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カメを助けた娘のはなし。

世の中は新学期。
小学一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。


入学式を終え、いよいよ学校生活が始まる子どもたち。
、、、とは言っても。
一年生はあっという間に下校する!笑
今日もまだ10時過ぎなのに、黄色いカバーのランドセル集団が先生に付き添われて下校していた。
ランドセルを背負っているのか、ランドセルに背負われているのか、黄色い集団がわちゃわちゃしているのは、なんと可愛らしいことか。
その集団の行く先に、こちらも初々しい一年生保護者の皆さん。
子どもを見つけて手を振るママたち。

毎年そんな光景を見ては、毎年思い出す長女の思い出、、、


校長先生に?

我が家の長女、今でこそしっかりちゃっかりしているけれど。
子どもの頃はかなりオモシロい子だった。
純粋でまっすぐ、良く言えば子どもらしい子だった。

その事件(笑)は、入学式から一週間の、集団下校のこと。
私はマンションのエントランスで、一年生たちが帰ってくるのをママ友たちと雑談しながら待っていた。
時間どおり、同じマンションのお友達がみんなでわちゃわちゃと帰ってきた。
あれれ?
うちの長女だけいないのだ。

仲良しの子に「S(長女)ちゃん一緒じゃない?」と聞くと、
「Sちゃんね、校長先生に用事があるからって、校長先生のところに行ったよ。」と。
はあ???

小学校に入学したばかりの一年生が、校長先生に何の用事があるんだ?
何かしたのか?
何かやらかしたのか〰?

満足げな長女

幼稚園では問題児ではなかった(ハズだ)。
なのになんなの?
なにをしたのーーーー???
私はドキドキしながら長女の帰りを待った。

みんなから遅れること30分、長女はニコニコと帰ってきた。
「Sちゃん、遅かったから心配したんよ。」と私。
「校長先生のところに行ってきた(ニコニコ)」と長女。
「カメの川を掃除してください、って言ってきた!」
か、か、カメ?
、、、そういえば入学準備で行った時もカメを見てたな。
長女は良いことしてきたと言わんばかりの表情で、「カメも喜ぶね」と大満足な様子。

お昼を食べながら詳しく尋問、いや、問いただすと、、、

小学校の中庭に幅2mくらいの小川が流れている。
そこにカメが10匹位いるのだが、いつ見てもカメが石の上にいて川の中に入っていない。
(カメは甲羅干ししているだけなんだが)
カメが川に入らないのは川が濁って汚いからだ。

「入学式の時、校長先生言ってたよね?『学校で困ったことがあったら、いつでも校長先生に相談してください』って。
だから、川が濁っていてカメが困っているから、川の掃除をしてくださいってお願いしてきたんよ。」

カメ一家のピンチを救ったヒーローの長女はとても満足げだった。


入学したての一年生の集団下校に遭遇すると必ず思い出すこの事件(笑)。
いや、昔は事件だったが、今思えば、なんと可愛い長女の23年前の思い出だ。

あの長女も親になった。
もし、Hちゃん(娘)が入学直後に校長室に単独直談判に行ったら?
長女はHちゃんに何というのだろう。
たぶん私は長女を否定はしなかったと思う。
でも「校長先生も忙しいから、また困った事があったら最初に担任の先生に相談しようね。」と、つまらないことを言った気がする。
今なら、その子どもらしい行動と度胸を「よく言った!いいことしたね!」と手放しで褒めて、一緒にカメを見に行っただろうな。

後日談。

それから間もなく、校長先生発行の『学校だより』に、長女の事が載った。
一年生が校長室に来てくれたこと、カメの事を心配してくれた、と好意的に書かれていた。
川はこれから掃除をする予定であること、でもカメはすこし濁った環境が住みやすいので心配はしなくてよいこと、皆さんも困った事があれば校長室を訪ねてくださいね、と真っすぐな一年生のほほえましいエピソードとして紹介されていた。
「川がキレイになるんじゃね」と長女。
校長先生が約束を守ってくれると嬉しそうだった。



一年生の皆さん、学校は楽しいですか?
嫌なこと、困ったことはありませんか?
もし困ったら一人で悩まないで、先生やお友達、周りの人に相談してくださいね。


楽しい学校生活を!

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