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小学校お受験用語集 お受験合格への道2022

 今回は2022年度、小学校お受験(2021年受験)に向けて、お受験に関連してよく使用される用語をまとめて用語集を作成しました。お受験対策の時間短縮にぜひ使ってください。

小学校お受験用語集

・あ行

アカウンタビリティ

 近年の学校教育では「開かれた学校」を社会から要請され、学校にアカウンタビリティ(訳語としては「説明責任」)が問われるようになってきた。これは、学校の教育目標・教育計画・経営方針とそれらの達成状況を保護者や地域住民に対して説明するということである。

 さらには、不登校や校内暴力・いじめ・学級崩壊など、今日の学校を取り巻く様々な問題が指摘される中で、これらの問題の実態とそれへの取り組みは、学校外の人々には見えるものとなっておらず、このことが学校に対する不信の大きな原因にもなっていたといえる。  

 アカウンタビリティは、こうした従来の学校の不透明さを払拭し、学校のありのままの現実の姿を保護者や地域住民に明らかにし、それを踏まえて学校と保護者、地域住民がともに話し合い、関わり合うことで、三者の間に連携・協力関係を構築することが、その大きな目的といえるであろう。

生きる力

 「生きる力」は、「自ら学び、自ら考え、自ら行動して問題を解決する資質や能力」「他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性」として解されている。それは、現在の文部科学省の教育改革のスローガンであり、2002年度新学習指導要領ではこの「生きる力」を育成することを目的に、教育内容の厳選や総合的な学習の時間の創設などが規定されている。

一音一文字

 言葉がいくつの音でできているかを考えさせ、一つの音が一つの文字を表し、その音がいくつか集まって一つの言葉を形成しているかを答える。

一条校

 学校教育法第一条に掲げられた学校を一条校という。小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校および幼稚園をいう。  

 2002年度の学校基本調査によると、全国の一条校数は
 幼稚園数   14,277校
 小学校数   23,808校
 中学校数   11,159校
 高等学校数    5,472校
 中等教育学校数         9校
 盲学校数                  71校
    聾学校数             106校
 養護学校数       816校
 高等専門学校数       62校
 短期大学数             541校
    大学数       686校
 となっている。

一対多対応

 小学校二年生で学習する「かけ算」の考え方につながっていくもの。幼児の場合は具体的な場面において、1あたり量がいくつで、それを何回くりかえせば、全体の数が求められるかが問われる。

位置の対応

 方眼上の位置を正しく読みとる。方眼上の位置の言語化・方眼上の位置移動・位置の記憶・方眼図形・方眼上での数の構成・二重分類・縦軸と横軸を使った総合-分析・方眼を使った線対称などたくさんの課題がある。

一斉授業

 黒板の前に教師が立ち、クラス全体に向かって行う授業。同一学年の子どもたちを対象にし、同一の内容が教師を中心に一斉に伝達される授業。この一斉授業と呼ばれる授業の様式を最初に構想したのは、モラヴィアのフス派宗教改革の指導者のコメニウスである。

 コメニウスはこの授業様式を人間解放の理念を実現するための、「あらゆる人にあらゆる事柄を教授する普遍的技法」として、「教刷術」(didacographia)と命名した。

 含意は、子どもという「白紙」に教師の声(=インク)を一斉に刷り込む授業のあり方ということである。コメニウスの構想はついに実現することはなかったが、その約二世紀後、世界各国が義務教育を整備する過程で、その効率性や経済性ゆえに急速に普及していった。

 それとほぼ同時に、この授業方法が生徒の個人差に十分に対応できず、弾力性を欠如している点などが批判され、20世紀初頭の様々な学級(教育)改革案の試行を促すことになった。

移動教室

 移動教室とは、小中学校の授業の一環で、教室を出て観察、体験をする学習活動のこと。

異年齢集団編成

 年齢の異なる子どもを学習・生活集団として編成することをいう。近年、核家族化が進み、兄弟、姉妹数の減少、自由な遊び場の少なさ、通塾等による遊び時間の短縮などによって、かつての社会では当たり前の異年齢集団が形成されにくくなってきている。異年齢集団は、遊びや共通の目的をもった活動などをとおして、子どもの社会性を育てる役割を果たしてきたことからも、最近の子どもの発達には偏りがみられるという指摘がなされている。

 そこで、学校の中で意図的に年齢の異なる集団を構成し、集団内の相互の影響により、人間関係を豊かにしようとする取り組みが見られるようになった。縦割り集団とかミックス・ホームルーム、縦割り学級などと呼ばれる試みがそれであり、放っておけば同一年齢集団との交わりしか持てない子どもたちに、多様な社会性を育む機会を与えている。

インテリジェントスクール

 1987年に臨時教育審議会第三次答申が提言したインテリジェントスクールは、教育・研究・文化・スポーツ施設を社会共通の学習基盤として有機的に活用するために、「高度の情報通信機能と快適な学習・生活空間を備えた本格的な環境として施設を整備するとともに、地域共通の生涯学習、情報活動の拠点として、その機能を最大限有効に活用する方策」である。 
 
 インテリジェントスクールの名称は、高度な情報環境を備えたインテリジェントビルに由来する。インテリジェントスクールはコンピュータを中心とした高度な情報環境を整備し、学校教育ばかりでなく生涯学習に活用できる多様で複合的な機能や施設を備えた学校であるといえる。単に施設設備が高度化、複合化されているばかりでなく、学校教育と社会教育の垣根を取り払い、教育を学習者中心に転換していく考え方が基盤となっている。

浮きこぼれ

 浮きこぼれとは、学校用語である。一般的には、塾などによって高い学力を身に付けた生徒や、もともと学習意欲が高い生徒が、通常の学校の授業内容に物足りなさや疎外感を感じたり、実際に他の生徒から疎外されたりすること。吹きこぼれとも言う。学業不振の生徒を「落ちこぼれ」というが、それの対義語として使われる。

動きことば

 生活の中での動作を表す言葉が適切に使えるかどうか問われる。最近の小学校入試では、動きを表す言葉が、様子を表す言葉とともに多く出題されている。
*先生がいろいろな動作をするのを見て、それを言語化する。
(本を積み重ねる、箱をつぶす、ドアにぶつかる、手をたたく、しぼる、干す、たたむなど)

生まれ月考慮

 4月生まれと3月生まれでは、半年~1年違うと発達段階もかなり異なるため体力的にも不利と言われているが、生まれ月が遅いほど試験が簡単になるということはない。生まれ月毎に試験グループを分け、平均的に、公平に子供たちを試験する。

運動

 跳んだり、走ったり、投げたり、マット運動をしたり、基本的な運動能力と先生の指示がきちんと聞けているかなども見られる。

エコスクール

 エコスクールとは、「環境を考慮して設計・建設され、環境を考慮して運営され、環境教育にも活かせるような学校施設」の学校であり、「地球、地域、児童・生徒に、やさしく造る」、「建物、資源、エネルギーを、賢く永く使う」、「施設、原理、仕組みを、学習に資する」という特徴をあわせ持つ学校である。

 資源やエネルギーの有効利用・再利用、環境の緑化、地域の風土や植生に応じた施設・設備を設け、それを実際の運営と教育活動に生かすことを通じて、環境への負荷が小さく、児童生徒の環境への理解と取り組みを高める学校である。環境教育ばかりでなく、いじめや不登校などの問題の解決を図る新しいアプローチとしても注目されている。

 文部科学省は1997年度から「環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進に関するパイロット・モデル事業」を、1998年度からは「私立学校エコスクール整備推進モデル事業」を実施している。

置き換え

 その言葉通りもとの状態から変化したり、別のものを当てはめたりする問題。最近の小学校入試では、いろいろな問題でこのような「置き換え」の考え方を取り入れており、ただ難しいだけでなく、しっかりとした思考力を求めるようになってきた。

お話づくり

 1場面から4場面の絵を使ったお話づくり。しっかり言葉で自分の考えや感じていることを表現する必要がある。

お話しの記憶

 一定時間のお話しを聞いてそれについての記憶を見る試験。しっかりと人の話が聞けることが重要である。学校によってはテープで音声を流したりお話しの文章量も100文字~1000文字と難易度はかなり異なる。また、単純記憶だけではなく、お話しから季節を推測したり数量を計算(12個のみかんを2つサルに、3つイヌに、残りは?)したり道徳判断(あなたならこの場合どうしますか?)なども問われる場合もある。

