2021年のオカダ・カズチカとYOSHI-HASHI

「G1 CLIMAX 31」でぶつかる2人

連日熱い名勝負が展開されている「G1 CLIMAX 31」ですが、その最大の魅力の一つとして同じユニットに所属する選手が闘う同門対決がある、と以前の記事の中でお伝えしました。

明日は、私が同門対決の中でも一番楽しみにしている
「オカダ・カズチカ選手対YOSHI-HASHI選手(以下ヨシハシ選手)」が有ります。

公式戦の中の1試合ではあるものの、様々な感情が交錯するであろうこの試合の前に、これまでの2人を振り返りたいと思います。

①2020年(コロナ禍以前)までの2人

いきなりですが、貴方の職場(もしくは仕事上で付き合いのある人たち)の中で、「一番仕事ができる人」と、「一番仕事が出来ない人」を思い浮かべてください。

どうでしょう、人によってはすぐに浮かばないかもしれませんが・・・

皆さんが思い浮かべた二人の間にある「仕事力の差」を、そのまま10倍して下さい。とても超えられそうにない壁になるのではないでしょうか。

「オカダ・カズチカ選手」と「ヨシハシ選手」との間の差を、プロレスに全く詳しくない人にも伝えるならそんな感じでしょうか。

もちろん、これはヨシハシ選手が弱いと揶揄している・・・という訳ではありません。むしろオカダ・カズチカ選手とは大半のプロレスラーが霞んでしまう程の凄みと文句なしの実績を兼ね備えた男なのです。

2012年の東京ドーム大会で同時に海外遠征から帰国してスペシャルシングルマッチを行い、その際はオカダ選手が勝利。

その後オカダ選手は「レインメーカーショック」を起こして、若くして一気にトップ戦線に殴り込みました。
その後はIWGPヘビー級王座を何回も獲得し、V12(史上最多の12回連続防衛)を達成
そしてG1は2回制覇(2012年・2014年)してNEW JAPAN CUPも2回制覇(2013年・2019年)。

たぐいまれな身体能力と技術で文句なしの実績を残し、新日本プロレスに・・・否プロレス界に金の雨を降らせてきた男、それが「レインメーカー・オカダカズチカ」でした。

一方のヨシハシ選手ですが、タイトル歴は2020年まで一つも無し。
タイトルマッチなどにもあと一歩と言う所で手が届かない、ファンの人がやきもきする状態が長く続きました。

全く同じタイミングで海外遠征から帰ってきた2人でありながら、そのキャリアの輝かしさには、絶望的なまでに差が開いていたのです。

②現在の2人

そんな2人ですが、現在では状況が大きく変わってきています。

まずヨシハシ選手ですが、2020年8月に、キャリア12年で初となるベルト「NEVER6人無差別級王座」を始めて戴冠しました。
その際に戦った相手の3人の中には、奇しくもオカダカズチカ選手の姿が有りました。
ヨシハシ選手の腰に、誰あろうオカダ選手がベルトを巻いてあげる姿に、涙が止まらなかったのを今でも鮮明に覚えています。

その後も後藤選手・石井選手と共に様々な強敵を向こうに回してベルトの防衛を重ねて、「NEVER 6人無差別級王座」の最多防衛記録であるV9を達成しています。

また、シングルマッチでも好勝負を連発し、多くの人たちから
「この一年で一番伸びたのはヨシハシ選手だ」
と言わしめています。

一方のオカダ選手ですが、2020年の1・5でIWGPヘビー級を落として以降は中々に苦戦していました。
G1やNEW JAPAN CUPで好成績を残すものの優勝には至らず、タイトルマッチにも何度か絡んだものの、あと一歩のところで逃す状況が1年以上続いています。

最初の内はファンの間でも
「オカダ選手の腰にベルトが無い状態は寂しいね」
という声が聞かれたのですが、いつしかそれが意識されなくなってしまうほどに、1年8カ月という時間は「オカダ=IWGP」というイメージを拭い去ってしまいました。

ですが、今のオカダ選手は何かが違う・・・むしろ「あの頃のレインメーカ」が戻ってきていると感じさせられたのが今年のG1での印象です。

初戦では2021年に好勝負を連発し、現在はUSヘビーも持っている棚橋選手から勝利。「強い棚橋」の横に「強いオカダ」が戻ってきたと感じました。

2戦目は因縁深いEVIL選手との対決。思えば2020年のNEW JAPAN CUP決勝戦でオカダ選手がEVIL選手に敗れてから、色々な歯車を狂わされたかのような相手でした。
ですが、EVIL選手のヒール殺法に苦しめられつつも最後には勝利するオカダ選手の姿の安心感は、まさしく「レインメーカー」そのものでした。

「あの頃とは全く以て違う、ベルトを巻いたことによりとんでもなく強くなったヨシハシ選手」

「苦しい期間を経て、あの頃の輝きを取り戻した(取り戻しつつある)オカダカズチカ選手」

この2人が闘うのならば、間違いなく熱い勝負になることでしょう。

オカダ選手の優勝を予想している私ですが、この勝負に関してだけは30分引き分けになるのではないかと考えています。

オカダ選手もインタビューでは「上から目線」と言いつつも、内心はヨシハシ選手に思う所はあるでしょうし、ヨシハシ選手もこの1年で変わった自分をオカダ選手に全力でぶつけることでしょう。

最後に

かれこれ2000字以上にもなってしまいましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。

この2人の過去の対戦としては、海外遠征からの帰国時の他に
「G1 CLIMAX 28」の公式戦でも当たっています。

https://njpwworld.com/p/s_series_00490_18_10

今年のG1での対戦を見る前に、この試合もチェックしておけばより楽しめるかと思います。

そんな訳で、明日の対決を楽しみにしつつこの記事を閉じたいと思います。

やっぱり今日も、プロレス最高!!

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