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分析記録 アイスランドリーグ#1 HK Kopavogs VS Stjarnan

お疲れ様です。子舞です。
今回はアイスランドリーグ1部「Besta deild karla」(ベスタ・デイルド・カルラ)第11節よりHK Kopavogs(HKコーパヴォグス)VS Stjarnan(ストヤルナン)の試合を分析していきたいと思います。
今回の分析は、まず日本人でアイスランドリーグを見てる人なんて僕だけだと思うので、全くどこにも需要はないただの自己満分析noteになると思います。もし他にアイスランドリーグを見ている人がいたら是非教えてください。
こんなマイナーリーグに興味のある方がいたら、駄文ですがお付き合いください。

↓ ハイライトはこちら


試合前

さて、今回はマイナー中のマイナー、アイスランドリーグを見ていきたいと思いますが、その前に知らない人向けに、というか自分以外の人向けに少し試合情報を出していきたいと思います。

チーム

今回の試合はアイスランド第二の都市コーパヴォグルに本拠地を構える「HK Kopavogs」(以下HK)がホームに、隣町のガルザバイルを本拠地 とする「Stjarnan」(以下Stjarnan)を迎えるちょっとしたお隣さん対決。
2つの都市はともに大レイキャビークという地方に属しており、日本で例を挙げるとすると、同じ関西に属するヴィッセルvsガンバみたいな感じでしょうか。現地でダービーという感覚があるかは流石にわからないので、いつかアイスランドに行って確かめたいですね。

試合情報

会場は「Kórinn Kópavogi Íþróttamiðstöð HK」通称コーリン(Kórinn)です。ここは北欧などの寒い地域でよく見られる室内競技場でキャパは1450人と日本からするとだいぶ少なめです。この試合は507人の観客が来たそうです。
キックオフは日本時間2:00で、現地時間の17:00。普通の夕方キックオフの試合です。
冬の寒さの異常さから今のJリーグと同じ春秋制のアイスランドリーグ。まだまだ始まったばかりですので、このnoteで少しでも見てみたいと言ってくれる人が出てきてくれると嬉しいです。

スタメン確認

スタメン

HKはシンプルな5-3-2の守備メイン。Stjarnanは3-4-3の攻撃的スタイルですが、可変が多いため、そこは後述で説明させていただきます。

それぞれの戦い方

HKの戦い方

前述した通りHKは5-3-2、ローブロックの堅い守備でボール奪取。そこから背の高い2トップJonassonとBurknasonにボールを当て、セカンドボールを拾いゲームメイク、拾えなかったときは即ハイプレスをかけショートカウンターを狙う攻撃の形。
守備は集中して隙間を作らせないようにされており、簡単にはパスもシュートも通しません。まさしく打たせて取るピッチンg…持たせて刈り取る戦術ですかね。
攻撃時は両WBが上がる+Atlasonがトップ下になり3-4-1-2の形に。相手のビルドアップに対するプレスでもこの形をとり、3バックに対して1-2で構え、縦パス警戒でAtlasonが真ん中にいるため自然とボールは横に行き、サイドで追い詰める。

点線は人の動き

Stjarnanの戦い方

割とシンプルな可変だったHKと違いStjarnanはなかなかに変な可変が
多くだいぶ説明が長くなりそうなので項目ごとに分けて紹介します。

攻撃:攻撃時は3-4-3で相手CBに対して前線は数的同数になりますが、中盤以下で数的有利を作りボールを回し、隙をみて縦パスやCBの裏を狙います。
攻撃時は可変というよりポジションチェンジが多く、CFのGudlaugssonとボランチのAtlasonがチェンジしたり、右WBのOmarsonとWGのThorkelssonがチェンジするなど相手のマークを混乱させ、フリーな状態を多く作ろうとしていました。

守備:右WBのOmarssonがSBまで下がって4バックへ、そしてHalldorssonが一列下がりアンカーを配置、Halldorssonがいた場所にIngasonが入り4-1-4-1へと可変。
5バックではなく4バックにすることでカウンターに人を増やし、アンカーを置くことでバイタルエリアを塞ぎ、相手のトップ下に自由を与えない狙いがあります。

点線は可変への人の動き、HalldorssonはAtlasonをチェックしている


ビルドアップ:はじめはシンプルに3-4-3でボールを回していましたが、前半途中から相手のプレスに対応するため面白い可変をします。
Halldorssonが下がってアンカーとなりますが、守備時と違いHalldorssonがいた場所にはCFのGudlaugssonが入り0トップ化。
下から中盤にかけて人数を増やし、縦パスを狙いますがそれもまたダミーで、真の狙いはGudlaugssonが下がり警戒が薄れた相手CBの裏をIngasonとThorkelssonの両WGがとること。
言うとすれば3-1-4-2でしょうか。まさかアイスランドリーグで0トップが見られるとは思ってもいませんでした。人生なかなか捨てたもんじゃありませんね。