親業

 アメリカの心理学者ゴードンが提唱した、親が効果的に子どもに対するための訓練プログラムのこと。日本では、1980年に親業訓練協会が設立され、訓練講座が行われている。親業訓練では、つぎの3点が強調される。

(1)子どもの気持ちを受けとめるべく、共感的かつ受容的な態度で、積極的に耳を傾ける。
(2)子どもの言動を受容できないときにも、子どもを非難することを避け、親としての気持ちや意見を率直に伝える。
(3)親子の意見や思いが対立した場合、お互いが納得できるような解決策を探す。核家族化、近隣関係の希薄化、子どもを取り囲む世界の急激な変化などにより、親としての子どもへの対し方に迷いが生じがちな今日、親業講座の類に頼らざるを得ない親たちが増えている。

オープンスクール

 伝統的に学校教育は学級ごとに区切られた空間(教室)の中で、一人の教師が複数の生徒に対し一斉指導する形態を採ってきた。  

 オープンスクールは教室の壁を取り払い、画一的な一斉指導を児童中心、学習者中心へと変革しようとする学校である。第二次世界大戦後のイギリスにおける児童中心主義が基盤となっている。

 日本では1970年代から徐々に見られるようになり、1984年に文部省が多目的スペースに対して補助を行うようになって急速に広まった。具体的には、通常の教室は従来どおりで多目的スペースを設置している場合、同学年の複数学級に共有スペースを設けている場合、図書やコンピュータなどを設置して多様な学習活動を行えるメディアセンターないし学習センターを設けている場合など様々である。そのように物理的空間の再編という意味でオープン化が進んでいるものの、それを個に応じた多様な指導に十分生かしきれていない場合も少なくない。

オープン・エデュケーション

 子どもの創造的な活動を中心に主題中心のカリキュラムと授業を創造する教育運動として、1960年代に英国で展開されたインフォーマル・スクール運動の試みが、1970年代の米国に導入され生み出されたのがオープン・エデュケーションである。  

 日本でも1980年以降、オープン・スペースが学校建築に盛んに取り入れられるようになったが、学校建築面の柔軟性・開放性が教育実践面のそれとリンクしていないことも少なくない。しかし、本来は学年、学級、教科・科目、学校時間などの区切りや、教師と児童・生徒の間の区別等々をオープン(開かれた状態)にするというのがその趣旨である。

 米国のオープン・エデュケーションでは、ほとんどの授業を主題(トピック)を中心とする共同学習で展開したり、一斉授業の強い枠組みを柔軟化したりする工夫を随所に見ることができる。

・か行

回転位置移動

 マス目の中にいろいろな小さな形を含んだ大きな形全体が回転したときに、マス目の中にある形がどの位置になるかを問われる問題。方眼上の位置の対応と、回転図形が組み合わさった問題。

回転推理

 観覧車やルーレットに代表される推理に関する問題の中でもかなり難しい問題の一つ。あるものが1つ動けば、どれも全部1つずつ動くという法則性をどう活用していくかが問われる問題。

回転図形

 ある形を右や左に回転させた時、図形の向きがどうなるかを推理し、選択肢の中から選んだり自分で描いたりする課題。

係活動

 豊かな学級生活の実現をめざし、学級内における仕事を自発的・自治的に分担し処理する、児童生徒によってなされる創意ある活動をさす。係活動の種類や内容は、各学級における実情によって異なる。

 係の設置にあたって、
 (1)児童生徒の発想や創意が生かされること
 (2)児童生徒の必要感に根ざしたものであること
 (3)学級内での自発的・自治的な活動としてなされること
 などに留意する必要がある。  

 係活動が、学級担任の管理的・補助的な活動にならないように、また、当番活動と同一に扱われないよう、その本来の教育的意味をしっかりおさえることが大切である。

 すなわち、係活動のめざすところが、学級内の仕事を分担処理する活動を子ども達自身が進んで行うことを通して、学級集団の一員としての自覚を高め、自主的な生活態度と豊かな創造性を身につけることにあることをおさえておきたいものである。学級における係活動が子ども達の創意と活力を基盤にしたものであることが大切である。

重ね図形

 透き通った紙に描かれた形や模様を重ね合わせた時、どんな新しい形や模様ができるかを考える問題。重ね方に2つの種類があり、一つは、そのまま上に乗せて重ねる場合。そしてもう一つは、紙がつながっている場合、半分に折って重ねる場合がある。

重ね点図形

 重ね図形と点図形を複合したもの。最近の小学校入試の出題傾向である「複合化」の典型的な問題といえる。点図形の難しさは、点の数の多少とともに斜めの線がどれだけたくさん使われているかによって決まってくる。

数あて

 見えている数から並び方の規則性をつかんで、見えない数を類推するもの。例えば、箱の中にきれいに並んで入っているおまんじゅうの数を考えたり、規則的につみ上げられているつみ木の中でかくれている数がいくつかを考えさせようとする。

数の多い少ない

 小学校で学習するひき算の「求差」につながっていく内容で、入試問題の分析では「一対一対応」と呼んでいる問題。

数の構成

 ある特定の数について、いくつといくつでできているかを答えるもの。例えば6は1と5、2と4、3と3といったもの。

数の増減

 小学校に入ってから学習するたし算やひき算に関する文章問題の基礎として、数の変化を具体的な場面に即して考えさせようとする問題。最近の小学校入試でもよく出される問題である。

数のやりとり

 2人が持っているものの数が違う場合、どのようにしたら同数にすることができるか。また、同じ数ずつ持っていて、いくつか相手にあげた場合、2人の持っているものの数の違いはいくつになるかというもの。

型押し・転がし図形

 凹凸や転がり方によって、紙にうつる形が違ってくることを予測する。

形を使った創造画

 「形を使った創造画」は、与えられた線や形からどんなものが見えるかイメージを膨らませて、1つの絵に仕上げていく課題。

家庭教師

 家庭で勉強を教える教師である。国家資格ではない。
家庭教師の良さは、面倒見の良さ、融通がきくところ、塾まで通わなくても良いところなどが挙げられる。一方、個人で請け負うことが多いこともあり、研修制度などにより授業品質を上げる取り組みがなされていなかったり、個人単位で動いているため入試情報、学校情報などの蓄積があまりなかったりする場合もあり、家庭教師の善し悪しは、その先生自身の個人的な資質、経験にかなり依存している。授業料は塾に通う場合より高いケースが多い。

家庭訪問

 家庭訪問は、担任教師が児童・生徒の家庭を訪問し、そこで、子どもたちの家庭での様子や生活の状況を把握したり、学級・学校の教育方針を保護者に伝達したり、その子どもについての情報交換や話し合いをすることを通して、担任教師と家庭が子どもの教育に関して理解し合い、協力関係を築くことを目的としている。

 特に、児童生徒をよりよく知るためには、その子どもの家庭や地域の環境を認識しておくことは大切であり、このことは家庭訪問の大きな目的であるといえる。また、児童生徒にとっても、担任教師が家庭に来ることで、担任教師がより身近な存在になるであろう。  

 家庭訪問には、年間計画に従って行われるものと、必要に応じて随時行われるものがある。前者の場合、時間が短くて担任教師とじっくり話ができない、学年当初に行われる場合には、担任教師はその子どものことや学校での様子をよく知らない、といった保護者からの声もある。

 他方で、学校が家庭訪問することを、プライバシーとの関連で疑問視する声もある。しかし、それぞれが相手方へ配慮し、おたがいを尊重することによって、学校・教師と保護者の適切なコミュニケーションの手段として有意義な効果が期待できるといえる。

カトリック

 カトリックは神と個人を仲介する者としての神父がいます。比較的規律を重んじる校風。白百合学園・聖心女学院・雙葉・曉星など。

学社連携

 学社連携とは、学校教育と社会教育の連携という意味である。社会教育法では社会教育は、学校での教育活動を除いて「青少年および成人に対して行われる組織的な教育活動(体育およびレクリエーションの活動を含む)」として規定されており、学校と地域において子どもの健全な育成を図るという点で、両者の連携と協力は不可欠である。

