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SDDsに取り組む企業の紹介~京都中央信用金庫~

 4月上旬に京都中央信用金庫様に伺い、自社でのSDGsへの取り組みについて聞かせて頂きました。取り組みについて紹介させて頂きます。以下内容です。

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1.SDGsに取り組むきっかけを教えていただけますか?
                                                                                                                               ・金融業界では2018年頃からSDGsを紹介する動きがあり、我々も興味をもって対応を検討していました。内容を深く知るにつれ、我々が社是に掲げる「社会的公共機関として地域社会の発展に寄与する」こと、「顧客の繁栄に奉仕する」こと、「有為な人材の開発育成に積極的に取り組む」ことが、SDGsの理念と合致することがわかりました。
・当初、SDGsは社会貢献や寄付・ボランティアといった色合いが強いのではないかと思われましたが、決してそうではなく、SDGsは世界全体や地域社会の深刻な課題とそこにあるニーズを示しており、それを解決し持続的な発展を築くことには地域金融機関としての社会的使命があるということもわかりました。このことを広くお客さまに知っていただくことが我々のSDGsの取り組みだと思っています。
・我々のSDGs対応と同時期に児童虐待の痛ましい事件があり、我々京都中央信用金庫の理事長から何か貢献活動ができないかという諮問がありました。児童養護施設の運営等に携わる京都府・京都市も早くからSDGsに取り組む姿勢を示しておられ、中長期にわたる子供たちの支援に関する協定(=パートナーシップ)を結ばせていただけることになり、SDGsに取り組む良いきっかけとなりました。京都府・京都市との協定の締結と同日同時に当金庫のSDGs宣言を公表することができ、社会的にも意義があったと思っています。

基本理念

2.SDGsに関する取り組み内容を教えていただけますか?

 ・SDGs宣言の公表とともに、パートタイマーも含めた全職員にSDGsバッジを配布しました。このバッジは京都市が京都杣木の端材を使用して授産施設に委託して作成されたもので、ちょっとお客さまの目を引く効果があります。お客さまに「そのバッジは何なの?」と聞かれると、SDGsにも言及しなければならず、自分でもSDGsを理解しようとする良い循環を生んでいると思います。
 ・お客さまのSDGsに関する取り組みを応援するための各種商品を販売するとともに、社内では部署ごとにSDGsの計画表を作成し、それぞれの部署の仕事内容をSDGsの17の目標と照らし合わせて考え、行動するようにしています。
 ・当金庫だけの活動には限界があると思っていますので、今後は他の企業・地方公共団体・NPOなどの方々と手を携えてSDGsを実現するパートナーシップを築いていきたいと思っています。

基本方針

3.SDGsに取り組んでみてどのような成果がありましたか?

 ・SDGsに取り組む以前は、我々を含めた職員はどれだけ利益が上がるかということを重視していましたが、次第に利益だけではなく、その事業が何に貢献しているのかを意識し始めていることを感じています。

4.これからSDGsに取り組む人へのアドバイスをお願いします。

 ・これは自戒を込めてですが、SDGsに取り組んでいると言っても、これまでやってきた事業にSDGsを関連付けしただけで満足してしまい、そこで止まっているケースが多いように感じます。SDGsは2030年までの達成目標であり、これまでやってきたことだけでは足りないからできたものなので、わが社の事業活動にSDGsを紐づけしているだけでは達成することは絶対にできません。
 ・まずは企業のトップの方が、会社の理念や社是とSDGsをしっかりと関連付けて、「わが社の目指す方向性はこういうことで、持続可能性はここにあるから、わが社でもSDGsに取り組んでいきますよ」ということを社員に対して説明しなければなりません。「社会貢献は大事だから」というだけではSDGsの取り組みを持続することはできないでしょう。

5.金融機関の視点から見た今後の展望をお聞かせ願えませんか?

 ・社会の価値観は利益追求から社会や環境に配慮しているかということに移行してきています。私たち金融機関もお客さまの持続可能性を評価するにあたって、業績だけではなく、事業環境や社会性に配慮した事業かという視点を重視しています。これからの社会はSDGsをビジネスチャンスと捉え、取り組まないことがリスクであるという考え方が当たり前になり、「SDGsに取り組んでいません」とは言えない世の中になっていくのではないでしょうか。

また、定期的に企業の中でのSDGsの取り組み等を発信していきたいと思います。皆さんの参考に少しでもなればと思います。



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