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加速する営業の最適化

1. "ジャマオジ" いきづく営業の現場


みなさんはジャマオジという言葉をご存知だろうか。

IT に疎く、旧態依然な業務スタイルを変えないばかりか、若者にそれを強要するおじさんのことだ。

この言葉の初出について定かではないが、私は『シン・ニホン』で有名な安宅 和⼈氏の発信で初めて耳にした。


こちらの資料は無料で閲覧することができます。)


このジャマオジが、エンジニア畑の現場と比較して、営業畑には、相対的に多い。

未だに日報をオンプレの共有ストレージでエクセル管理したり、業務コミュニケーションを電話で行ううえに冒頭の世間話の時間の方が長かったり、おまけに宴会芸を強要したり、、

無論、一概に言えるものではないが上記に心当たりがあれば読み進めて欲しい。


ではその営業の現場で今何が起こっているのか。


2. 営業の最適化が加速する3つの理由


営業の現場で、業務の最適化が躍進しているに思う。

進んでいる理由を簡単だが、3つに分けて考えてみた。


2-1.  SaaSプロダクトの隆盛

2020年のIT トレンドは、SaaSと言われて久しく実際に直近のスタートアップの調達トレンドも、SaaSに集まっている。

to C の市況が冷え込んでいることが一因だが、詳しく書いてある記事がnote には多々あるので理由についてはそこを参照して欲しい。

そこで、サービスは作る人だけでは完結しなく、法人に対して、売る人も重要だ。という至極当然の風潮が強くなってきている。

IT 系の事業会社において、営業マンの価値が見直されているということだ。

実際にビジネスサイドの採用強化は多くの企業で始まっている。


また文脈は異なるが、paypay の仕掛けた大規模な地場営業も、営業マンなくしては成し遂げられなかったサービスグロースの方法であろう。



2-2. インサイドセールスツールをはじめとした営業効率化ツールの普及

ヒラメ筋のベルフェイス、言わずと知れた営業支援ツールセールスフォース、ドメスティックに存在感を伸ばしているマツリカを筆頭に、営業をしやすくするツールが普及している。

営業において、人の温かみは大事だが、省ける無駄は当然省いた方がいいし、共有できるノウハウはかんたんに共有できた方がいい。

これらの台頭によって、営業マンは外回りをひたすらする一騎当千の存在ではなく、社内からも顧客にアプローチを行うことができるようになり、すべての行動にログが残るようになったのだ。


2-3. リモートワークの推進

もともと推進されていたが、2020年2月、昨今の情勢に置いては言わずもがなである。


3. 営業マンのナレッジ共有は秘伝のタレからエンジニアライクに

そのように、IT 業界においてプロダクト側とビジネス側の境界が溶け始め、加えてツールの普及により営業のナレッジ共有はエンジニアライクになっていくことが予想される。

エンジニアライクというのは、自分が行なったことを再現性があるようにwiki に残したり、Qiitaを使って流布したりというような文化だ。

従来、営業マンが秘伝のタレを受け継ぐのは、上司のカバンを持って、運転手をして、同行営業というのが基本だ。

上司も体系的に教えられていないため、部下にも雰囲気で伝えるという連鎖が、脈々と続いている。

同行営業とか、泥臭い営業についてピンとこない人は『宮本から君へ』を読んで欲しいな。。


4. 実際にそのようになってきている



✴︎✴︎すごくいい記事!✴︎✴︎


こちらの記事を初めてみた時感動したんですが、さらに感動したのが営業アドベントカレンダーなる取り組みもあるそうです。

広がれ。


5. ではどうすると都合がいいのか


前述の例のように、ノウハウをアウトプットするには、まず自分の中で体系化する必要がある。

ノウハウを明文化して、営業会議で発表するとか、小さなアクションから始めてみるのがよさそう。

営業マンの転職も、数値実績だけじゃなくポートフォリオとかで評価され始めるといいな・・(数字はわりとごにょごにょしやすい)


6. おまけ〜教えてもらえない営業が詰むまで〜


新卒の営業マンが、ノウハウが落ちていない現場で営業する場合、詰みやすいと思ってます。センスが良かったり、メンター等の教えてもらえる仕組みがあるといいのですが、なかった場合悲惨で、下記の3ステップで救済がないと厳しいなと。


6-1. 人に聞けない


どんな仕事でもそうなんですが、自分で考えることが難しい案件でマニュアルがない場合、人に聞くしかないです。

聞かれた側は、はじめは回答するけど、以降忙しい時は不機嫌な感じになるという光景は誰しも身に覚えのあることだと思います。

聞く側は、これをやられると萎縮してしまいやすいので、聞くのをやめるという選択をとる可能性がままあります。


6-2. お客がエラー文を返してくれない


社内で詰んでも社外があります。おかしな話ですが「必要なことはお客様しか教えてくれない」みたいな話があちこちにあります。

というのも、お客様も暇じゃないので、営業マンがきて実りもない話をされても迷惑なので、親切なお客様は要望(エラー)をくれます。

例えば、

値段を下げてください
上司を出してください
競合と付き合いがあります

などなど.. です。


エンジニアの方も心当たりがあるように、エラー文が出れば解決するために試行錯誤すればいいですが、エラー文が出ないのが一番きついですよね。


営業マンも、上記のような要望があれば持ち帰ってどうにかできるのですが、

今忙しいので

といった曖昧なエラーでお茶を濁されると、もう何にもできない、というようになります。


6-3. テンプレのアクションのみでお茶を濁すようになる


最後です。手詰まりになってくると、

"とりあえず手土産を持って、カタログを渡す。" といったテンプレというか、毒にも薬もならないアクションしかしない(できない)ようになります。

こうなると、お客様にとってすごく迷惑にはならないし、会社としても一定のアクションは行なっているな、という評価になり、なんとなく仕事はまわるようになります。


このテンプレをこなす作業に、当人が違和感をもって改善を試みればいいのですが、日報のごまかし等、本質ではなく建前の改善だけを続けてしまうと、詰み。なのではないかなあと思います。


7. 書いた人


わたしですが、現在は事業会社でPM をやっていたりしますが、元々は飛び込み営業とか、自治体向けの新規営業とか、パートナーセールスとかを色々やっていました。


その時、いつも感じていたのが、営業現場における情報の非対称性です。


当時勤めていたのが、一部上場企業で全国支店がある会社なのですが、地方支店に中途で入った営業マンと、本社に新卒入社した営業マンで、あまりに情報や武器に不公平があるなあと感じてモヤモヤして、勝手にいろんな人の世話焼きをしていました。(今は、当時の状態について改善されていると思います。また全社的な話ではなく、一部の環境下においてのお話です)


そしてここ数年は事業会社で開発者の文化にしっかり染まっておりまして、やったことを残す -> 共有するというサイクルをまわしているわけです。


営業マンのときから、こういった共有の文化を知っていれば良かったなあと日々思っていたら、頭のいい人たちがすでに文化醸成をしていることを知って、こんなnote を書いてみました。

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