 これまで、学校施設の地域への開放、公民館などの社会教育施設での子どもを対象とした学習・体験活動の開催、学校長の社会教育委員や公民館運営審議会委員への就任などの形で、学校教育と社会教育の連携が図られてきたが、それは必ずしも十分ではないという指摘も多かった。  

 現在、総合的な学習の時間の創設や学校週五日制、さらには「開かれた学校」の理念の下での取り組みの中で、両者のより強固な連携と協力のあり方が問われている。

学習の個別化

 児童・生徒一人ひとりの学力や能力、個性を育成するために、児童・生徒の実態に対応して個別に指導すること。広義には、画一的な一斉指導に対して、児童・生徒の個人差に応じた指導をいい、狭義には、児童・生徒一人ひとりの個性的な能力・特性に対応する学習内容と方法を工夫した、個別学習における指導を指す。個人差に応じた習熟度別学習指導を含めることもある。  

 一斉授業が普及する以前の教育では個人別の指導が普通であったが、そうした方式では、教師が相対する学習者個人以外の集団の学習状態に目が届かず非効率であった。そこで、19世紀後半に欧米諸国や日本においてスタートした義務教育では、一斉授業の方式が普及したのである。

 しかし、20世紀初頭には早くも一斉授業の画一性や硬直性が批判の対象となり、ウィネトカ・システムやドルトン・プランなどの新しい改革案のもとで個別学習が盛んに試みられることになった。

 最近では、学級崩壊やいじめなどの問題行動の原因を学級制にもとめ、そのストレスから解放するために個人別学習に取り組む例もある。

学童保育

 放課後や長期の休み中、共働きや片親家庭が増加する中で自宅でひとりになってしまう小学生が入会し、指導員らと共に過ごすことで親が安心して就労でき、それによって家族の生活を守ることを目的としている。法律上は、放課後児童健全育成事業という。市区町村などの自治体、地域の運営委員会、保護者会などが運営している。学童クラブ、児童クラブ、留守家庭児童会(室)、児童育成会(室)、子どもクラブ、児童ホーム、ひまわりクラブなどと呼ぶところもある。入会の条件は、学童保育によって様々なので、申し込む前に各学童保育に問い合わせる必要がある。

 学童保育では一般に、2人の指導員で30人から50人を下校時から五時頃まで保育している。2002年5月1日現在の学童保育の施設数は、2,147市町村で12,825ヵ所であり、1997年の法制化以降の5年間で約3,800ヵ所増加している。またこれを設置している小学校数は23,964校で、その設置率は53・5%に上る(全国学童保育連絡協議会調査)。

学齢

 学齢とは、子供が義務教育を受ける期間。現在では満六歳から満一五歳まで。小学校に入学する義務の生ずる年齢。現在は満六歳。

学級費

 学級において必要とされる経費を得るために学級の保護者から徴収する金銭をさす。

学級費の主な使途としては、

 (1)教材・教具の購入
 (2)教室内の環境整備や美化などがあげられる。  

 学級費の徴収については、その値上げなどをめぐって保護者と学校との間で紛糾することもあるので、トラブルを防ぐためにも、事前に保護者に対して学級費についての考え方や使途を示して理解・協力が得られるように配慮する一方、定期的に収支決算を明らかにし、校長や教頭のチェックを受けることが大切である。

学級風土

 学級の子ども達が感じ受容する教室を支配する雰囲気をさす。風土は、集団の雰囲気と同義に用いられ、学級におけるよき風土づくりが学級経営上の切実な課題である。  

 この風土は、大きく防衛的風土と支持的風土の2つに分けられ、前者が、拒否的、攻撃的、対立的な集団関係にあるのに対して、後者は、親和的、許容的、安定的な集団関係を助長し高めるといわれている。学級の子ども達にとって望ましいのは、支持的風土の支配する環境が整えられた状態とされる。

学校行事

 学校行事とは、学芸会・遠足・運動会・作品展など、教科学習とは別に学校で行われる催し物。

学校見学会・学校説明会

 授業を公開したり、校内が見学できたり、学校の方針や入試に関する説明が行われたり、学校によって様々なイベントを実施している。この見学会や説明会などに参加すると、先生と児童のやりとりの様子、児童の普段の様子、学校全体の雰囲気、パンフレットや情報誌だけでは分からないところなど、自分の目で確かめることができる。

学校公開

 保護者や地域の住民に対して学校の様子を公開すること。小学校に通っている児童の保護者、次年度に入学する子どもと保護者以外に、広く一般に公開する学校もある。授業の様子や、学校の教育活動を公開する。実施時期や回数、内容などは、学校によって異なる。

学校債

 学校法人が借入金のことを言う。私立小学校では施設設備を学校が負担するので、寄付金や学校債の制度を取り入れているところが殆ど。この学校債は卒業時に返金されますし、強制ではない。

学校施設

 学校施設とは、校舎、運動場、体育館などの、学校を運営する上で必要となる建物や設備を備えた施設。

願書頒布

 原則有料の場合に使用される。無料の場合「配布」などが使われる。

季節

 季節の行事、花、食べ物に関する問題。

鏡映像

 「鏡に物がどのように映るか」生活の中で物の形が鏡や水面に映ったときの虚像の状態を、実像との関係で判断する。

教科担任制

 専科制と同じ意味で、教科ごとに専門の教諭が授業を行うことを言います。ちなみに教科担任制の反対の意味で「学級担任制」という言葉が使われています。
 教師の専門を生かした高度な教科内容の指導が期待できること、教師は担当教科に専念できるので教材研究や指導準備の質を高めることができること、が利点である。

 児童・生徒にとっても複数の教師と接することで様々な人間関係を築くことができる利点はあるが、教師間の指導内容の違いに翻弄されるおそれもある。そのため小学校低学年では主に学級担任制が採用され、比較的高度な教科内容が扱われる中学校・高等学校を中心に教科担任制が採用されることが多い。

逆思考

 「観点を変えて物事をとらえる」ことができるか、「時間的順序を逆にして考えられるかどうか」ということを問われるもの。例えば『Aちゃんがアメを4つ持っています。友達からもらって7こに増えました。友達から何個もらいましたか?というような問題。文章のなかでは増えているのに計算式は引き算という減法を使う。

逆対応

 飲み終わったあとの残った水量から、飲んだ水量を推理する問題のように、結果を手がかりにある行為を推理し、関係づけるというもの。

くまあるき

 両手・両足を曲げずに使って歩く。早く歩けるかのタイムがみられることも。筑波大学附属小学校などでよく出題されている。

公文式教育

 公文式教育の起源は、高校の数学教師であった公文公が、自分の子どものために作った計算プリントにあるといわれており、現在では日本公文教育研究会によって全国(海外にも展開されています)にフランチャイズ展開がされている。

 その特徴は、無学年進級式の学習プリントと自学自習形式で、現在国内に150万人の会員がいるとされる。入会すると、まずは自分の実力にあったところから学習が開始され、学習状況に応じて学年を超えてどんどん先に進む場合もあれば、逆に下の学年内容を繰り返し学習することもある。指導者は、基本的に学習プリントの答え合わせを行っていく。

クラブ活動

 サッカーやバスケットなどのスポーツ、楽器を演奏するなど音楽活動、料理や手芸、パソコン、英語、自然観察など科学分野、絵やイラスト、マンガ、読書、など分野・領域は小学校ごとに様々な活動のこと。地域の人などと協力して、活動を行っているところもある。

具体物の記憶

 一場面の絵の中に描かれている具体物を覚えたり、人物が身につけているものや動物が持っているものなどを記憶したりするもの。出題の方法や答え方によって、覚える具体物の数はまちまちだが、入試では大体5個~7個ぐらいが問われている。

経験学習

 児童・生徒の生活経験から生じた興味や関心を重んじ、これを基礎にして行う学習。

系統学習

 学習内容を順番に学んで行くことを言う。定められた期間内に次々に学習して行くので、効率よく多くの情報を与えられる利点がある。反対に「経験学習」は経験をもとに1つずつ問題を解決していく学習の事をいう。

