職場の年下の先輩④

ある日の朝。

毎朝掃除の時間があるのだが、掃除は当番制。毎日誰がどこの掃除を担当するのかが決まっているのだけど、その日Eさんは棚のふき掃除担当だった。

私の担当は掃除機がけだったので掃除機をかけながらなんとなくEさんを見ていたら棚の上半分だけをさささーと拭いて掃除を終わらせようとしていた。確かに下半分は膝ついて体かがめてふかなきゃいけないからめんどくさいもんね、わかるわかる~^^

っておいおい。いやいや。

あとからするのかな~と見ててもそんな様子ないし、なんかもうそんなところ見えてしまう自分も小姑みたいでいやになるけど、お客様が見られた時に汚れがあっても良くないので

『Eさん、下半分しました?』

と近くに行ったときに言うと

『え・・・、いや・・・、あの・・・』

とその後私を無視して棚の下側の掃除を始めた。

えーーーーーーーーーーーー、無視されたーーーーーーーーーーw

と思いながらその日は虫の居所が悪かったのか内心めっちゃ腹が立って仕方なかった。

社会人になって、誰かの掃除の仕方まで注意する日が来るなんて・・・

いやいや、ここ学校じゃないんだよ!?私たちお給料もらってるんだよ!?仕事が楽しくないって、楽しめるようにするのが仕事だし、きついながらも工夫したり良くしようとしてその結果が返ってきたときにやりがいを感じれるのが仕事のおもしろさであり楽しさだと思うんだけど、まぁもちろんそれは分からないのかもしれないけど・・・・とかなんとか考えながら、これまでのことも振り返っていたら、もう本当に、言うだけ無駄、もう関わりたくもない、どうでもいい、視界にも入れたくないわ、とダメな方向に吹っ切った私。

その日の業務では1日中Eさんとは必要最低限しか話さず、目も合わせずな状態。目が合って話をすると罵声を浴びせてしまいそうで、こらえるためにも・・・・!!!

サブマネージャーにもLINEで

『正直どう向き合っていいかわかりません・・・』と報告。

そして次の日。

出勤時間に店舗のグループラインが鳴り、Eさんから

『体調が悪いのでぎりぎりになりそうです。遅れそうなら連絡します』と連絡が。

ちなみにこれまでもなにかあるとすぐに体調が悪くなるEさんだったので心配よりも先に私も他のスタッフも『またか…』な状態。

その後無事に出勤したが1日体調が悪く…。

その前日と私からのSOSにより翌日急遽各スタッフサブマネージャーと面談をすることに。

サブマネージャー『大丈夫ですか?』

こまち『正直しんどいです。』

サブマネージャー『そうだよね・・・。正直、私も働いてきた中で、Eさんは初めてのタイプすぎてどう扱ったらいいか分からない。半年前に口酸っぱく注意していたことが今でもできていない。でも会社としては辞めてもらうとかは絶対ないから、育てていくしかない。

こまちさんが入社して3ヶ月でできたことを、あの子は3年、5年かけなきゃできないかもしれない。こっちが伝えたいことも100分の1でも伝わればいいと思って接しないとこっちがしんどくなる。

ゆくゆくは私はこまちさんに店長とかになってもらえたらって思っているからその時に向けての試練と思って、私たちもできる限りサポートするから一緒に頑張ってほしい。誰かひとりが言うんじゃなくて、みんなで小学生を社会人にしていくんだと思って伝えていくしかない』

とのことでした。

だいぶ感情的に愚痴をこぼしながら、ようやく少し冷静になってきた私。言ったことはできるだろうと期待するから良くないのだ。もう3年5年かかるものと思いながら、感情人間な自分の感情をコントロールする練習のためにも冷静にEさんと向き合えるようにしよう。

そう考えなおした面談。

そしてその次の日からはギスギスしていた雰囲気も少し緩和されて、忙しくてもまたもとのように穏やかに業務をこなしていた。

が、数日後。

仕事始めの月曜日。

昼にかけてEさんが体調が悪くなり、昼休憩中に吐いてしまったらしく早退することに。

本人曰く、『夜も眠れないしごはんも吐き気がするからあんまり食べれない』とのこと。まぁ精神的なものだろうなぁーと思い早く良くなればいいなぁと思っていたのだが。

翌日も休憩中なにも食べずに休んでいるので食欲がないのかと聞くと、吐き気があった食べるのが怖いと。

トイレと事務所を行ったり来たりするので話を聞いていると

『やらなきゃいけないのも、お金もらっている社会人だから学生と違うってこともわかってるしやりたいのに体がしんどくて…悔しいんです!!』

とおんおん泣き始めた。

私は冷静に、『お、私に言われて腹がたつ、とかなんでちゃんとやっているのに言われなきゃいけないのとかじゃなくて、やりたいのにできない自分を悔しがって泣くなんて成長したなぁ』とその涙に素直に感動し泣きそうだった。

が。思いのほか自体は深刻だったようだ。

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