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ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2023(FUJI)

2023年4月21日から開催されたULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2023(FUJI:100mile)に参戦しました。フルマラソンシーズン明けということもあり、トレイルの適応不足や故障などを抱えながら走りましたので気付いた点について忘れる前に振り返りしようと思います。

コースプロファイル

距離:164.7 km
累積標高 +6451m/-6493m

https://www.ultratrailmtfuji.com/wp-content/uploads/common/images/racers/course/coursemap_overall2023_FUJI.pdf
garmin fenix7x のレースログ


目標

25時間台 総合50位
サポーター2名と打合せする際に、万全な状態ではないが過去の大会記録を参考にして狙えそうな目標を設定した。

リザルト

タイム 25時間24分21秒
総合順位 37位
男子順位 36位
年代別(40歳代) 7位

レース経過

エイド出る度にリーダーボードを確認して、トップ争いの状況、知り合いが上位にいるのか、100位のタイムから自分の順位が大体どのあたりなのかを把握していた。

応援ナビとリーダーボードで作成。順位とタイム。リーダーボードは100位以内しかわからないため、100位圏外のときには100位のタイムを意識していたため100位とのタイム差も作成した。また、一部、リーダーボードのデータがおかしいためINとOUTで正しそうなデータを採用した。

前日までのトレーニング

7日前 なし
6日前 なし
5日前 かすみがうらマラソン (FULL) 3:17:22
4日前 なし
3日前 なし
2日前 なし
前日  なし

先月の神宮外苑24時間チャレンジ後から左アキレス腱痛と右足首痛が少し残っていたが、かすみがうらマラソンで悪化し最近でのワースト記録を作ってしまうような状態に。かすみがうらマラソン後はFUJIまで走らない方がよいと周囲のアドバイスを受けて回復させることに専念していた。そのため、かすみがうらマラソン以降は休足期間とした。

月間のトレーニング状況

月間走行距離

月間走行距離:1月はJT200があったため551km走っているが平均では350km前後くらいしか走っていない。

月間累積標高

月間累積標高:11月まではトレイルレースで累積標高を稼いでいたが、フルマラソンシーズンになると1000-2000mくらいしか垂直方向のトレーニングを積めていなかった。

主な装備品

  • ウェア:nikuyomeノースリーブ(F7山中湖以降:サロモンの半袖)

  • パンツ:インナーファクト変態パンツ

  • タイツ:answer4

  • ソックス:インナーファクトラウンド型

  • シューズ:アシックス FUJI LITE2(F4精進湖以降:HOKAスピードゴート3)

  • ザック:サロモン ADV Skin 10L

  • レインウェア上:MAMMUT レインスピードウルトラライトHS

  • レインウェア下:サロモン BONATTI WP PANT

  • ライト:レッドレンザーH8R、レッドレンザーMT10

補給物

給補タイミング

45分毎に摂取

ザックに入れたもの

  • アスリチューン(黒、白、金)
    → F3以降は使用せず

  • スポーツ羊羹(あずき、チョコ)
    → F3以降は使用せず

  • カロリーメイト(バニラ、メープル)
    → F9前で1つ摂取したのみ

  • すあま(サポートエリアで補充)
    → これがメインで1時間おきくらいで1つ(約80kcal)摂取していた

サポートエリアで補給(オフィシャルエイド以外)

  • レッドブル:F2、F4、F5で1缶

  • 豆乳:F4、F5

  • おにぎり(赤飯):F2、F4、F5

  • バウムクーヘン:F7

  • 塩タブ:?(2粒くらい摂取)

  • カップ麺(シーフードヌードル:F5、赤いきつね:F7)

F7山中湖きららでの最終サポート

レース後の状態・回復

  • ゴール直後(4/22)
    ゴール後は普通に歩けていたがビール飲んだり、少し座っていたら大腿四頭筋の痛みが強くなり始めた。後泊の宿でお風呂に入るが筋肉痛が増してきているのを実感した。その後、打ち上げで居酒屋に行くまでは速く歩くことができない状態となった。
    ちなみに夜食にとコンビニでカップ焼きそばとアルコール2缶を購入したが、カップ焼きそばにお湯を入れたまま寝落ちしていまい、2時間後に起きたときには麺は伸びきっていた(けど食べた)。筋肉の痛みもあり、購入したアルコールを飲んで寝るくらいの元気はあった。