欠所補完

 図形模写の応用として足りないところを補って、見本と同じ絵や形に完成させるもの。小学校入試でもよく出されている課題。見本の内容はさまざまだが子どもたちの生活に身近な具体物や風景が中心となる。

ゲスト・ティーチャー

 教師と児童・生徒からなる学校という小さな完結した社会に、保護者や住んでいる人々を指導者として招く実践が、「総合的な学習の時間」の導入を機に活発化した。ゲスト・ティーチャーとは、指導者として特別に学校に招いた一般の人々のことを指し、公式的ではないが広く定着した用語である。

 各種の職業人やボランティア活動に取り組む人、様々な知識や趣味をもつ人など、その道の専門家が語る言葉は、「生きた」「本物の」体験や情報として児童・生徒に受けとめられる。そのため、同じことを教師が教えるときよりも児童・生徒の取組みが意欲的であると評価されている。

 もちろんゲスト・ティーチャーは教えるプロではないから、難解な用語を用いたり、児童・生徒の理解度を配慮しなかったりすることもあり、教育活動の中で十分に生かすためには、事前に児童・生徒の実態やカリキュラム上の位置づけなどをきめ細かく説明しておく必要がある。

 外部からの人材招聘が普及するにつれて、大阪府箕面市の「ゲストティーチャーズバンク」のように、自治体が人材確保に組織的に取り組む例も各地で見られるようになった。

巧緻性

 紙をちぎったり、ひもを穴に通したりするなど手先の器用さを見る試験。

行動観察

 他の受験生と一緒にゲームやグループ遊びをすることで協調性やリーダーシップなどその子供の特性を見る試験。最近は行動観察を重視する学校が増えている傾向がみられる。

子ども110番の家

 子ども110番の家とは、外で子どもたちが犯罪や事件などに巻き込まれそうになったり、あるいは巻き込まれた時に保護を求めて駆け込む家をいう。それは、地域の人々の理解と協力によって設置される。協力をしてくれる個人宅や商店などには「子ども110番の家」と書かれた旗やプレートが道路に面した人目に付きやすい箇所に設けられていて、これが目印となっている。

 そして子どもが駆け込んできた際には、子どもを保護するとともに、警察に通報するなどの処置がとられ、また、対応のためのマニュアルも準備されている。  

 最近多くの市町村自治体で、この設置が積極的に進められている。子ども110番の家は、子どもたちの安全を地域で見守ろうとする取り組みとして意義深い。

子ども安心プロジェクト

 2001年6月に大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件によって、学校における安全管理のあり方が大きく問われるとともに、事件後の児童生徒の心のケアの充実を図る必要性が提起された。またこの事件に限らず、近年学校を発生場所とする犯罪が急増し、また凶悪化する傾向にある。

 こうした事態を受けて、全国の学校を対象に2002年度から実施されたのが、「子ども安心プロジェクト」である。そしてこのプロジェクトのもとで、学校の安全管理に関する取り組み事例や危機管理マニュアルの作成・配布、地域と連携した学校安全に関するモデル地域における調査研究、事件・事故後のPTSD(外傷後ストレス障害)などの対策として保護者向けの心のケアパンフレットの作成・配布などが実施されている。

個別

 カードを数枚見せられてお話しを作ったり、いろんな物事について質問されたり、と原則受験者1人に対して先生1人で行われる対話式の試験。

・さ行

三期制

 三期制(三学期制)とは1年間を一学期・二学期・三学期と分ける制度のことを指す。二期制と比較して定期テストの頻度が高いため、テスト範囲が狭くなる傾向があり、成績を上げるチャンスが多くあることになる。⇔二学期制

私学助成金

 私学助成金とは、私立学校やその学校に通う生徒の保護者に対して、国や地方公共団体が金銭的補助をする制度。

指示行動

 試験では、集団で行う行動観察必ずと言っていいほど出題されている。指示行動は、試験官の先生が出題することを聞き、その通りに行動する試験。例えば、「鉛筆を3本取って、右側の机の上に置いてください」というように、数や位置を指示するものが含まれることもある。出題の意図として考えられるのは、相手の話をきちんと聞き、その通りに行動できているかを観ることである。

七田式教育

 七田眞(故人)が考案した右脳鍛錬を目的とした幼児教育の方法のことで、詰め込み教育が多いと言われる日本の教育の中で、大きな脚光を浴びた。記憶力・能力向上を目的とした右脳開発に関するものが多数あり、代表作に「超右脳革命」「赤ちゃんは天才」などがある。

四方からの観察

 あるものを場所をかえていろいろな方向から見た時、どのように見えるかをその場に行かないで考えるもの。前後左右が関係する位置表象の課題ですが、一方で「観点を変えて考える」という幼児期の思考を育てる大事な課題。

週5日制

 週5日制は2002年に完全実施された。学校教育法の施行規則は、土、日曜を公立小中の休業日と定めるが、「特別な必要」がある場合は土日にも授業を行えるとしている。運動会や文化祭などの多くはこの仕組みを使って実施されている。

 私立小でも週5日制を導入している学校が殆どである。
 週5日制は、子ども達が家庭や地域社会で主体的に使える時間を増やし、「ゆとり」の中で社会体験や自然体験などの様々な活動をすることを通じて、自ら学び、自ら考える力や豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力などの「生きる力」をはぐくむことを目的としている。

就学援助制度

 給食費や通学費、学用品費、修学旅行費、日本体育・学校健康センター掛け金など、児童生徒を学校に通わせる上で必要な諸費用を支払うことが経済的に難しい家庭に対して、就学を援助するための制度をいう。

 これは、教育の機会均等の原則を経済面で実質化するための国および市町村の義務とされている。家族全員の前年度の収入が生活保護の基準で算定された生活費の1.3倍以内である場合、この援助が受けられる。通例、入学または転入時に、この制度に関して学校から保護者に対して紹介されている。援助の内容は市区町村によって異なる。

就学義務

 就学義務とは、保護者がその保護する子供に義務教育を受けさせる義務。

就学時健診

 小学校就学前に行う健康診断のこと。市区町村の教育委員会が、翌年度就学予定の子どもを対象に、10月から11月の間に行う。学校保健安全法第11条に定められている。

就学通知

 翌年度から小学校へ就学する子どもの保護者に対して、就学すべき小学校、入学期日などを知らせるもの。市区町村の教育委員会から、1月末までに届けられる。区域内に住所がある該当年齢の子どもが対象となるので、国立や私立の小学校へ入学予定の場合も届けられる。

就学免除

 就学免除とは、病弱・発育不完全などのやむを得ない事由のため、就学困難な児童について、その就学義務を免除すること。

就学猶予

 就学猶予とは、保護者(親権を行う者・未成年後見人)が負っている子供を学校に就学させる義務を猶予・免除することである。

習熟度別学習

 一人一人の理解度に合わせた学習を行うことを言う。そのため、教員が児童一人一人の個性や特性をきちんと把握して初めてできる指導でもある。理解度の高い子はより進んだ学習が可能であり、逆にそうでない子は理解できるまで丁寧に学習できるシステム。

集団登下校

 集団登下校は、学年を超えて一定地域の児童が、上級生をリーダーとして集団で登下校することを指し、子どもたちの登下校時の安全を確保するための手段として行われている。都市部の学校では、集団登下校の姿はほとんど見られなくなったが、農山村部ではいまでも実施されている。  

 もともとは、学校への遅刻防止のために始まり、やがて交通安全のために取り入れられたが、最近では災害時、または事件・事故の発生時に、学校長の判断で随時実施されることも多い。

 しかし近年では、交通事情が悪化したことに伴い、集団登下校の持つ危険性についても指摘されている。また町中で発生している無差別殺傷事件の増加・凶悪化によって、集団登下校時の安全性の確保と、集団登下校の有効性そのものについて、今後議論される必要があるだろう。

シュタイナー教育

 ドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)は、7歳までの幼児期は体の基礎をつくる時期と考え、豊かな感性体験と運動、信頼でき模倣できる大人の存在、生活のリズムが大切だと考えて活動している教育方法。子どもの自主性を尊重した教育。幼児期は具体的な体験が重要だと考え、基本的には文字や数字を教えない。

