今年も口座振替の案内通知に“ナッジ”を活用してみました。 (狛江市納税課×こまえのデザイン.)

2023年9月11日 17:03

こんにちは、こまえのデザイン. (狛江市未来戦略室)の銀林です。

こまえのデザイン. では、"地域住民とのコミュケーションデザイン"の観点から、市役所の情報発信の改善を進めています。
今回は、昨年度に引き続き、納税課とこまえのデザイン. が共同で作成した『ナッジを活用した固定資産税の口座振替の案内通知』をご紹介します。

昨年度の振り返り。

固定資産税は、毎年1月1日時点の市内の土地や家屋などの所有者に賦課される市税で、5月、7月、12月、翌年2月と年4回の支払い(納期限)があります。

狛江市では、以前から"納め忘れ"のない金融機関からの口座振替を推奨しており、昨年度はナッジ(nudge)を活用した口座振替の案内はがきを2パターン作成、使用しました。

・・・その結果、昨年度はこんな結果↓に。

あれから1年。今年も納税課のＴ係長から「今年もやりましょう！」と力強いオファーが。
「待ってました！！」ということで、こちらも即OK。今年もナッジを活用した口座振替案内を作成することとしました。
※ちなみにT係長には、"おしチャリラボ"にも有志職員として協力してもらっています。ありがとね！

さて、昨年度の案内ハガキは、第1期の固定資産税の未納付者を対象に送付しましたが、今年度はターゲットを変更して「今年度から固定資産税が新しく課税された方」を対象にすることにしました。

まずは、ナッジのBASICフレームに則り、口座振替申し込みまでの行動プロセスを分解します。
今回は「対象者が案内通知を開封してから内容を理解し、3種類の手続き方法を理解・選択するまで(Step2~Step4)」をボトルネックと捉え、ここで生じる摩擦要因に対する介入手法を検討しました。

その結果、今回は郵送する封筒に申請期限を明示(Attractive)、"納め忘れ＝延滞金"の発生リスクを明示(Attractive)、申請書に必要事項の一部をデフォルトで印刷(Easy)、の3つの介入手法を採用することにしました。

今回もデザインは内製のため、未来戦略室の職員が案内通知を作成しました。

封筒を開いてまず目に入る1ページ目は、対象者への"ご指名感"のあるメッセージと口座振替により得られるベネフィットを明示し、そのための3種類の口座振替の手続きが直感的に分かるように、文字は極力減らしつつ、アイコンを使用してそれぞれの手続きに必要な情報が伝わるように作成。

2ページ目の金融機関提出用の口座振替依頼書は、指定の様式のため手を入れず。

3ページ目は、前ページの口座振替依頼書の記入方法。
口座振替依頼書と照らし合わせながら記入してもらうことをイメージして、記入箇所が即座に認識できるように、記入(押印)が必要な箇所を赤で表記しました。

最後の4ページ目は、スマホかPCで申し込める"Web口座振替"と、銀行のキャッシュカードで市役所の専用端末から申し込む"ペイジー"の説明。

Web口座振替の方は、申込サイトのQRコードを貼り付けたうえで、3ステップで手続きを案内。
一方、ペイジーの方は、市役所の窓口に来て手続きをしてもらうことになるため、手続きに必要な持ち物や、市役所の場所、受付時間を優先して記載しました。

今回の案内通知はこれでいったん完成です。実作業日数は3.4日くらいでした。

この記事を書きながら改めて見返してみると、まだ改善の余地はあるなーと思いますが、ともあれこれで実際にどのくらいの方に口座振替を申し込んでいただけるのか！？
今回の案内通知の効果検証も、また別の記事で行っていきたいと思います。

最後に狛江市納税課からのお知らせです。
納税課では、市の行政サービスに必要な原資となる税金を、市民の皆様から公平・公正にいただくための取組みを日々重ねています。
このナッジを活用した口座振替案内通知も、その取組みのひとつ。

近年、狛江市の市税の徴収率は高い水準を維持しており、直近3年でも、都内26市で1位→3位→2位(※99.7％令和4年度決算/現年課税分/市税)と高い水準を維持しています。

市民の皆様におかれましては、日頃から市税の納期内納付にご協力いただき、誠にありがとうございます。
今後も、狛江市の行政サービスを安定的に提供していくため、引き続き、市税の納期内納付へのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ、「スキ」や「コメント」をいただけると嬉しいです！
※このnoteは、狛江市未来戦略室の職員4人が交代で執筆しています。それぞれの文章のスタイルもあわせてお楽しみください。

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