【全中学】四字熟語【頻出の出題条件】

中学受験　国語工房

2024年7月19日 14:23

中学入試で出る四字熟語

世の中に存在する四字熟語は限りがありません。なぜなら、四字熟語は「二字＋二字」の型で簡単に成立するからです。身の回りにあることばだけでも、数多くの四字熟語を思いつきますね。

しかしその一方で、中学入試に出題される四字熟語は範囲が決まっています。もっと言えば「出るもの」と「出ないもの」が決まっています。
国語工房では、その中でも特にねらわれて出題されやすい４つの条件を満たした四字熟語をとりあげています。

特にねらわれる４つの条件

１、四字のなかに、別の字を書きそうになるものが入っている

例
問題
イクドウオン
ゴンゴドウダン
セイテンハクジツ
コウトウシモン

解答
イクドウオン⇒異口同音
ゴンゴドウダン⇒言語道断
セイテンハクジツ⇒青天白日
コウトウシモン⇒口頭試問

正しい表記がわかりましたか？

イクドウオンを「異句同音」
ゴンゴドウダンを「言語同断」
セイテンハクジツを「晴天白日」
コウトウシモンを「口答試問」

と書き間違える子が非常に多いんです。

２、四字のなかに、対義(反対)の組み合わせが入っている

例
朝令暮改(朝と、暮れ)
晴耕雨読(晴れと、雨)
同工異曲(同じと、異なる)
七転八起(転ぶと、起きる)

３、四字のなかに、同じ字が入っている

例
一世一代
自画自賛
以心伝心
右往左往
相思相愛

などなど

とくに
一〇一〇型（一挙一動、一進一退、一国一城etc）
自〇自〇型（自業自得、自由自在、自作自演etc）
は複数存在するため、もっともねらわれやすい。

４、四字のなかに、数字が入っている

一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、百、千、万
を使った四字熟語

例
一石二鳥
二束三文
三寒四温
四分五裂
五臓六腑
七転八起
十中八九
百鬼夜行
千客万来

などなど

出題パターン

主に空所補充・書き取り・読み取り・誤字訂正が出題される。

・空所補充
①■人■脚　二人三脚
②■分■裂　四分五裂
③絶■絶■　絶体絶命

④ブームが過ぎ去ったのに売りに出しても、二■三■の額にしかならない。二束三文
⑤作曲家は、新しい楽曲を産み出すまで■転■倒の苦しみがあるという。七転八倒
⑥テレビの放送で絶賛されたその店は、いまや■客■来だ。千客万来

・書き取り
①セングンバンバ　⇒　千軍万馬
②フワライドウ　⇒　付(附)和雷同
③シツウハッタツ　⇒　四通八達
④ハンシンハンギ　⇒　半信半疑
⑤ショシンヒョウメイ　⇒　所信表明

・読み取り
①一言居士　⇒　イチゲンコジ
②人事不省　⇒　ジンジフセイ
③千変万化　⇒　センペンバンカ
④岡目八目　⇒　オカメハチモク
⑤悪口雑言　⇒　アッコウゾウゴン

・誤字訂正
①誠信誠意　⇒　誠心誠意
②不要不休　⇒　不要不急
③異句同音　⇒　異口同音
④三味一体　⇒　三位一体
⑤意味深重　⇒　意味深長

※上記１～４を複数備えた四字熟語は特注

１～４の条件を複数を満たす場合は、出題者も作りやすい、という視点で考えましょう。
例
・朝三暮四(対義、数字)
・半信半疑(別字を書くおそれ、同字、対義)
・不要不急(同字、別字を書くおそれ)
などなど

記号選択について

記号選択にかぎり、未修字も出題される可能性があります。
たとえば、隔靴搔痒(かっかそうよう)は、小学生が習わない漢字で構成されていますが、「靴を隔てて痒いところを掻く」（思いきりかきむしりたいが、靴の上からでは気持ちよく搔くことができない）ということから、「もどかしい、はがゆい、じれったい」などの和語と結び付ける問題が作れます。ふだんから「四字熟語＝和語、ことわざ、慣用句etc」は練習しておきましょう。