奨学金

 奨学金とは、学業継続のために貸与する補助金。

小学校

 学校教育法に定められた「学校」の一つ。「心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なもの施すことを目的(学校教育法第29条)」とし、修業年限は6年となっている。保護者は子どもが満6歳に達した年から満12歳になる年まで小学校へ就学させる義務がある。また、小学校には1年から6年までの学年があり、原則、同学年の児童で学級が編成される。

小学校受験

 小学校受験とは、国立や私立の小学校に入学するために試験を受けること。

小中一貫校

 小中一貫校とは、既存の小学校と中学校を統合した学校のこと。

少人数学級

 私立小学校では、1学級40名体制が少なくない。1人の先生に対して40名では一人一人に目が行き届きにくいのが現状で、それを改善するべく、1学級30名やそれ以下にクラス編成を変更する学校も近年では見られる。いうまでもなく、児童の決め細やかな指導が可能となる。

諸会費

 PTA会費や積立金、給食費など、学費や施設費の他に必要になる諸々の費用。

食育

 食育とは、食べる物を選ぶ力,食べ方,調理法,味覚形成,食べ物の生育に関する知識や豊かな食生活の楽しみを覚える等の力をつけることを目指し、食生活に関するさまざまな教育を行うこと。

私立学校

 私立学校とは、学校法人の設置する学校。公立学校・国立学校に対していう。

進学校

 進学校とは、在校生の進学に重点をおいている学校のこと。 ある個人が進学した先の学校のこと。

新入児童・生徒保護者説明会

 来年度に入学をひかえる児童生徒の保護者を対象にした入学前の保護者説明会は、一般に、2月または3月の時期に開催される。

 そこでは、学校の紹介、学校生活を送る上で今から身につけておいてほしい生活習慣や事柄、家庭で用意する学用品や物品、入学式当日の提出物、学校徴収金を支払うための口座振替の手続き、子どもを学校に通わす上で保護者に配慮や注意をしてほしい事柄、学校のいろいろな取り決めやルール、PTA、入学式当日のスケジュールなどに関して説明される。

シーソー

 いくつかのシーソーの場面を総合し、全体としての重い順、軽い順を考える。2場面から3つのものの重さの関係を推理する「三者関係の推理」が、シーソーの基本問題となるが、最近の入試では四者関係の推理が出題の中心になってきているもよう。

事前面接

 面接日は試験日前、試験日当日、試験日後の3パターンで行われる。試験日の1ヶ月ほど前に面接を行っている学校も多数ある。面接日は学校から指定されることが殆どだが、受験者(保護者)に希望日を尋ねる学校もある。

児童会活動

 児童が協力して運営する活動のこと。児童会が中心となって、行事を企画・実施したり、各種の委員会にわかれて活動するなど、学校によって様々である。

児童相談所

 児童福祉法第11条に定められた児童に関する諸問題について相談に応じ、援助をしてくれる機関。都道府県に設置され、児童福祉司と呼ばれる職員が置かれている。児童相談所では主に次のようなことが行われる。
・ 児童に関する各般の問題につき、家庭その他からの相談に応じる。
・ 児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行う。
・ 児童及びその保護者につき、調査又は判定に基づいて必要な指導を行う。
・ 児童の一時保護を行う。

児童・生徒調査票

 児童・生徒調査票とは、児童生徒の生年月日や住所・電話番号、保護者の氏名・続柄・職業のほか、家族構成とそれぞれの続柄や職業または在籍する学校、本人の健康状態(過去・現在の病歴を含む)、緊急時の連絡先、学校から家までの略地図、家庭の生活状況や教育方針、本人の性格や趣味、担任への要望などを記入する用紙を指す。

 これは、児童生徒の成育歴や家庭環境、健康上の問題など、担任教師が児童生徒を指導する上で配慮を必要とする様々な事項を把握するために、年度初めや入学時に保護者に記入を求めている。また何か問題が生じたとき、家庭との連絡・連携をスムーズに行えるという利点もある。  

 この調査票の記載事項は、児童生徒とその家庭のプライバシーに直接関わるものなので、学校で厳正に管理されている。また年度末や卒業時には、家庭に返却されるか、廃棄処分されている。

じゃんけん

 日常の生活でよく行なわれる「じゃんけん」を題材にして、単純に勝ち負けの問題から、勝った数を比べる問題、階段を移動する問題、何を出したか推理する問題など、さまざまな領域に渡っての問題がある。最近の小学校入試でも、「じゃんけん」を使った問題が非常に多く取り上げられている。

授業参観

 授業参観は、自分の子どもの学校での様子、同じ学級・学年の他の子どもたちの実態、そして担任教師の教育指導や学級の教育活動の状況などを、保護者に知らせることを目的としている。各学期に1回ずつ行われるところが多い。

 一般的に、授業参観の後には学級懇談会が開催され、そこで授業参観で見た学級の様子を踏まえて意見交換をすることが図られている。平日に学校に来ることが難しい保護者のために「日曜参観」なども、かなり以前から行われてきた。  

 最近では、通常の教室での参観だけではなく、「プール参観」や、学校を1日中開放して保護者が自由に学校内の様子を見て回ることができる「生活参観」を開催している学校もある。さらに「開かれた学校づくり」推進の中で、地域の人々にも学校の様子を知ってもらうために、学校公開日や公開週間などをはじめた学校も多い。

授業時間増(公立小教育)

 2011度から新しい学習指導要領が実施され、小学校の授業時間は2008年度に比べ各学年で35~70時間笛増える。 2009年度から算数や理科などで新要領に沿った内容の授業のが先行してして始まり、全学年で年34、35時間増えた。2011年度はさらに1年生で34時間、2年生で35時間増える。

常識

 学校入試で問われている常識問題の中で「社会的常識」に関する大切な問題。例えば交通道徳に関する内容や公衆道徳に関する内容で「なぜ、いけないのか」を子どもに問う。
(1.伝統行事2.季節3.標識の理解4.昔話5.仕事と道具6.弱者に対する理解7.家族関係)

情操教育

 感情や情緒を育み、創造的で、個性的なこころの働きを豊かにするための教育、道徳的な意識や価値観を養うための教育。小中学校の教科では、特に算数、国語などの明確な点数が付けられるものではなく、絵画や音楽、感性を伸ばす道徳、図工、音楽、保健体育などをいう。就学児を対象にした情操教育のお教室も、最近ではある。

スクールカウンセラー

 教員とは別に学校に配置された「心の専門家」。子どもや保護者、教員などを対象にカウンセリング業務を行う。学校に常駐する場合、週に何日か駐在する場合、定期的に訪問して相談を受け付ける場合、拠点校に配置され、近隣の小中学校の児童生徒も利用できる場合、など配置状況は様々。スクールカウンセラーとは別に、悩みや不安の相談にのる「心の教室相談員」を配置する学校などもある。

図形系列

 並んでいるものの法則性をすばやく発見し、次に何がくるか、あるいは欠けているところには何があったのかを推理する問題。

図形構成

 「図形構成」は、基本図形を中心とした色々な形が、どんな形で構成できるかを答えるもの。

図形分割

 基本図形をいくつかの形に分割する課題。
(いろいろな図形の2等分~8等分の方法・分割線をかく・図形を分割した時にできない形を選ぶ・1つの図形の色々な分割方法・指示された形に分割する・おり紙の折り線)

図形模写

 お手本を見ながら線や形を正確に描き写す課題。線の模写は、聖心でよく出されているようだ。

専科制

 全ての教科を担任教諭が受け持つのではなく、教科ごとに担当の教諭が変わることを言う。音楽、図工、英語、宗教などの授業には、専科制が用いられることが多々ある。その分野の専門家が授業を行うわけだから、工夫を凝らした授業展開が可能で、児童の理解度も深まるであろう。小学校高学年になると、専科制の制度を用いている学校が多く見られる。