  • 翌日(4/23)
    筋肉痛、特に大腿四頭筋がひどく前日同様な痛み。神社を参拝するも階段を下りたり、下り坂はキツイ。エレベーターがあれば使用するレベル。

  • 2日後
    仕事のため出勤。階段の登りはなんとか上がれるけど、降りるのは1歩ずつ時間がかかる。エレベーターを使うほどではない。

  • 4日後
    筋肉痛は軽度で軽く走れるくらいまで回復した。階段の下りは少し痛みがある程度。

反省点

  • トレイルの適応不足
    F1までのプチ渋滞で焦って、天子山地の登りの出力を上げ過ぎた
    トレイルや垂直方向のトレーニングができていないから出力上げることは潰れるリスクでしかなかった
    もし4月のトレイルレースを本命とするなら2月にフルマラソンの本命レースを設定した方が、準備期間は設けられると思った
    3月に神宮外苑24hが開催されたことが誤算だったけれど…

  • エイドでの水分摂取不足
    尿の色を確認して脱水の有無を早期に判別していればよかった

  • シューズ選択
    足底痛もリスクにあったため最初からスピードゴートでもよかったかもしれない。シューズを変更してから調子が上がったのも厚底シューズの恩恵だった可能性もある

  • 補給食
    カロリーメイトは水分を摂るため暑いレースでは向かないかもしれない(ドロップバッグなどで補給はあり)

  • サプリメント
    レース前にサプリメントを用意しようと思っていたのに忘れていた。準備リストに加える

  • 日焼け止め
    日焼け止めリップクリームを忘れた。準備リストに加える

良かった点

  • ナイトトレイル対策
    ライトは2灯(ヘッドライト、ハンドライト)にしたことで夜間のトレイルでもスピードを維持できた

  • 補給食
    ほぼ”すあま”で走ることができた。潰れたときにはエイドでのエネルギー補給を長時間かけることもプラスになった。

  • レースのリズムをつくる
    調子が悪い・疲労がたまってきたときには動きの良い選手、リズムが合う選手がいたら後ろについて走ることでリズムを取り戻し、スタミナ温存にも有効であった

  • 故障部位の補強
    今までレースではあまりテーピングで固定することはしなかったが、故障していたアキレス腱と足首はテーピングで少し固定しておくだけで悪化することはなかった(安心感があった)

  • 塩分補給
    暑いときのレースのドリンクは水をメインにして、適宜塩タブなどで摂取した方が自分には合うと感じた(トップスピード ウルトラミネラルタブレットを使用したが合わなかった)

行動記録(前日からレース開始まで)

前日

昼まで勤務し、午後から電車で前日受付の富士急ハイランドへ向かう。しかし、前日の寝不足と車内でビール飲んだことが原因か大月を通りすぎてしまい1時間無駄にするというミス。
前日受付会場には16時前に到着したが、受付渋滞が発生していた。バスの予約時間があり、少し優先して受付することができたがエキスポをゆっくり見る時間はない。しかし、空腹がひどかったため”ほうとう”のみ食べて、バスに乗り込む。急いで乗り込んだが出発が30分以上遅れていたので慌てる必要性はまったくなかった。
前泊宿に到着し、準備をおこなった後に夕飯を求めて居酒屋に旅立った。翌日はレイトチェックアウトのためゆっくりであることから就寝したのは2時頃。

受付渋滞

レース当日

8時ころ起床する。サポーターたちが出発していることを確認して一安心した。シャトルバスが12時出発であるが、サポーターに荷物を早めに預けたいためシャトルバスには乗らずにサポーターたちの到着を待つことにした。
サポーターと合流し、昼食をとるため”さわやか”へ。
レース前にしっかりと250gの肉をがっついて摂取した。おかげでお腹がパンパンになっていた。腹が出ているのはさわやかの肉のせいだ。

さわやか げんこつハンバーグ(250g)


大会会場には12時40分頃到着した。車から降りて準備をしつつ、サポーターたちと簡単な打合せをおこなった。しかし、外は熱い。昨年もクソ暑かったことを思い出した。
大会会場の雰囲気はとても盛り上がっていて、フェスのようだ。フェス知らんけど。
会場では知り合いに何名か会うことができ、こぶやんも元気そうだし、Twitterでフォローされたばかりのお方にも声をかけていただいた。ただ、ツイッタラーはTwitterアカウントのアイコンをゼッケンに貼り付けておいてほしい。ただでさえ顔と名前を覚えられないのでアイコンだけでも…(願望)
スタート会場はとにかく暑くて直射日光がひどく、喉が乾くため日陰でサポーターたちと隠れていた。
スタート地点に移動したのが遅くなったので、ほぼ最後方の位置からスタートすることに。スタート時間までカウントダウンしていくけどまったく緊張はなかった。あまり身体の状態がよくないので完走できるか不安はあったが。で、あっという間にスタート時間がやってきたのでサポーターたちに挨拶をしてスタートした。

レースの備忘録(長文駄文です)

サポーターたちとの位置共有方法

応援ナビは当てにならないことは予想していたのでiphoneを探せでの位置情報共有をおこなったが、スマートフォンのバッテリー消費量がひどく、F2でこの方法は中止にし、シンプルにグループLINEを用いて到着前に連絡することにした。

