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大阪市の神社と狛犬 ❼都島区①淀川神社~金色の牙むく昭和狛犬~

大阪市都島区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。淀川のすぐ南側には5つの区がありますが、都島区は大川(旧淀川)を挟んで北区の東側に位置します。南北に細長い区で、南は寝屋川と接しています。
都島という名称は、仁徳天皇の高津宮や孝徳天皇の長柄豊碕宮が近くにあったことによると言われますが、一説には、長柄豊碕宮の東岸(向かい側)に位置していたことから、この付近を宮向島みやこうじまと称したことに由来するともいいます。

都島区には、桜宮御旅所を含めて神社が4社あります。旧太閤園庭園内の網島神社を含めると5社になります。
淀川神社は、大川に架かる毛馬橋の東詰近くに鎮座します。かつての氏子には、江戸時代の俳人与謝蕪村がいたと言われ、境内には蕪村像があります。

与謝蕪村像

淀川神社

■所在地 〒534-0001 大阪市都島区毛馬町1-2-11
■主祭神 天照皇大神・八幡大神など十五柱
■由緒  創建年代は不明であるが、旧友渕村の氏神であった十五神社に、旧毛馬村の氏神であった八幡大神宮が合祀されたという。しかし明治42年(1909)、政府の命令により十五神社は旭区の大宮神社に、八幡大神宮は同区の桜宮に合祀され、地域の氏神がなくなってしまった。その後、住民から神社の復興を求める声が高まり、昭和28年(1953)に旧十五神社の境内を利用して、再び十五神を大宮神社から勧請し、再興された。

狛犬1

■奉献年 昭和三十二年夏祭(1957)
■石工  不明
■材質  花崗岩
■設置  拝殿前

淀川神社拝殿と狛犬
拝殿前狛犬(阿形)
拝殿前狛犬(吽形)

拝殿前に安置されている花崗岩製狛犬。第一台座には、「昭和三十二年夏祭」(阿形)・「再建 西川治三郞」の文字が彫られている。「再建」というのは、昭和32年の夏祭りを機に、旧狛犬が引退して、新たに奉納したということか。ギョロリとした大きな目で、金色の牙をむいている。恐ろしそうに見せかけているけれども、菅笠をかぶっているせいで、こわくない。

狛犬2

■奉献年 不明
■石工  不明
■材質  砂岩
■設置  境内

先代狛犬
先代狛犬

城北公園通側から神社に入る狭い入口のすぐ左側の植え込み付近に、摩耗して表情も読み取れない狛犬が一体置かれている。拝殿前の狛犬が奉納された昭和32年に引退した狛犬だろうか。おそらく江戸時代末期のものだと思われる。こちらは吽形のようなので、相方の阿形がどうなったのか気になる。境内を掃除しておられたおばあさんにお尋ねしたが、残念ながらわからないとのことだった。合祀や復興を経過する中で、狛犬はどんな運命をたどったのだろうか。

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