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大阪市の神社と狛犬 ➏北区②天神社(淀川天神社)~200年前の浪速狛犬~

大阪市北区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。淀川のすぐ南側には5つの区がありますが、北区はその中央にあり、大阪市役所の所在地です。北区の中心地梅田は、西日本最大の鉄道ターミナルで、JR大阪駅や阪急・阪神の梅田駅ががあります。地勢的には、北は淀川、東は大川、南は土佐堀川と三方を河川に囲まれ、西は福島区に隣接しています。北区には、神社が11社あります。

天神社は、南長柄八幡宮の南東すぐの場所に鎮座しています。法人名は「あまつかむのやしろ」ですが、一般には「淀川天神社」と呼ばれています。地名は「北区国分寺」で、すぐ近くに摂津国国分寺があります。

淀川天神社

■所在地 〒531-0064 大阪市北区国分寺1-4-1
■主祭神 天穂日命あめのほひのみこと・菅原道真
■由緒  天平10年(738)に行基がこのあたりの開拓した際、開拓の守護神として「天穂日命」を祀ったのが当社の起源と言われる。天穂日命は天照大神の第2子で、五穀豊穣をもたらす農業神としてこのあたりの住民の産土神として崇敬されてきた。天穂日命の子孫に菅原道真がいることから菅原道真公も祀り、現在は天満宮となっている。

狛犬1

■奉献年 文化九壬申季季秌吉旦(1812) 村上吉右衛門恭重
■石工  不明
■材質  砂岩
■設置  拝殿前

台座に「文化九壬申季季秌吉旦」の銘がある浪速狛犬である。「文化九壬申季」は、西暦1812年に当たる。「季秌」の「秌」は「秋」の異体字で、「季秋」は「晩秋」と同じく、旧暦の9月を指す。

狛犬は表面の剥離や損傷が激しく、吽形の右耳も欠如しているが、文化年間の貴重な浪速狛犬である。たてがみは、顔の横で巻き、背中には直毛が流れる。阿形が垂れ耳、吽形が大きな立ち耳で頭上に角を持つ。このような耳の形の変化は堺系の狛犬に多いが、この狛犬にもその影響が感じられる。大阪では西横堀の石工・御影屋新三郞がよく似た狛犬を造っている。石工銘がないのが残念だ。台座の一面に「村上吉右衛門恭重」という武士らしい名前が見られるが、これは奉献者であろう。


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