スタートからF1富士宮

スタートが最後方であったことからスピードが遅い集団に巻き込まれる。けどあまり出力は上げずに抜けそうなところで自然に上げたスピードで抜かすようにしていた。心拍数はやや高めで気温の影響がありそうだった。心拍数を確認しながらオーバーペースにならないようにペースを調整していた。
見渡しのよい直線になると目の前には200人を超える選手の数が確認できる…。この後通過する送電線エリアでの渋滞を避けたいためこの位置でよいのか少し焦っていた。
少しだけ集団がバラけ始めたので少しずつ選手を追い抜いていく、少し先にチー100のYさんやHさんがいたのでこの集団くらいにいれば一安心だと思い、ペースを落ち着かせた。そしたらOSJ ONTAKE100mileチャンピオンのNさんがいて、声をかけられたので話しながら進めた。調子が良ければNさんを追いたい気持ちがあったのでとても良い機会ではあったのだけど、トイレに行きたくなってしまう。
少し進むとトイレを発見したのでNさんとお別れしてトイレへ。
どのくらいタイムロスしたのだろうか。足音だけでもかなりの人数に抜かれていたと思う。このタイムロスの影響で送電線エリアでのプチ渋滞に巻き込まれてしまい、思うようなペースで走れない…
これがストレスだったのでトイレはF1富士宮まで我慢すればよかったと後悔した。
時々発生するプチ渋滞を我慢し、F1富士宮へ進める。F1前でチームメイトでランカメで今回参加しているOさんを発見する。女子の上位を追いかけているようだ。Oさんの仕事を動画撮影しようとしたら転倒してしまったw怪我していなかったので助かった…
自分のペースで走れないので我慢しながらやっとF1富士宮に到着。天子山地に向けて、水を満タン(1L)にしてコーラを飲んで前半の難所である天子山地に挑んだ。

F1富士宮→F2麓

プチ渋滞で溜まったストレスのため少しペースを上げていた。先ほど前を走っていたHさんが見えたためペースをこれ以上ペースを上げる必要がないと考え、ペースを落とした。
天子山地への登りでは、ロードからトレイルに変わったことで足が元気になりスイスイ登れてしまう。たかが標高1000mアップくらいだから余裕だと甘く考えてしまい、足を使い過ぎてしまうことになるとは。急登になるとガクっとペースが落ちてしまい、このときは脱水もあり完全に潰れていた。選手にだいぶ抜かれてしまい、完走できるのか自信喪失していた。
熊森の下りでは2019のときに比べたら楽勝だと思っていたけれど、下りは得意ではないのでここでも選手に抜かれていく。
残り10kmでロードの下りとなるが、心拍数が高く、水もなくなりそうでペースを上げられない。股関節痛も少し出始めており、下りだけど走り続けることができず、歩きも加えながらF2へ進む。F2が近くなるとやっと水分を摂れると思って、少しだけ元気になる。平坦なロードでもまともに走れずDNFの3文字が頭をよぎる。予定ではF2の滞在時間は少しだけの予定だったがサポーターたちに少し長めに滞在することを連絡して、復活することに望みをかけることにした。
F2麓に着くとサポーターたちがちゃんといるか不安であったが、サポーターたちを確認できたときにはとても安心した。予定よりも1時間近く遅くなってしまったことでゴール予定も大幅に遅れることを考えてしまった。私が万が一さらに潰れて時間が遅くなった場合には先にホテルチェックインして休んでほしいなどと遅くゴールするのが前提の話ばかりしてネガティブな思考だった。あまり休んでいるとスタートしたくなくなるので、しょうがないからF3本栖湖へと進むことにした。

リコーダーパンダさん
ありがとう!

F2麓→F3本栖湖

少し長めに休憩したため足が重くなっていた。ここでTwitterを確認して少しやる気を補充した。

一方的なツイートでしたが多くのいいねやリプいただきありがとうございました。このときは復活するなんてまったく想像できないくらい潰れてました。

さて、この区間はトレイルまでは平坦なコースだけど、走り続けることができず走ったり歩いたりしていた。ここでも選手にだいぶ抜かれていた。
本栖湖が近くなってくると少しずつだけど足に力が入るようになった。後ろの選手との差が縮まらないようになり、スピードが上がってきたのが実感できる。この区間のトレイルは若干ガレていて石が多い。前回大会は足底痛がある状態で走ったが、この区間で足底痛が悪化してF3本栖湖でDNFした因縁の区間でもあった。シューズのFuji lite2は少し薄めのソールであるため足底へのダメージが少しあるけれど前年に比べたら問題なかった。しかし、少し足底痛の兆しが出始めてしまったので次のサポートエリア(F4精進湖)でシューズ交換しようと考えた。この区間最後のロードに出ると気持ちよく走れるまで回復しており、復活しそうな感触を得ていた。F3本栖湖に到着すると水を満タンにして、まんじゅうをいただきサポーターの待つF4精進湖に向かった。このときリーダーボードの100位の選手とのタイム差を確認していた。その差は18分差。F2麓を出るときより4分開いていた。

