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【国宝探訪】日本美術をひも解く展@東京藝術大学大学美術館

8月12日に上野の東京藝術大学の美術館に行ってきました。
この日だけ、気温が少しだけ下がって猛暑日予報じゃなかったので。
珍しく15時前に行ったので、チケット売場に並んでいる人もいて、結構混んでました。
やっぱりもう少し後から行った方が空いてそうですね。

今回は宮内庁所蔵の国宝5件が全部展示されるので行ってきました。
その5件のうち、3件は見たことがないのです。
案の定、前期後期に分かれてしまって、両方行くことになりましたが。

前期のお目当ての「唐獅子図屏風」を展示してある部屋に入ってビックリ!
普通の屏風図とは明らかに違う大きさです。普通の大きさの屏風だったらはみ出すくらいの唐獅子は迫力があります。
元は障壁画だったとのこと。だから、こんなに大きいんですね。
それに、いつも片側の唐獅子しか本などで紹介されていないなぁと不思議に思っていたのですが、向かって右側だけ狩野永徳が描いた障壁画を屏風に仕立てたもので、左側は永徳のひ孫・常信が永徳の画に合わせて描いたものだそうです。
同じように唐獅子が描かれているのですが、右と左では明らかに描き方が違うし、何より迫力が違います。きっちりと端正に描かれた唐獅子のたてがみ、やっぱり永徳の方がいいですね。
明治時代に毛利家から皇室に献上されたのは知っていましたが、屏風自体については知らないことばかりでした。
帰宅後調べましたが、どこの障壁画だったかは不明のようです。本能寺の変後、秀吉と講和したときにもらったという説もあるようですが、史料は無いそうです。この説より、聚楽第や大坂城にあった障壁画を広島城がだいたい完成したお祝いにもらったとかの方がしっくりくるけどなぁ。

「唐獅子図屏風」と同時に国宝に指定された「蒙古襲来絵詞」は絵巻物なので激混みでした。絵巻物は一生懸命観るからなのか、なかなか人の列が進まないのです。一番有名な場面を見て、「てつはう」と書いてあるところだけ読んできました。
「春日権現記絵」は以前に観たことがあったので、サラッと観てきました。
宮内庁ではなく、東京藝大が所蔵している「絵因果経」も展示されていました。

国宝以外で印象に残ったものもあります。
葛飾北斎の「西瓜図」は林檎の皮剥きのように薄く長く剥かれた西瓜の皮が干ぴょうのように干されていておもしろかったです。
藤原佐理の書、「恩命帖」はミミズみたいなタイプの筆跡なのでまったく読めません。しかし、タイトルから言って詫び状だろうと思い、帰宅後調べたらやっぱり詫び状でした 笑。
高村光雲の鶏の置物も小さいながら精巧でよかったです。
数は少なかったですが、いろいろなジャンルが揃っていて見ごたえがありました。

後期は国宝に指定された伊藤若冲の「動植綵絵」が全部じゃないけど出ます。若冲、そんなに好きじゃないんですけど、「動植綵絵」が国宝になったのと、若冲が主役のドラマで「動植綵絵」の成立過程がわかったので、前よりは興味があります。
巷ではなぜか若冲は大人気なので後期の方が混みそうですが、時間をズラして行ってみようと思います。


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