点線は人の動き、両WGはCBの裏に弧を描くように斜めのランニング

前半

開始直後の閃光弾

試合が動いたのはキックオフから僅か34秒後、ボールをもらい中に切り込んだIngasonのゴールへ向かうクロスをAltasonがビタ止めし、右足のアウトサイドで流し込みました。
クロスもトラップも見事なものでした。シュートは左からスライディングが来るのを見て、ゴールの右にアウトサイドで冷静に決めました。

次の1点、そしてアディショナルタイムに…

その後はStjarnanがボールを回し、HKが守る一進一退の状態が続き、再び試合が動いたのは26分。HKのコーナーキックのこぼれ球を拾ったFrotasonが再びクロスを上げ、中でフリーで待っていたAtlasonが胸トラップから豪快に右足をふり同点に。なんとここまで両チームとも得点者がAtlason。なんとも紛らわしい。
しかしこの得点をアシストしたFrostasonがクロスを上げたときに足をひねり負傷。無念の交代となり代わりにBenediktssonが入ります。
そして前半アディショナルタイム45+1分。HKのコーナーキックからそのBenediktssonが頭で合わせ逆転へ。背の高いJonassonやBurknasonをニアでおとりに使い、そこに人数をあてたため、マークが薄いファーでBenediktssonが難しい体勢からダイビングヘッドを決めました。
このまま2-1で後半に折り返します。

後半

高度な駆け引きからゴールを

後半も開始早々試合が動きます。
46分にHKのコーナーキックから、StjarnanのHalldorssonにボールが当たりこれがオウンゴールに。前半は散々高身長組をおとりに使っていたHKでしたが、後半最初のコーナーキックは背の高いBurknasonを狙ってきました。そこについていたStjarnanの選手は背の低いHalldorsson。前半のコーナーキックを受けて背の高い選手じゃなくて背の低い選手を警戒していたStjarnan。そして見事にその裏をかいたHK。プレミアでもなかなか見ないような駆け引き。コーチ陣が頭よすぎて一度お話を聞きたいくらいです。
さてこの得点で試合は3-1に。

追い詰められたStjarnanは

2点差になり何としても攻撃に出なければいけないStjarnanは62分に3枚替え。
OUT:Gudlaugsson、Ingason、Eggertsson
IN:Brink、Valdimarsson、Olsen
これによりStjarnanは攻撃も守備もフォーメーションを4-1-2-3に変更。
より前線に人数を置き、圧をかけます。
Eggertssonと交代で入ったBrinkはそのまま左WGに入りますが、それ以外の交代によりポジションチェンジが多発し、文字だけだと呪文のようになってしまうのでので、図を用いて説明します。
①交代交代でボランチとCFをやっていたAtlasonがCF固定となる。
②右のインサイドハーフに新しくOlsenが入って、左のインサイドハーフにに右WGからThorkelssonが異動。
③右SBだったOmarssonがThorkelssonの抜けた右WGへと列を上げ、その右SBに左SBだったAdolphssonがサイドチェンジ。また交代で入ってきたValdimarssonが空いた左SBに入りました。

紫色が入ってきた選手、点線はポジションチェンジした選手の動き、番号は上の説明と同期

その後もStjarnanはクロスからチャンスを量産しますがなかなか得点に結びつきません。
逆にHKは多く攻めない分、球際や前からのプレスが激しくなりなるべくStjarnanに前にいかせないようにします。

試合はまだまだ終わらない

このまま試合が終わると思いきや86分に再びStjarnanが試合は動かします。
CBのIngimarssonが前線に長いボールを蹴ると、Omarssonが落としStjarnanの得意なパス回しから最後は左WGのBrinkが飛んできたGKの逆を突きゴールを決めます。
そして88分、Stjarnanのコーナーキック。ニアで合わせたのは開始34秒でゴールを決めたAtlason。今日2点目となるゴールを頭で決め、試合は3-3の振り出しに。

そして試合を決めたのは…

決勝点はどちらが決めるのか、もしくはこのまま終わるのか。両サポーターが固唾を呑んで応援する中、試合は後半アディショナルタイムへ。90+1分、試合を決めたのはHK。
Valdimarssonのパスミスを見逃さなかった途中出場のPeturssonがワンタッチで前線にパスをすると、それを受けたAndrasonが反転しGKが前に出ていたのを確認して、センターサークルから超ロングシュート。これがゴールに突き刺さり試合は4-3に。
結局このゴールが決勝点となり試合終了。
激闘の試合は相手のミスを見逃さなかったHKが制し、90分の幕が降りました。

おわりに

というわけで今回はアイスランドリーグの分析をしてきましたがどうだったでしょうか?アイスランドリーグ見たいという人はでてきたでしょうか?まあそんなモノ好きなかなかいませんよね。いたら連絡ください。
今回は海外のリーグなので選手名は全員英語で書いていてすごい呪文みたいになって見にくかったですよね。そこは次回までにもうちょっと改善したいと思います。
さて季節は夏に向かいだんだんと熱くなってきたので皆さん熱中症には十分お気を付けください。特にスポーツ観戦中。水分補給と塩分補給は忘れずに。

最後まで読んでいただきありがとうございます。また次回もぜひ読んでいただけたら幸いです。それでは。


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