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日本の小学校と途上国の小学校を比較してみると? | 教育勉強会レポート

みなさん、こんにちは!

オンラインサロン「国際協力サロン」では、様々な勉強会を定期的に開催しています!

今回のテーマは初等教育。日本、海外を問わず教育現場での活動経験がある4名のみなさんにご登壇いただきました。

実際にフィールドで活動されていたみなさんのお話は、リアルでとても興味深いものばかり!このレポートではその一部をご紹介させていただきます。

登壇者紹介

仲村さん(日本):日本で教師として働く。協力隊として渡航予定だったが、コロナの影響で派遣中止に。

広瀬さん(グアテマラ):
新卒で協力隊に参加し、グアテマラにて活動。帰国してからは臨時採用で教員として働き、現在はNPO勤務。

古田さん(ジャマイカ):
協力隊としてジャマイカで活動。任期終了後もジャマイカに残り、教育活動に従事。

三島さん(セネガル):
新卒で協力隊に参加し、セネガルにて活動。


各国の教育基本情報

第1回教育勉強会「初等教育編」_国際協力サロン

登壇者のみなさんによる各国の基本情報まとめ
※経験に基づくまとめであり、私見が含まれたり、
状況が変化している場合があります

三島さん)セネガルはフランスの植民地だったので、公用語や教授言語(学校教育で使われる言語)はフランス語です。しかし実際は民族に基づく現地語が20ほどあって、70%くらいの人がウォロフ語という民族語を話します。なので小学校低学年だとまだ生活言語も身についていないのですが、フランス語で教育を受けなくてはいけないんです。

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三島さん 活動校での集合写真

また特徴として、数学は問題解決や測量など4分野あるのですが、「曜日ごとに」違う分野を学びます。同時進行で様々なことを学ぶのは、定着が遅くなる原因の一つですね。

あとセネガルの進級テストは数学やフランス語の配分が高いので、各学校で本来理科や社会として設定されている時間割が、それらの科目に変更されて指導されていることがありましたね。

また教科書を持っているのは先生だけで、生徒は筆記用具だけ持って学校に来ます。それが少し面白くて、ノートとボールペンに加えて、ミニ黒板とチョークも持ってくるんです。

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生徒のミニ黒板に"TOKYO"の文字

広瀬さん)グアテマラの初等教育では、”Preprimaria”(プレプリマリア)という、小学校の前の過程も併設されています。義務ではないですが、入る子が多いですね。

特徴的なのは、公用語がスペイン語なのですが、グアテマラはマヤ民族のいた国なので、マヤ言語も学ぶんです。なので教授言語は基本的にスペイン語な一方で、田舎に行くとマヤの言語で指導するのが主流だったりします。

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学校で教える子どもたちに指導する広瀬さん

学校の数はある程度多い印象で、子どもが溢れかえるようなことはなかったかと思います。逆に、一番少ないところだと、1〜6年生で10人一緒に授業とかありましたね

教科書は割とちゃんと配られています。ただ、個人ではなく学校に単位でまとめて送られてきて、「失くしちゃって足りない」とか言うことはありました。JICAの協力で作られた教科書が採用されているので、日本のものに似たつくりで、質が高かったですね

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新学期に配られる教科書

古田さん)ジャマイカの教授言語は英語です。基本的な科目は一通り指導されていて、体育もありますね。「ここからここまで走ろう!」とかそういう感じですが(笑)他の国の様子を聞いていると、体育がない国って結構あるみたいです。

美術もおそらくあって……音楽に関しては、ジャマイカは常に音楽の授業、みたいなものですね。

あと教科書は国定のものがあるのですが、あまり質が高くなくて、そこまで使われていない現状があります。学校ごとに決めて良いことになっているので、例えばシンガポールの有名な教材が使われていたりしますね。

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生徒に囲まれる古田さん

日本の教育については?

仲村さん)みなさん日本の初等教育を受けられているはずなので、これまでの日本の教育の変遷を簡単にご紹介します。

約20年前にゆとり教育や総合の授業が始まり、その後、外国語や道徳教育が始まりました。最近はプログラミング教育やSDGsを意識した教育が始まっていて、現場は少しずつ対応しようとしているところです。

質については、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果なんかを見ても上位にいるので、色々批判されることもありつつ、やっぱり低くはないですね。

その一方で、やはり日本の子どもたちの自己肯定感は本当に低いです。謙虚な国民性、と言ってしまえばそれまでですが、学力以上の課題かなと感じています。

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写真右が仲村さん

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以上、初等教育に関する勉強会の一部をご紹介させていただきました。

このレポートでは各国の基本情報を中心にご紹介しましたが、当日はさらに踏み込んで、各国の教育課題や、登壇者のみなさんの実体験など、たくさんのお話を伺いました!

国際協力サロンでは、様々なテーマの勉強会をオンラインで開催しています。国際協力サロンで一緒に勉強したいという方のご参加、ぜひお待ちしております!


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