万葉の美女 手児奈(てこな)霊神堂
水面に浮かぶこの世ならざる美女。ジョン・エヴァレット・ミレーをはじめ多くの画家が題材としたオフィーリア。ハムレットの恋人であるが悲劇に見舞われ入水してしまう。
美人薄命というけれど、ヴィーナスや人魚姫をはじめ水と乙女のイメージは人々の心をとらえ続けてきた。ここ日本には「真間の手児奈」の物語。万葉集に謳われ、雨月物語や江戸名所図会にも伝えられている。
その昔、真間(現在の千葉県の市川市)にとても美しい乙女がいた。貧しいため青い襟の麻の衣をまとい、髪もとかず素足であった。けれ