明と呼ばれた。大正13年(1924)に松屋町筋拡張工事に伴い鶴町一丁目に遷座し、さらに昭和28年10月土地区画整理の為、現在地に遷座する。

神明神社拝殿

狛犬1

■奉献年 明治四十四年三月吉日(1911)
■作者  不明 
■材質  青銅製
■設置  拝殿前

拝殿前青銅狛犬(阿形)
拝殿前青銅狛犬(吽形)
拝殿前青銅狛犬(阿形)
拝殿前青銅狛犬(吽形)

明治44年(1911)奉献の青銅狛犬である。中央区の内平野町から現在地に遷座したのが大正13年(1924)であるから、そのときに遷されたものと思われる。大戦時には青銅製の神馬を供出したが、この狛犬は免れたようだ。もとの社殿が昭和20年に戦災で焼失した折にも、青銅狛犬は損傷を受けながらも生き残ったのだろう。


摂社・橘稲荷神社

東側鳥居


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