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ビリヤニとタイカレー

フードの提供が本格的に始まると、元々料理好きの店主連はどんなものを出そうかと考え始めます。一時期は店内調理も色々と試行錯誤しましたが、コンロが2口の極小厨房で効果的に提供するには事前仕込みが有利です。煮込み料理であれべば、温めてよそうだけで提供が可能です。

また、少し時間はかかりますが、炊飯土鍋でご飯を炊くというのもよくやっていました。タコ飯のような炊き込みご飯や焼肉丼のような具乗せもの、はたまたバター黒胡椒醤油かけご飯のようなちょっとジャンクなものまで、よくやりました。とはいえそこはスリム、肉はA5の和牛ですし、バターはエシレ、黒胡椒はカンポットと、素材は(場所柄的には)ぶっ飛んだものを使っていました。

そんな中、店主連の片割れは突如ビリヤニにハマりました。年間で140食以上ビリヤニを熱病のように食べあさり、中性脂肪の数値を跳ねあげます。研究を重ねて自分でも炊くようになり、小規模調理のノウハウを確立して店でも提供をするようになりました。

ビリヤニは、マサラやトッピングの仕込みが事前にできていれば、店内では浸水含めて1時間程度で提供できます。茹で鍋と炊き鍋を使うため、コンロ2つはフルに使う形になりますが、他の加熱もの(アゴ出汁や温かい飲み物など)が被っていなければ回せました。

片方がスパイスものにハマり始めると、もう片方の店主もそそられ始めます。もともとカレー好きな上に時期的にタイにハマっていたこともあり、タイカレー等のタイ料理が店で出るようになりました。

その影響でどちらもスパイスの購入量が一気に増え、店には大きな石のスパイスミルが鎮座し、店の冷蔵庫にはスパイスケースが張り付くようになりました。アゴ出汁と蒸留酒に加え、スパイス料理も店の特徴の一つになったのはこの頃です。常連のお客様にとても好評で、研究も兼ねていろんなバリエーションを楽しみました。

もっとも、気合が入った仕込みでも、お客様の入りとは必ずしも連動しない時もありました。が、店主連の料理はまず念頭に「いかに相方を満足させるか」という目標があるため、お客様も喜んでくれたらより最高、くらいなライブ感だったようにも思います。

特にチャイに関しては、都内でスリムより美味しいお店に出会ったことはまだありません(他県では2度ほどあります)。でも一番消費しているのは、なんだかんだ圧倒的に店主連だったりしたのでした。

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