専科担任制

 小学校において、9教科のうち特に技能教科に属する音楽、図画工作、家庭、体育などの特定の教科指導のみを担当する専科担任の教員が、当該教科の指導を学級担任に代わって行う教授組織の一形態をいう。全科担任制を原則とする小学校でのみ用いられる用語であり、教科担任制をとる中学校や高等学校においては用いられない。専科担任制は、学級担任制では不十分となりがちな技能教科の学習指導を補うためのものとされてきた。

 しかし最近では、教員の得意分野が児童の個性を伸ばすという積極的な意義のもとで、活用範囲が拡大される傾向にある。小学校高学年では、教科担任制に近いかたちの運用が行われる例も増えてきている。

線対称

 折り紙を半分に折ってある形を切り、開くとどんな形ができているか等を予測する。

選択抹消

 たくさんある絵の中から、見本と同じ絵をすばやく探し出し、指示通りに消していく作業。

線の模写

 小学校に入学してから行われる文字指導の基礎である「運筆練習」として、よく取上げられる課題である。直線や曲線あるいは、それらが連続したり組合わさったりしてできた見本と同じ線を描く課題。

早期教育

 通常行われている時期よりも早い年齢段階から行われる教育のこと。英才教育と重複するところも多い。早期教育には、音楽などの芸術的能力や運動能力など特殊な領域における英才教育と、学業優秀児を育てるための教育がある。受験競争が著しく低年齢化してきている今日、本来修学後に行われている文字の読み書きや計算を就学前から教えたり、英語を幼児期初期から教えたりといった早期教育が盛んに行われている。

 このような早期教育の効果に関しては、一時的な効果と半ば永続的な効果、特殊領域的な効果と発達全領域に対する効果に分けて考える必要がある。たとえば、就学前に漢字を教わった子が周囲の子どもたちが書けない漢字を書けるという意味では効果はあるといえるが、やがて小学校段階でみんなに追いつかれだれもが書けるようになるということがある。

 また、仮に算数でも国語でも英語でも、就学前から学ぶことにより得意科目として定着したとして、その代わりに友だちと遊んだり自然に親しんだりといった経験が乏しくなり、健全な発達が阻害される可能性があるといった問題もある。

早期就学

 諸外国では、小学校の就学年齢を標準よりも1年程度早くしたり、遅くしたりする制度がある場合がある。

総合的な学習の時間

 横断的・総合的な課題などについて、自然体験や社会体験、観察・実験、見学・調査などの体験的な学習、問題解決的な学習を行う時間。平成14年度から施行された学習指導要領によって導入された。具体的な活動内容は、各学校が地域や学校、児童の実態等に応じて様々である。

早修

 学年は同じままで、より高度な内容を学習する。飛び級と違って得意分野も苦手分野も上のレベルで学ぶというわけではないため、学校・教師側にとってはカリキュラムを立てる作業が増えるが、生徒にとっては負担が少ない。

・た行

縦割り教育

 他学年と交流を持つことを言う。これをすることによって、兄弟姉妹のいない児童は異年齢の子供と接し方を知り、年下を気遣い、年上を敬うことを覚える。授業以外の時間に適用されることが多く、給食の時間や遠足、課外授業などにこうした縦割り教育が行われる。

脱ゆとり教育

 ゆとり教育は、小中学校では2002年度、高等学校では2003年度から始まった。しかし、この教育は、学力低下が指摘されており、実際にど国際学力テストで順位を落としたことなどから、批判されてきた教育であった。

 そのような批判を受け、2005年に中山成彬元文部科学大臣が、中央教育審議会に学習指導要領の見直しを要請し、さらに安倍晋三元首相が主導となって、教育再生(ゆとり教育の見直し)が着手された。
 2008年に、新しい学習指導要領が改訂され、ゆとり教育から脱却したということから「脱ゆとり(教育)」と称された。

 脱ゆとり教育は小学校で2011年度、中学校で2012年度、高校で2013年度から始まる。

男女共学

 男女共学とは、男女が同一学校・同一学級で平等に教育を受けられる制度。共学。

男女別学

 男女別学とは、男子か女子のいずれか一方のみを教育の対象とする学校のこと。特に、男子を対象とする学校を男子校、女子を対象とする学校を女子校と呼ぶ。

地図上の移動

 四方からの観察と同様に左右に関する問題で、地図上を指示通りに移動する課題。交差点を何回も曲がっていく内容が基本となる。

中高一貫校

 中学校から無試験あるいはそれに近い形で併設・連携の高等学校に進学できるシステム(中高一貫教育)を取っている学校のことを指す。また、最近では既存の中学校と高等学校を統合した中等教育学校のことも俗語的にこう呼ぶこともある。

 元々は私立の学校がほとんどであったが、個々の生徒の能力に合わせた教育をするためには中学校と高等学校で全く別な教育をするよりも、一貫性を持たせた教育をした方がよいという考えから、近年では中学校と高等学校の教育を統合した公立の中高一貫校が徐々に創設されている。

つみ木の数

 かくれているつみ木の数も意識しながら、全体でいくつのつみ木が積んであるかを調べるもの。

つみ木パズル

 複数のつみ木を使って構成できる模様を考える。

詰め込み教育

 詰め込み教育(つめこみきょういく)とは、機械暗記による知識量の増大を目指す教育方法。

 試験の点数は上がる反面、児童・生徒の学習の動機付けに欠ける短所がある。とは言え、普通教育の最終目標が大学入学試験突破にあった日本では、少なくとも1970年代まではこの教育方法が一般的であった。

 1980年代以降、詰め込み教育の短所に対する反省から、児童・生徒の学習の動機付けに重点を置くゆとり教育が幅を利かせたが、たちまちゆとり教育の短所である学力低下が出現し、文部科学省もゆとりの教育の見直しを検討している。

点図形

 点を縦横だけでなく、斜めにつないで図形を描いていく問題。絵が鏡に映ったような対称形や逆さまなど、点図形に鏡映像など他の要素が加味された問題や、二つの点図形を重ねた図形を描く問題もある。単に点をつなぐだけではなく、なるべく真っすぐな線で、きちんと点の真ん中を線が通るようにして、終点は点から線がはみ出さないようにできるかも求められる。

時の系列

 数の絵カードを時間的順序に沿って並べるもの。

飛び級・飛び進学

 学年制の学校で、正規の進級よりも早期に上級学年に移行すること。単純に生徒を上の学年に移すだけであるため、学校・教師側の負担は少ない方法である。

同数発見

 たくさんあるものをすばやく数え、それと同じ数だけあるものをいくつかの選択肢の中から選ぶ問題。知能検査の問題になっているせいか、数に関する問題の中では、昔から入試でよく出される典型的な問題である。

同図形発見

 同じ形や同じ絵をすばやく見つけるもの。

同頭音・同尾音

 同頭音 同尾音は、一音一文字の考え方を土台に、言葉の最初につく音は何か、最後につく音は何か等を考えさせるもの。

土曜授業(公立小教育)

 現在多くの自治体で行われている「土曜補習」は任意参加で、授業時間の枠に入らない。これに対し「土曜授業」は正規の授業の枠内。都教委は、土曜授業は公開の形で行い「地域に開かれた学校作り」に生かすから、地域との連携を求める中教審との答申の趣旨にも合致すると説明。文部科学省も事実上容認した。

 私立小学校では土曜日を休みとしている学校が多いが、年に数回、行事などを土曜日に充てる学校も多い。土曜日に「特別講習」などを行う小学校も出てきている。

・な行

仲間あつめ

「仲間はずれ」同様、分類課題の中では典型となる問題。ものごとの共通性をどう発見するか(同一性の理解)が、分類課題のポイント。

仲間はずれ

 分類課題の中でも昔からある典型的な問題。ものごとの共通性をどうとらえるかという点が求められている問題である。その分類基準として、次のようなものが考えられる。
(用途・材質・類・季節・同頭音・同尾音など)

二期制

 二期制(二学期制)とは、4月から9月までの「前期」と、10月から3月までの「後期」で一年を学期分けする制度のことを指す。二期制は定期テストの頻度が三期制と比較して少ないため、テスト範囲が広くなる傾向があり、少ないチャンスで成績を上げきらないといけない。⇔三期制

日本PTA全国協議会(日P)

