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【国宝探訪】日本美術をひも解く展@東京藝術大学大学美術館(2回目)

9月10日に展示替え後の展示を見に行ってきました。
ポスターにも使われている伊藤若冲の動植綵絵が国宝に指定されたのは昨年のこと。それまでも見たことがないものだったので、これが見ていない国宝絵画の最後の1件になっていました。
しかし、若冲の人気は相変わらずですね。あそこまで老若男女が群がってる光景は少し異様な気もします。個人的には画面がうるさい感じがしてあまり好きではありません。最後の1件は好きな絵で締めくくりたかったですが、そうなるとは限らないのが国宝探訪です。
今回の展示でよかったと思ったのは小野道風の屏風土代です。動植綵絵と同時に国宝に指定されたものです。遠くから見てもすぐに屏風土代だと気づくくらいの迫力のある達筆でした。
国宝ではないのですが、安藤緑山の象牙で作られた柿の置物が柿はもちろん、穴の開いた葉や折れた枝の断面までまるで本物のようで、興味をひかれました。安藤緑山はNHKの「日曜美術館」で見てから気になっていたので、今回じっくり見ることができて嬉しかったです。


室生寺金堂壁画のようにほんの一部分しか見られていないものもありますが、今回の展覧会で国宝の絵画を全て観ることができました。
国宝絵画は基本的に美術館・博物館で展示されるので、見に行くことはそれほど苦ではないのですが、光で退色するものもあり、展示期間が他の国宝と比べてとても短く、展示される機会も少ないものが多く、気長に待ち続けなくてはいけないのです。
「桃鳩図」や「伴大納言絵詞(絵巻)」のように保護のため10年に一度くらいしか展示されないものもあります。
個人蔵の「寒山図」は長らく専門家ですら見たことがないということで有名だったのですが、予兆もなく突然展示されて驚きましたね。
それと同時に、国宝全体の9割を見たことになりました。そうは言っても、まだ100件以上残っているので、見ていない国宝が100件切るのを次の目標にしたいと思います。

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