時事川柳（７月）

＊以下、カッコ内は雅号。

ラーメンの 熱量冷ます 旭川 (醜聞多発)

内紛で 業務が出来ない スーパーも (労組)

空調服 いつ爆はぜるかと あぶら汗 (爆発事故)

鹿蹴る奴 蹴散らかすのが へずま流 (改心)

小説より 奇なる敗訴に 無念の作家 (知念氏)

うな重で 成瀬は天下を 取りにいく (急成長)

精つけて 精根尽きる こともある (鰻食中毒)

統合で 出張しっちょうするのが 集スト軍団(統失制限)

立ちんぼが 夜戦やせん相手を 待つ病院 (@新宿)

Ｘで 細々発信 マッチョな人 (志す芸人)

火の粉浴び アインシュタイン 舌を出し(博士)

主催者の不義には優しくなりたくない (和義)

トランプの 頭をアベと 弾かすめ (銃撃事件)

野球でも もし虎夢見る 阪神ファン(アレンパ)

パリ辞退 酒と泪と タバコと女 (宮田選手)

時に照り 時には降りで 10度目V (照ノ富士)

太陽が RIZINしないで 朝暗し (未来暗転)

栄一の 目に留まるよう 汗流し (新一万円札)

働かない 奴には栄一 首を振り (3D肖像画)

北里も 注射は嘘ぞと 首を振り (コロナも)

レプリコン ワクチンそれは 針の山(地獄絵図)

うつ病は もはや日本の 国民病 (打つ病)

また打って そして誰も いなくなる？ (筋書き)

ドクターは 社会の毒だぁ 気をつけろ (利権)

“コロ”という 犬に怯える 羊たち (第11波？)

未接種者 『シェ』は迷惑と 嫌味言い (イヤミ)

この暑さ 打ってなくとも 体調不良 (酷暑)

前方が ぼやけるこれは 熱中症？ (蜃気楼)

猫も避暑 取り残される 猫じゃらし (炎天下)

暑い時ゃ 熱い風をと ハンディファン(熱風機)

蛇口捻る お湯が出てきて 首捻る (夏の定番)

うだる様な ではなく既に うだってる(夏バテ)

梅雨明けて 快晴の下 蝉時雨 (汗に濡れる)

夏にだけ 出合うあのネジ 逆回転 (扇風機の)

雷様も 太鼓叩いて 夏祭り (黒雲と夕立)

蝉の世も 田舎は眠眠 都会は不眠 (夜も鳴く)

今日も生く 連休だけを 楽しみに (盆よ来い)

【選者後記】
◎候補者が 幽霊ばかりの 都知事選
蓋を開けてみれば、小池氏の再選で何も変わらなかった今回の選挙。過去最多の56人が立候補したという割には、実際に貼ってあるポスターは12、13人分の掲示板がほとんど。今はポスターや街頭演説よりもネット活動だけで充分票が取れる時代のよう。それにしても石丸旋風は凄かった。街行くいかにも政治に無関心そうな若者が口々に「石丸さん」ですもの。その後のメディア対応の件もあり、今では多くの人が安芸れ顔のようですが…。
◎もしトラが ファイトラを経て 確トラに？
世界中から注目を集める米大統領選。先刻ご承知の通り、トランプ氏が銃撃されるという事態が発生しました。何でも、旧友であるシンゾー・アベの天声により一命をとりとめたとか。「Fight!」と叫びながら拳を突き上げる姿は、ヒーロー好きのアメリカ人にとってはさぞや突き刺さったことでしょう。まあ、これも一部では色々と言われてはおりますが、とりあえずポップコーンを食べながら引き続きトランプ劇場を見守りたいものです。
◎鹿の絵の デジタルタトゥーに もがく馬鹿
奈良公園にて、鹿に暴力を振るう輩の動画が拡散されました。犯人が中国人かどうかは分かりませんが、日本人なら通常このような行為はあり得ないでしょう。そこで出てきたのが、元迷惑系ユーチューバーでおなじみの、へずまりゅう氏。現在、連日無償で現地をパトロールし、鹿を虐める馬鹿共を撃退しているようです。人間その気になれば、いつからでもやり直しがきくものですね。
◎もう四年？ 選手同様 時差ボケし
海の向こう、パリの方では五輪ピックが絶賛開催中だとか。今回は間隔が三年ということもあり、「え、もうやってるの？」と意外に思っている人も少なくないのではないでしょうか。なんだか大会自体、もう昔ほどのブランド感はなくなったように感じます。ガンバレニッポン（棒読み）。
◎そしてまた 羊は注射を 打ちに行く
現在、コロナ第11波だそうで。もうわかってる人にはわかってる茶番なのですが、また怯えてマスクだ感染対策だと騒いでいる羊も。某作家先生だって、裁判で負けたのにまだ注射がどうのこうの…アチラ側の回し者か！ホラエモンだって、あれ実際には打ってないでしょう。もう、ここまで来るとつける薬はありません。縁なき衆生は度し難し。来世でまたお会いしましょう。左様なら。
◎日本列島 今日もどこかで 『災害級』
いまや、この国において『災害級』は決して特異な例ではありません。今月で言えば、大雨であったり猛暑であったり。昔から『忘れた頃に』と言いますが、忘れる間もなくやってきているのが現状。だからこそ、私たちは日頃から心の準備をしておくことが重要。ながらスマホで薄ぼんやり生きている人間は…残念ながら長くはないでしょう。
◎『諭吉』への 恋しさますます 強くなり
満を持して、新紙幣が流通し始めました。3Dの首振りホログラムが何とも憎いですね。これにて、一万円の代名詞も『諭吉』から『栄一』へと変わります。そうなると、なんだか急に『諭吉』のことが恋しくなります。いや、もともと疎遠か……。改めて、『栄一』とは懇意になりたいものです。
◎夏盛り 花火のごとく 燃え尽きる
ひょいと往来を歩けば、腹を見せたアブラゼミの死骸をあちこちで目にします。蝉も降参する（？）ほどの暑さが連日続いておりますが、皆さまどうか気を確かにお持ち下さいませ。もういくつ寝ればお盆休み。お盆が明ければもう夏も終わり。残り少ない夏を、蝉と共に謳歌しましょう。

《あなたの“ひと夏の一句”をお寄せください》
kane-mo-nai-syokuyoku-mo-nai-yotei-mo-nai.dakedo-inochi-ga-arujanaika@senryu.jp