 小・中学校におけるPTA活動を通して、学校教育と社会教育、家庭教育の連携を深め、青少年の健全な育成と福祉の増進をはかることを目的に、1952年に創設された社会教育関係団体。その主な事業は、全国研究大会・PTAセミナーの開催、広報紙「日本PTA」「PTA実践事例集」の刊行、青少年育成事業、優良PTA・功労者の表彰、社会教育諸団体と協力しての情報活動や社会教育諸活動、「日本PTA基金」の推進などである。  

 小・中学校PTAの全国組織として、学校ごとの単位PTA(全国およそ34,000ヵ所)―郡・市PTA連合会―都道府県・政令指定都市PTA協議会(同60ヵ所)―ブロック協議会(同9ヵ所)を下部の組織構造として持つ。現在の会員数は、およそ1,200万人に上る。  

 また高等学校のPTAの全国組織は、全国高等学校PTA連合会(全高P連)であり、高等学校PTAに関して類似の事業を行っている。

入学願書

 入学願書とは、出願に必要な書類のこと。各小学校から配布され、配布時期などは学校によって異なる。公立小学校の場合は、入学する年の学年の初めから2ヶ月前(つまり1月末)までに、教育委員会から「就学通知書」が届けられる。学校選択制を取り入れている場合は、希望を出すための書類が届けられる。

ネイティブスピーカー

 ネイティブとは、「ある言語を母国語として話す人」の意味。「ネイティブスピーカーによる指導」という言い回しで使われる場合、「英語を母国語としてしようする人」を意味することが殆ど。英語の授業がある学校では、アメリカ人やイギリス人などの教員が児童に英語を教えている場合も少なくない。幼い頃から正しい発音に触れ、話せる英語が身につくメリットがある。

ノーチャイム制

 時間ごとにチャイムを鳴らす制度をなくす制度を言う。最近では授業を1時間ごとに区切らず、1・2時間目をひとくくりにし、間に5~10分の休憩を入れて授業を行っている学校もある。モジュール制を導入した授業の場合は、長時間にいくつものプロセスを学習できるメリットがある。また、自分たちで時間を意識する能力も身につく。

は行

開かれた学校

 開かれた学校とは、家庭や地域社会と連携・協力する学校である。学校と家庭・地域との連携・協力は次の3つの側面から成り立つ。

 第一に、家庭・地域との間の相互理解に基づき、家庭・地域の意向を反映する学校運営である。2000年7月の中央教育審議会答申では、学校は「保護者や地域の人々に、自らの考えや教育活動の現状について率直に語るとともに、保護者や地域の人々、関係機関の意見を十分に聞くなどの努力を払う必要がある」と述べられている。学校の情報の公開と開示、および学校評議員制度などを通じた学校運営への保護者や住民の参加の問題である。

 文部科学省は2002年度に「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究校」を指定した。その一つである東京都足立区立五反野小学校では、地域代表、保護者代表各三名、学校代表4名、行政1名から成る「学校理事会」を設置した。学校理事会は、教育課程、校長候補者の選定、学校予算などについて審議し、それに基づいて校長は校務を行うことになっている。

 第二に、学校教育に地域の資源や教育力を活用することである。同答申では、「学校がその教育活動を展開するに当たっては、もっと地域の教育力を生かしたり、家庭や地域社会の支援を受けることに積極的であってほしい」と述べられている。地域の人材に非常勤講師やボランティアとして協力してもらうことや、地域の施設や自然などを教育活動で活用することなどが考えられよう。それは地域の特色を生かした教育課程を編成し、地域の特色を生かした教育活動を展開することでもある。近隣の学校との相互交流や連携もその一つである。

 第三は、学校の保有する資源や教育力を地域社会に開放し、地域の人々の交流の場、地域コミュニティの拠点として学校が機能することである。同答申は「学校は、地域社会の子供や大人に対する学校施設の開放や学習機会の提供などを積極的に行い、地域社会の拠点としての様々な活動に取り組む必要がある」としている。

 また、1996年4月の生涯学習審議会答申でも、学校が地域社会の一員として、積極的に地域社会に貢献していくことの必要性が指摘された。これまで進められてきた学校施設の開放をいっそう拡大したり、学校施設を複合化したり、あるいは教職員が地域に積極的に貢献しようというのである。ただしこの点については、施設の管理や教職員の負担など様々な問題が予想される。

フォニックス

 フォニックスは、英単語の発音を学ぶ方法のひとつである。英語圏では子供に読み方を教えるための教育方法として用いられている。フォニックスでは例えば「発音 /k/ は c, k, ck のどれかで書かれる」のように、ある発音がどの文字群と結び付いているかを学び、それらの文字の発音を組み合わせて知らない単語の正しい発音を組み立てる方法を学ぶことができる。

 フォニックスは子供に読み方を教えるために広く用いられている方法である。子供は通常、5歳か6歳頃にフォニックスを用いて学び始める。フォニックスを使って英文の読書を教えるには、子供が発音と文字のパターンとの対応を学ぶ必要がある。

復学制度

 何らかの事情で学校を転校していった児童が再びもとの学校に復帰することを言う。復学制度を行っている学校は多くありますが、期間が定められたり、試験があったりと様々な条件があるようです。

複式学級

 異なる年齢の児童生徒や複数の学年をまとめて編制された学級をさす。幼稚園、小・中学校では、原則として同年齢による学級を編制するとされている(幼稚園設置規準第四条、学校教育法施行規則第一九、五五条)。

 ただし、
 (1)園児、児童生徒数が極めて少数であるとき
 (2)教員数が不足するとき
 (3)施設や経費が不足するときなど

 特別の場合には、複数の学年で一学級を編制することが認められている。一般には、へき地や離島などにおけるやむをえない措置と理解されている。

副担任制度

 各学級の担任の先生の他に、もう1人の教諭が給食の時間や学級活動時に教室内でサポートする立場にいる。普段と違う先生の目から児童を観ることで、細やかな指導ができきる利点がある。

フリー・スクール

 伝統的な学校のように、すでにあるカリキュラムを一律に子どもに与えるのではなく、子どもの自由、自主性を尊重し、個々の子どもの要求に応じた教育を行うことを目的とする学校。

 イギリスで一九二四年にニールが創設したサマーヒル・スクールが原型になっているといわれている。そこでは子どもの全面的自由に基づく教育が展開された。このほか、フランスのフレネ学校やドイツのシュタイナー学校などが有名である。

 日本でもそのような理念に基づいた教育活動を行っている私立学校がある。また、不登校生徒を受け入れて、子どもの自主的な活動の場を提供している施設もフリー・スクールとして社会的に認知されるようになってきている。通常の学校とフリー・スクールの中間的なものとして、通信制高校に通う生徒を支援するサポート校がある。

 フリー・スクールへの注目の背景には、一般の学校において子どもの自由や自主性が生かされていないという批判の広がりがある。その意味で一般の学校に対しても課題を提起しているということができる。

プロテスタント

 プロテスタントは神と個人が直接の関係を持ちます。比較的自由な校風。東洋英和女学院・立教・青山学院など。

ペーパー(プリント)

 いわゆる筆記試験のことを小学校受験ではペーパー(プリント)と通称している。

方眼上の位置と移動

 方眼上の位置の表し方と、方眼上を指示通りに移動する課題。

保護者懇談会

 保護者懇談会には、学級懇談会と個人懇談会の2つが挙げられる。学級懇談会は、学級担任とその学級に所属する児童・生徒の保護者たちが、学級の指導方針や学習状況、子どもたちの学校生活の様子、家庭での生活の状況、担任・学校への意見や要望などに関して、連絡をし合ったり、話し合いをしたりする場である。  

 そしてこれを通して、学級担任と保護者の間に信頼関係を形成し、また保護者同士の交流を深めることをその目的としている。学級懇談会では、教師が一方的に取り仕切るのではなく、保護者が自由に発言できるような機会を作るという配慮をすることが望まれる。  

 個人懇談会は、担任教師と保護者が1対1で懇談するもので、年間計画において行われる場合と必要に応じて行われる場合とがある。いずれにしても、その児童生徒に直接関連した話し合いが行われる。  

