【国宝探訪】本阿弥光悦の大宇宙展@東京国立博物館
見ていない国宝の短刀が展示されるということで、東京国立博物館の「本阿弥光悦の大宇宙」展を見に行ってきました。目的は短刀ですが、楽しみは国宝の舟橋蒔絵硯箱と通常展示されている長谷川等伯の松林図屏風でした。国宝を1000件以上見ていて、好きな国宝を挙げるとすれば、この2件はベスト10に入りますね。好きな国宝が東京の博物館でそれなりの頻度で見られるというのは幸せなことです。
10時前に到着して、まずは、混まないうちに松林図屛風を見に本館へ。しかし、入り口に長蛇の列が。本館に入るのに列があるなんて見たことがありません。どういうこと?
本館で開催されている中尊寺金色堂展の列でした。金色堂が無いのにこんなに人気なの?でも、考えてみれば、世田谷美術館で平泉展が開催されたときは行ったわ。などと列を横目に2階の松林図屛風が展示されている部屋に向かいました。
松林図屏風だけで1部屋使うという贅沢な空間でしたが、見ている人は多くて10人程度。毎度のことですが、特別展で展示されると混雑必至なのに、通常展示だとなんでこんなに空いてるんでしょうかね?通常展は広告を出さないので、展示されていることに気づいてないんだろうな、もったいない。おかげで、じっくり見られるんですけどね。
平成館の2階の「本阿弥光悦の大宇宙」展は、予想以上に来場者が少なくて、快適に観られました。特別展は開館と同時にシニア世代が押し寄せるものですが、ラインナップを見て、これはテレビで取り上げられない限り、そんなに混まないだろうと思っていたんですよね。なので、午前中に行ったのですが、正解でした。
展示の方は通常は1部屋として使う空間を丸々映像を流す部屋にしていて、平成館を使うにしては展示数が少なかったかなと。中尊寺金色堂展もそうらしいのですが、最近の展示は映像に頼る部分が大きいようで、私としては映像を見るために行ってるんじゃないんだけど、という感じです。
あと、入っていきなり舟橋蒔絵硯箱が展示されているんですが、解説が少なすぎました。通常展示のときの解説の方が丁寧だったような気が。みんな知ってるからあえてなのか、解説はガイドを借りてということなのか。あのこんもりと盛り上がったフォルムがメインなので、蓋を開けて中を見せるというわけにはいかないのでしょうが、内側とか蓋の裏の画像も欲しかったな。
光悦は書、陶芸、漆工の分野で優品をいくつも残していて、舟橋蒔絵硯箱と白楽茶碗が国宝に指定されています。異なる分野で国宝に指定されているのがすごいですね。
今回は国宝の白楽茶碗は展示されていませんでしたが、展示されていた光悦の楽茶碗はどれも素晴らしく、茶碗のコーナーが一番よかったです。
光悦の書も数多く展示されていました。字そのものも美しかったですが、散らし書きのデザイン性が素晴らしかったです。本当に光悦は多才ですね。
目的の短刀は代々刀剣鑑定を行ってきた本阿弥家に伝わるもので、展示されたという情報が調べても出てこないものでした。この短刀が展示されるときがやってくるとは思っていませんでしたので、ありがたかったです。
今年も幸先よく国宝探訪を始められました。
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