見出し画像

はじめてのおつかいみたいな温かさを感じた帰り道。


昨日2歳の息子の保育園のお迎えに行き外に出ると、「バス!」と言い出しました。
内心、「始まった…」とギクリ。
バスブーム中の息子、雪が降るまではベビーカーでお迎えに行き、バスを見に行って帰ってくるのがルーティンになっていました。

雪が積もってベビーカーが使えなくなってからはそり移動に変わり、そりでバスを見に行けなくもないけれど、ロードヒーティングになっている場所があり、そりだと色々都合が悪いのです。前には娘を抱っこしているのでなかなかの重労働となり、かと言っていっそそりをやめて歩きにするには、いつ「抱っこ!」となるかわからないしヒヤヒヤするので、自然と冬は真っ直ぐ家に帰るルーティンに変わりつつありました。

最近は、真っ直ぐ帰るなら距離もそんなにないし、歩きでいいかと、そりすらも使っていませんでした。
昨日も歩いて帰るつもりで迎えに行くと、まさかの「バス!」

こっ、これは…!試された気分になりました。
歩いてバス、見に行ってみる?でも、その往復の途中いつ「抱っこ!」となるかわからんぞ?バス見に行くだけ行って、帰りが全部抱っこになったら悲惨だぞ?
さぁどうする!?
……。
まぁ最悪、全部抱っこで帰れないこともない距離ではあります。瀕死にはなると思うけど。

行ってみることにしました。最近日が長くなってきたことも後押しになりました。明るければ最悪抱っこになっても、なんか頑張れそうと思ったのです。

結果、ギリギリ全部歩いてくれました!
後半は怪しかったです。だんだん飽きてきてわざと座り込んでみたり、何度か「もうこれまでか…!!」と半分覚悟を決めた瞬間もありましたが、一度も抱っこはしなかったのでギリギリセーフ!!

道中、心温まる場面も何度かあったのです。
息子が滑って転んだ時。彼はあまり転んだ瞬間わーっと泣くタイプではないのでそっと立ち上がるのを見守り、立ち上がった瞬間、「がんばったねー!」と、おばさまが声を掛けてくれました。どうやらもう1人見守ってくれてた方がいたようです。
「転んだ時後ろから大丈夫かなって見てたよー!泣かないでえらいね!」
「あっ、こっちにも可愛い子がいた!」遅れて娘の存在にも気づいてくれて、
「一番可愛い時だね。私も思い出すよ。お母さんも幸せそう!」

最後の言葉が嬉しかった。バスを歩いて見に行くか散々逡巡し、いやいや、育休に入って、送迎を時間に追われずゆっくり遊びながらできるこの時間の尊さを大事にしようって、思ったんじゃなかったか。最悪抱っこになったって、それも思い出だ。この時間を楽しもうと思い直して、腹を決めてからは本当に楽しくこの時間を噛み締めていたから、それを幸せそう!なんて言ってもらえて何だか嬉しくなった。

そしてほくほくしながら帰路へ。
家が近づいてきて息子も気が緩んだのか、わざと座り込んだりと遊び始めた。私もまぁ、もうちょっとだしいいかとおおらかに見守っていた。10m先位に、除雪の手を休めて、スコップに体を少し預けながら、こちらを見ているおばさまがいた。たぶん、息子がごねているように見えて心配して見てくれてるみたいだった。

少しの押し問答の後、再び歩き始めた。
さっきおばさまがいた所に着く頃には、もういなかった。もう大丈夫そうだなと思って、家の中に入ったのかもしれない。
何だか、日本の誇るべきあの番組、はじめてのおつかいみたいだった。
色んな人が見守ってくれてるなと感じた帰り道。
もしかして、カメラ回ってる!?あのスコップ、実はカメラ仕込まれてたんじゃない!?
と思う程、色んな所でさりげなく見守ってくれているのを感じた。テーマ曲のドレミファだいじょーぶのイントロまで聴こえてきそうだった。(余談ですがあのイントロ、口で言うとパヤパパパヤパパ、パッパパッ!!なイメージだったけど、ドレミファドレミファって最初から言ってた 笑 noteに書くしと念の為再生してみた。小さい頃から見てたのに。人間の記憶って適当ですね~)

温かい。このまちに引っ越してきてから何度も思った。「あっ!」と思った瞬間、「でも知らない人だし、」のワンクッション挟まずすぐに話し掛けてくれる人が多い。犬や子供を連れてることが多いのもあるとは思うけれど、それにしても温かい。このまちに何かできることを、とほんのり小さく芽生え始めているのも、この温かい人たちのおかげだ。
何かこの温かさのバトンを、私も次へ、その方向を、模索中です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?