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中公新書で学ぶ現代日本の政治

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中公新書を読んで中学公民を学び直す社会人の勉強ノートです。
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2020年4月の記事一覧

『日本の統治構造』(中公新書で学ぶ現代日本の政治④)

 今回は『日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ』(飯尾潤、2007年)を取り上げます。ちなみに、同書は第29回サントリー学芸賞や第9回読売・吉野作造賞に選出されるなど、高い評価を受けています。
 タイトルからうかがえるように、本書は選挙制度から官僚制度まで、中央政治から地方政治まで、海外との比較も含めて日本の統治構造に関する多岐にわたる論点を扱っています。これまでのノートで取り上げた3冊との

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『首相支配』(中公新書で学ぶ現代日本の政治③)

 今回は、『首相支配 日本政治の変貌』(竹中治堅、2006年)を取り上げます。本書は、1994年の政治改革から始まり、橋本行革を経て小泉内閣による郵政改革の実現に至るまでの過程を扱っています。2006年の本なので、安倍内閣の評価は当然、まだありません。第1回で取り上げた『日本の選挙』(加藤秀治郎、2003年)と第2回の『自民党』(中北浩爾、2017年)とも所々で内容が似通ってはいます。しかし、タイ

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『自民党』(中公新書で学ぶ現代日本の政治②)

 <中公新書で学ぶ現代日本の政治>の第二回になります。前回取り上げた『日本の選挙 何を変えれば政治は変わるのか』(加藤秀治郎、2003年)は選挙制度を中心とした著書でしたが、そのなかで中選挙区制と総裁選挙の存在が派閥を産んだという話が出てきました。本書『自民党「一強」の実像』(中北浩爾、2017年)は、自民党に派閥が生まれた背景とその周辺、そして派閥の衰退から新たな動きまで知ることができます。議院

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