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こまち通信 9月号

大潟村に入植した50年前は、30℃を超える日は1日もありませんでした。
30年前も、30℃を超える日は数日でしたので、クーラーは必要なく、扇風機で済みました。

今年は、7月22日頃から30℃を超える気温が8月下旬まで1ヶ月以上続き、クーラーを使わない日は1日もありませんでした。

特に、お盆の1週間前後は35℃以上の日が多く、一歩外に出ると、あまりの暑さに頭がクラクラし、急いで家の中に戻ったものでした。
田圃のヒエ抜きも、30℃を超えると熱中症になる心配があり、長く続けることができません。

7月下旬に一度、東京に行った時、初めて38℃の気温に遭いましたが、あの時はホテルを出た途端に、頭がクラクラすると同時に、口の中が乾いて呼吸をすることもできなくなったので、急いでホテルに戻りました。東京の暑さに比べると、秋田の暑さはまだまだ我慢ができると、改めて実感しました。

国連の事務総長が、地球温暖化時代は終わり、地球沸騰時代が始まったと演説をしておりましたが、本当に地球が沸騰したのかと思うほど暑い夏でした。

あまりの暑さのためか、畑の玉ねぎやトマト等も、陽の当たる場所では野菜が茹でたようになり、売り物にならなくなったとの話をたくさん聞きました。
来年も、30℃を超える日が1ヶ月も続くことになると、稲の栽培方法も変えなければならないのかと考えているところです。
また、畑作も播種時期や植え付け時期を変えないと元気に育たないのではと、心配になります。

大潟村に入植して、初めての暑い夏になったので、ただただ、驚き、戸惑っているばかりです。

人間はあまりの暑さのため、クーラーのきいた部屋から外に出ることはできませんが、稲はどんなに暑くても元気に生長し、出穂期も例年より3~4日早く、稲刈りも早くできるのではと、期待しているところです。

私の故郷、新潟県は日中の気温に併せて夜温も高いので、お米の品質が落ちることを心配しておりますが、秋田県はまだ夜温が低いので、お米の品質が落ちる心配はないのではと考えております。

人間、長生きすると様々な経験をするものだと、改めて実感をしているところですが、今までの経験を活かして、どんなことが起きても対応していきたいと、改めて考えております。
今のところ台風の被害はありませんが、稲刈りが終わるのが10月上旬になるので、それまでは油断ができません。
8月下旬に玉ねぎの種を播き、9月下旬から稲を刈り始め、10月中旬から玉ねぎを植え始め、10月下旬から暗渠作業を行う等、農作業は、雪が降るまでやることが山ほどあります。

どんなに雨が降っても、どんなに風が吹いても、どんなに暑くても、一日一日、やるべきことをやることで、お米も玉ねぎも収穫することができます。
これからも、様々な出来事に遇うと思いますが、一つひとつを確実に積み重ねることで乗り越えていきたいと考えております。

まだまだ暑さが続いておりますので、お身体にお気を付け頂きたく存じます。

令和5年9月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹

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