さらば３K SHO撃（衝撃）の決別
昨日の新日本プロレスの後楽園ホール大会のメインイベント、恐らく多くの方が衝撃を覚えたことでしょう。
SHO選手とYOH選手のロッポンギ３K（ここまで３連敗）を、金丸選手とエル・デスペラード選手の鈴木軍チーム（ここまで２勝１敗）が抜群のコンビネーションで追い込んだ試合終盤、異変が生じました。
デスペラード選手の強烈なサブミッション、ヌメ・ロドスによってロープブレイクも難しい状態に追い込まれるYOH選手。タッグ戦でこのような状況になった場合は、ピンチに追い込まれた選手の相方がカットに入るのが定石なのですが・・・
YOH選手の相方であるSHO選手は、リング上にこそ上がれどデスペラード選手に触れることもなく、YOH選手を冷たく見下ろしてリングの外に。
100歩譲ってここまでは、これまで精彩を欠いていたYOH選手の奮起を促すための荒療治、「自分の力でロープブレイクしてみせろ！」という叱咤激励の表れとも取れます。
しかしその後も、YOH選手と交代するために自軍コーナーに上がることもなく、追い込まれていくYOH選手をただ見ているだけのSHO選手。
その目は、かつてロッポンギ３Kとして幾多の苦難を乗り越えた自身の相棒に向けるものとは思えないほど冷め切ったものでした。
そして鈴木軍の２人もSHO選手の意図を測りかねている中で３カウントが入り、ロッポンギ３Kの敗北となりました。
試合が終わった後にようやくリングの上に上がったSHO選手、勝者チームの２人の退場を促して、場内の観客の脳内に大量の「？」マークが浮かんでいる中で、彼は一つの歴史に、ロッポンギ３Kにとどめを刺しに行きます。
リングで満身創痍のYOH選手に目をやるSHO選手。氷嚢を手に取り、散々責められたYOH選手の膝を冷やしてあげるのかと思いきや・・・
自分の膝だけを冷やして氷嚢を投げ捨て、YOH選手の手を取るSYO選手。
そしてその後の構えは＿＿
これまでロッポンギ３Kとしても、シングルプレイヤーとしても多くの敵を葬り、連携の一部としても取り込んでいた、ショックアロー（SHO選手の必殺技）の構え。
これまで散々見慣れてきた、でも今見たくなかったその構えから、リングの上に非情にも落とされるYOH選手。
そしてマイクを手に取り、言い放つのは・・・
「YOHさん…いや、YOH。オメー、もう終わりだろ！ 引退しろや！」
という、友に向かって放つのにはあまりにも非情で辛辣な言葉。
ヤングライオン時代から切磋琢磨した田中翔と小松洋。
この２人がそれぞれSHO選手とYOH選手に名前を改め、そこにロッキー・ロメロ選手を加えた３人で2017年に結成されて、近年のJｒ.タッグ戦線の中でどのチームよりもベビーフェイスとして眩しく輝いていた、ロッポンギ３Kの物語が、幕を閉じたのです。
実の所、今回のJr.タッグリーグでに限らず、YOH選手がどうも調子が悪そうだったことや、試合後のコメントにも迷いが見られることから、ロッポンギ３Kに何か動きがありそうなことは多くのファンが予想していました。
ですが、私はYOH選手が迷いの果てにヒールターンするものと思っていたので、SHO選手の方から三下り半を突き付けたという現実に、打ちのめされている状態で朝を迎えました。
YOH選手が2020年に膝の怪我で長期欠場に追い込まれてから、その復帰後を信じてシングルプレイヤーとして大きく成長したSHO選手。
一目見ればその努力がうかがえるパーフェクトな身体と、はじけるような笑顔が眩しかったSHO選手が。
YOH選手を信じて待ち続け、棚橋選手や飯伏選手、オカダ選手ら先輩たちの事が大好きで、ヤングライオンたちの事も大切に思っていることがにじみ出るような、心優しいあのSHO選手が＿＿
そして、本日も新日本プロレスの後楽園ホール大会があるのですが、対戦カードに変更がありました。
タッグが決裂したSHO選手とYOH選手の名前が無いのは当たり前なのですが、第一試合で久しぶりにUNITED EMPIREのオーカーン選手の試合が組まれています。
あれだけの事をやったならCHAOS内にはいられないSHO選手は、どこに行くのか・・・
バレットクラブ？ 鈴木軍？ ロスインゴ？ まさかGLEATに本格参戦でしばらく欠場！？・・・
様々な可能性を想像していましたが、やっぱりそういう事か。
一番可能性が高いと内心は分かっていた選択肢が、現在Jrヘビー級の選手が居ないUNITED EMPIRE入りでしたね、ええ。
とはいえ、世の中何が起こるか分かりません、そしてプロレスとは「まさか」な出来事が往々にして発生するものです。
とりあえずは、今日の午後６時30分の試合開始を、不安と期待交じりの感情で待ちたいと思います。
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