 保護者懇談会は、保護者にとっては担任教師に触れることができる数少ない機会である。それだけに、懇談会に対する保護者の期待は大きい。

ホームスタディ制度

 埼玉県志木市が2002年度から開始した在宅学習支援制度。学習意欲があるにもかかわらず長期欠席状態にある児童生徒に対し、定期的に教員(市臨時教員、有償ボランティア、担任外教員など)を派遣する。派遣教員は担任の指示の下、在籍学級の学習進度と調整し、個別学習を支援する。学校長の判断により出席同様の扱いとしながら、学校復帰への支援も並行して行う。

ボランティア保険

 現在、開かれた学校の推進とともに、地域住民や保護者、さらには大学生などの様々な人々が、ボランティアとして学校の教育活動に参加・協力している。しかしその際、自身が傷害を負ったり、他人の身体や事物に損害を与え、法律上の賠償責任を負うなどということも起こりかねない。

 そこで、このような不測の事態に備えるため、最近ではボランティア保険に加入する人々が増えている。それは、各都道府県社会福祉協議会が運営を行い、通例、各市町村の社会福祉協議会が加入の際の窓口になっている。ボランティア保険のタイプとしては、個人用や団体・グループ用のほか、特定の日数のみのボランティア用の保険などがある。  

 人々に安心してボランティア活動に従事してもらうためにも、学校はこの保険への加入を呼びかけていくことが求められるであろう。

・ま行

昔話

 日本昔話やグリム童話などの代表作のストーリーの色々な場面の絵が4つ~5つあり、それをストーリー順に並べたり、お話しの題名を当てるといったもの。

無学年制

 同年齢の児童・生徒をグルーピングした学年・学級を核とする教授学習組織を批判し、学年の枠を取り払った個別学習を基本とする学習組織として構想されたのが、無学年制である。無学年制は、1930年代~1940年代の米国で実験的に試みられ、1942年のウィスコンシン州ミルウォーキー市の実践以降しだいに普及し、1950年代~1960年代にある程度定着したとも見られている。

 無学年制の「学級」では一斉指導は最低限にならざるを得ないし、一人ひとりの進度に対応した指導を行うために、「学級」の規模も小さく押さえなければならない。そのため、これまでの実践例は初等教育の段階でとどまっているという。

模擬試験

 模擬試験とは、入学試験の準備として、同じような形式で行う試験。

モジュール制

 通常45分や60分の授業を10分から15分程度の短い授業単位のことを「モジュール」と呼んでいます。このようなモジュールを組み合わせる事によって、授業内容に応じた柔軟的な時間割を組むことが可能。例えば、国語の授業であれば、読解、読み取り、書き取りの時間に細かく区切って授業を展開する。また、集中力の向上などに利点がある。

持ち上がり制

 同一教師が2年以上、同一児童・生徒を教育する教授組織をいう。かつて可能な限り長く持ち上がる方式が、学級集団と教師との結びつきを強め教育効果を上げるとして理想視されたこともあった。

 しかし、最近ではいわゆる「学級崩壊」への対処の必要から、持ち上がり制を廃止し、単年度編成とする動きが広がっている。

モニトリアル・システム

 18世紀末から19世紀初頭に英国のベルとランカスターが開発した授業様式。一斉授業の始まりと説明されることも多いが、正しくは多数の児童をモニター(助教)を用いて教授する方式というべきである。ギャラリー(大きな部屋、階段状のものが望ましいとされていた)に集められた児童が一斉に行動するのは、授業開始・終了時などの「秩序維持」場面だけであり、授業場面は一斉ではなかった。

 授業は、「競争」と「賞罰」の動機づけによって個人学習が自動的に進められていく場であった。しかし、一斉授業の起源ではないとしても、能力的・効率的な教授学習組織の先駆けという点では画期的な意味を持っている。

模倣体操

 試験官がお手本を見せ、その通りに動く問題。向かい合わせで行動するので、左右の判別をきちんと行う必要がある。ひとつずつ行動するものと、全ての説明を終えてから行動する2パターンに別れる。後者の場合は、きちんと指示を記憶する能力も必要である。

モンテッソーリ教育

 イタリアの医師モンテッソーリ(1870~1952)が、幼児期には周りの環境とかかわりながら必要な能力を獲得する時期があるとし、子どもが自分の意志で選んだことをやらせることを重視した教育方法。

 モンテッソーリ教育を行っている保育園や幼稚園は日本各地に存在するが、政府に認可を受けている小中学校はない。

・や行

ゆとり教育

 ゆとり教育とは、日本において知識重視型の教育方針を詰め込み教育であるとして廃し、経験重視型の教育方針をもって、ゆとりある学校をめざした教育のことを指す。

 その方針に沿って、公立の小中学において教育カリキュラムの平易化、量の削減が実施されてきた。しかし、近年、ゆとり教育の影響で学生の学力が低下してきたとされ、授業日数の増加含め、カリキュラムがゆとり教育以前のものに戻されつつある。ゆとり教育が正式に開始されたのは2002年であり、脱ゆとり教育が始まったのが2009年からである。

 中高年がゆとり世代に対して「コミュニケーション能力が低い」「学力が低い」などと評価することがあるようだが、「実はコミュニケーション能力が高い」「ITに対するリテラシーが高い」といった反論も聞かれ、単なるジェネレーションギャップを指摘する向きも多い。

幼児教育・就学前教育

 たとえば小学校に就学する前に文字の読み書きや、計算について教育するなどのこと。小学校受験のために幼児教室に通ったりすることも含む。公文式(くもんしき)、七田式(しちだしき)などがシェアを誇っているが、その弊害も指摘されている。

幼児教室

 幼児教室とは、小学校入学前の幼児のための学習教室のこと。ただし、能力、資質のあるなし、また方向性がまだ定かではない幼児のためのものなので、ニーズもその内容もとても多様である。

ようすことば

 どんな音がするのか、どんな鳴き声なのか、触った感じがどんな感じなのかを生活体験を通して言語化する。最近の小学校入試でも動きを表す言葉の理解とともに様子を表す言葉の理解を求める問題が増えている。

・ら行

理科的常識

 「野菜や果物の断面」・「ものの浮き沈み」・「風向き」・「影のでき方」・「鏡映像」・「季節」「植物に関する知識」・「生物に関する知識」・「ガソリンや電気で動くもの」・「水の量の変化」・「鏡映像」

立体と展開図

 いろいろな立体を前後、上下、左右から見たときの見え方を考える。

リトミック

 就学前教育(しゅうがくぜんきょういく)の「リトミック(Eurythmics)」はフランス語で良いリズムという意味。スイスの作曲家で、音楽教育家でもあるエミール・ジャック・ダルクローズ(1865~1950)が、「リズム」をメインテーマとして、身体や心の動きと、音楽を結びつけ、感覚機能を磨く教育システムを創り上げた。

 今日「リトミック」は、音楽を修得するためのステップとしてはもちろん、スポーツやダンスの基礎として、また、音楽療法や子どもの心身の発達を促す手段として幼児教育に広く取り入れられている。

量の系列化

 数概念形成の一つの柱である「順序数」の考え方の基礎。ここで扱う量は「大きさ」「多さ」「長さ」「重さ」の四つの量。それぞれの量を比較し、最高級・最低級や量の相対化、系列化(例えば、大きさの違う車を車庫にしまう場合、1番大きな車庫には1番大きな車を、2番目に大きな車庫には2番目に大きな車を、…というように入れていくこと。)を行う。

量の保存

 液体を別の容器に移しかえたり、粘土玉の形状を変化させても、中味の量は変わらないという考え方ができるかどうかを問われる。例えば、水量の移しかえの課題の場合、細長い容器に移しかえて水面が高くなると、それだけ量が増えたと考えたり、粘土玉を押しつぶして広げると、それだけ量が増えたと錯覚してしまう点に注意が必要。 

臨海(林間)学校

 夏、児童・生徒を自然のそばに集めて、からだを鍛える教育活動。

・わ行


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 今回のコラムも私の個人的な知見に基づくものですので、必ずしも正しいとは言えませんし、他で主張されている理論を批判するものではないことをご理解いただいたうえで、一考察として受け止めて頂き、大切なお子様のお受験に役立てて頂けたらと思います。

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