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【国宝探訪】多宝塔巡りの旅3日目

この探訪記は2015年5月6日のもので、8月4日の記事の続きです。

多宝塔巡りの旅もいよいよ最終日です。前日の高野山での疲れがかなり残ってましたが、多宝塔が待ってるので、予定どおり朝早くから行動を開始しました。
しかし、朝から新大阪のホテルのそばにあったコメダ珈琲のスイーツが頭をよぎります…。

まずは和歌山・海南の善福院へ。途中までは1日目と同じルートだったので、だいぶ慣れてきた気がしました。和歌山駅を過ぎると海が見えてきました。
遠くに島影も見えました。四国でしょうか。

加茂郷駅で降り、そこから歩いて善福院へ向かいました。歩いていると、同じような木が植えてある畑からいい香りが。ミカンの花が咲いていました。気づけば、歩いている道の脇も、丘の斜面も、周りは全部ミカン畑でした。こんなに大規模なミカン畑は初めて見ました。さすが和歌山ですね。初めての風景に、ここまで歩いてきてよかったと思いました。

善福院はかつては大寺院だったようですが、今は釈迦堂が一つあるだけのお寺です。その釈迦堂が国宝に指定されています。
参拝客がいなかったので、じっくり見ることができました。

善福院釈迦堂

禅宗様ということですが、花頭窓がないので、禅宗様らしさが半減な気がします。軒も平行垂木でした。
柱は粽で藁座もあるので、その辺は禅宗様ですが、やっぱり花頭窓が欲しいなぁ。
内部は予約制で拝観できるようでしたが、下調べ時に何回か電話しても出なかったので諦めました。扉から内部が覗いたところ、内部の梁は海老虹梁でいかにも禅宗様という雰囲気でした。

善福院から長保寺へはタクシーで。運転手さん曰く「この間、善福院から長保寺まで乗せたお客さんは根来寺にも行ったみたいですよ」・・・間違いなく国宝巡りの人ですな 笑。

長保寺大門

長保寺は紀州徳川家の菩提寺なんですが、和歌山市内ではないのと交通の便が悪いからか、参拝客はまばらでした。
長保寺には大門、本堂、そして多宝塔の3つの国宝建築があります。趣のある石段を登ると本堂と多宝塔があり、とても感動しました。この多宝塔を観たことで、建築で国宝に指定されている仏塔をすべて拝観したことになったからです。初めて見たのは1995年の室生寺の五重塔だったので、20年がかりです。と同時に、拝観した国宝が800件になりました。国宝を本格的に拝観するようになって15年、気が向いたときに気になった国宝を見に行くスタイルなので、コツコツ積んできました。もう、数的には充分満足です。

長保寺多宝塔。亀腹が控えめで上品な印象
長保寺本堂
多宝塔と本堂

電車の時間が中途半端でしたが、今日は長居せずに駅に向かいました。早くコメ…いや、次の目的地に向かいたかったので。

この旅の最後の目的地は大阪・忠岡の正木美術館です。失礼ながら、この旅まで名前も場所もまったく知らない美術館でした。「一休日和展」というGWっぽい名前の展覧会に行ってきました。とは言え、一休みではなく、皆さんご存じの「一休さん」の展覧会です。
見たかったのは一休さんに直接関係ない大燈国師墨蹟という書だったんですが、丁寧な解説が付いていたので、予想より楽しめました。他の展示も解説が丁寧で、名前と制作年代しか書いてないような展示をしてるところは見習ってほしいものです。「瀟湘八景図」が全部まとめて展示されていたのがよかったです。

正木美術館を後にして、朝からずっと気になっていた新大阪のコメダ珈琲でスイーツを食べて、若干疲れを癒してから帰ってきました。

今回の旅は、国宝以外にも戦国~江戸初期という私が一番好きな時代ゆかりの史跡をたくさん見ることができて、とても満足です。

基本情報(2024.9現在)
※ ルートは私が探訪時利用したものを基本としています。
善福院 和歌山県海南市下津町梅田271
加茂郷駅から徒歩30分
②長保寺(令和5年6月の集中豪雨の被害で拝観停止中)
和歌山県海南市下津町上689
下津駅から徒歩35分
公式サイト→長保寺 – 癒される寺 日本遺産 花の寺 一条天皇勅願 紀州徳川廟 (chohoji.or.jp)
③正木美術館 大阪府泉北郡忠岡町忠岡中2-9-26
忠岡駅から徒歩20分
公式サイト→公益財団法人 正木美術館 (masaki-art-museum.jp)

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