名駅西さんぽ

岐阜から電車に乗って20分。名古屋駅へ来ると、いつも人の多さに目眩がする。

速足で改札へ吸い込まれていく人、ビルのレストラン街を目指す人を尻目に、わたしは名古屋駅の西口(みんな大好きビックカメラがある方)から歩き出した。

運動会ではないのにカラフルなフラッグがかかる道路。少しちぐはぐな感じもまた好ましい。

大通りに面しているからやや人は多い。それでも昔からの写真屋にはシャッターが降りていて、すこし物哀しい。

お目当ての喫茶店は朝10時半で既に閉店。はやい。

お腹を空かせながら彷徨う。
銭湯の「ゆ」の字を見ると不思議と心躍るのはどうしてかな。赤い、滑らかな風体でありながらもどこかどっしりと落ち着きがある。それでいて茶目っ気が隠れている気もする。不思議な文字だなぁ、ゆ。

こちらにもシャッター。すこぶる素敵な佇まい。

こちらのシャッターはもうきっと開かない。
店名の一文字目がなんなのかとても気になる。

くるくると点滅するランプを見つけた時の喜びたるや、まるで砂漠でオアシスを待ちわびた旅人の如し。

お店の前にはなぜか柚子や金柑、蜜柑などの柑橘類が鈴なりに成っていた。

光が差し込む店内はため息が出るほどに美しく、窓際の花々とステンドグラス調のランプが美しさに拍車をかけている。

お正月特番だった「世界の果てまでイッテQ!」を観ながら、お隣のおじいさんと大爆笑した。
今年引いたおみくじに書いてあった神様からの一言は、「笑う門には福来たる」。新年早々たくさん笑って、いい気持ち。

画面の中の出川は、物凄く体を張っていた。アナコンダを首に巻いたり、体に装着したペットボトルロケットが10cmしか飛ばずに顔面から地面に落ちたり、かたや人間シーソーで10mちかく吹き飛ばされたりしていた。

常に体当たりロケなところは心配になるけれど、出川はずっと面白くいてほしい。イッテQも充電させてもらえませんかも、めっちゃ好き。

大好きな喫茶店ロビンへ、新年のご挨拶。
ビッグママ(と勝手に呼んでいる)は腰は曲がっているけど、交わす会話はピンシャンしてお元気でした。何よりです。

ガガガガガッッッ!!!とえっらい大きな音がするコーヒーミル。ものぐさすぎて家では珈琲を淹れないので、こうやって豆から挽いてくれるお店は大好き。

なんとも素敵なアロマの気配がした。残念ながら店じまい。

小さい時は女の子の方がおませさんだったりするよね。隣のボーイに熱視線。

屋号はベビーセンターなのに、中身はシルバーカー専門店。ここにも少子高齢化の波が来ていたみたい。

いや、でも取扱50年以上だからそうでもないのかな?謎だな。

ぶらぶら歩いていくと、唐突に現れる歓楽街。ピアゴ(ショッピングセンター)とパティスリーとカレー屋さんに囲まれても、元気に絶賛営業中。

この中村大門エリアは昔遊郭があった名残で古い建物やソープ街が割と残っていたけれど、最近は取り壊しが進んでいます。
あの窓から遊女がお客さんを手招きしたこともあったのかなぁ、なんて見たこともない景色に想いを馳せてみたりする。

本日の終着点。フォントがとびきりキュートな「コーヒートミダ」。
お花が濁点の代わりになっていて、なんて可愛らしいのでしょう…

注文してから焼いてもらえる、ぷわっぷわの卵サンド。味わいも穏やかで、至福の時間。

ちびまる子ちゃんをうっかり読み始めてしまって、止まらない。
遠足の300円のお菓子の配分を全力で考えたり、母の日のプレゼントを買うためのお金をお母さんにせびったり、家族全員でフランス料理を食べに行ったらお金が足りなくて友蔵じいさんにお金を持ってきてもらったり。まるちゃんの日常は素朴な笑いに溢れていた。

4巻まで読んだから、また続きを読みに行こう。

名古屋に来たら、駅からちょっと足を伸ばして散歩に出かけましょ。素敵な喫茶店、ありますよ。

喫茶店に行ってきます〜