F3本栖湖→F4精進湖

F3を出てからだいぶ調子が戻ってきていた。登りで前のランナーを抜かせるくらいまで復活していた。抜かし始めるとリズムが良くなる。補給食はF3の前から”すあま”をメインにしていた。ジェルも摂取できるが甘いしベタつくし、ゴミも出るしめんどくさがりの自分にはジップロックに入れたすあまの方が食べやすいし、固形物の方が腹持ちがよくてパワーになる。
徐々にスピードが上がってきて前に見える選手を抜かしていると、1名だけ気持ちの良いリズムで走っている選手がいたため、その後ろを走らせていただき体力温存してF4精進湖まで向かうことにした。その選手は過去に何度もUTMFに参加しており、コースを熟知していたようなので走れる登りの区別ができていたためか非常に走りやすかった。F4精進湖に近づいたためサポーターたちに連絡したが、既読にならない。サポートエリアにいなければオフィシャルエイドで補給して走ればいいけど、一つ不安だったのはメイン補給食の”すあま”の補充とシューズ交換だけだった。F4精進湖に着き、サポートエリアに向かう。いないだろうなと思ったら、いた!!ただ、まだ準備途中であったけどw
必要最低限の補給をして、シューズ交換(HOKAスピードゴート3)した。椅子が準備できていなかったので選手エリアの椅子を使ってシューズを履き替えるなどタイムロスにはなっていたけどこのときは順位などは気にしていなかったし、完走するための確実なエイドワークをおこなっていた。
ただ、調子が上がってきたのでリーダーボードに名前が載るような順位(100位)まで上げたいなと欲が出ていた。F4精進湖を出るときには100位とのタイム差は14分。F3本栖湖より4分差を縮めていた。

F4精進湖→F5富士急ハイランド

エイド出てから7kmくらいはロード。ロードは得意だけどスピードが上がらない。登り基調で6'30"/kmくらいでしか走れない。ときどき歩きながら走る。前との選手の差はそんなに縮まらず、むしろ抜かされてしまう。
トレイルに入るとペースが上がった。登りの歩きでも前との差がみるみるうちに縮まり、調子が上がってきた。途中、見えなくなっていたHさんを捉えた。確かHさんはF4で100位前後だったためこの辺りで100位くらいまで上がったと確信する。この後、NTRくんが歩いていたり、パノラマ台からの下りもスピードが上げられ、F5富士急ハイランドへのロードも気持ちよく走れるまで復活していた。途中、プチロストをしてしまったけど、時計に地図を入れていたおかげで大きなタイムロスにはならなかった。気持ちよく走れるようになるとあっという間にエイドに着くようになる。F5富士急ハイランドに着き、リーダーボードを確認すると82位まで上がっていた。ここでの補給ではカップ麺を食べ、F6忍野へ向けて走り始めた。だいぶ明るくなり始めておりさらに調子が上がることを期待した。

F5富士急ハイランド→F6忍野

この区間の序盤はロードとトレイルが交互になっており気持ちよく走れる。明るくなり足元を照らす必要がなくなったのでライトを消す。明るいうちにゴールできそうだからもう使用することはないと考えた。
この区間で何名か選手を抜かすが1名だけは登りでも離れずそんなに差が広がらない選手がいた。ゼッケン番号は2桁中盤の選手。そもそもゼッケン番号の2桁の意味を知らなくて、その選手にゼッケン番号100以下は前回大会の順位であることを教えていただいたw
この区間はロードが多く、あまりペースは上げないようにしてF7山中湖以降でのスタミナ温存していくことにした。F6忍野に到着し、バナナと水を補給してすぐにスタートした。

F6忍野→F7山中湖きらら

この区間の序盤は平坦な砂利道でまっすぐなコースであるためメンタルがやられてときどき歩くようになる。そしたらちょうどチームメイトがカメラで撮影していただき元気をもらった。
トレイルに入ると登りは走らずパワーウォークでスタミナ温存する。この登りも結構長く斜度がきついパートもあるため早くピークに到達しないかなと思いながら進める。ピークを越えてしまえば下るだけだと思ったらもう一度登り始めてメンタル凹んだ。
この区間はあまり印象に残っていない区間だった。
F7山中湖きららに着くと豚汁をいただいてサポートエリアに向かう。
ちょうどカップ麺(赤いきつね)が出来上がったようだ。豚汁をいただいてカップ麺を食べる。このエイドでは大休憩する予定だったためおにぎりやバウムクーヘン、フルーツなどエネルギー摂取を多めにした。滞在時間は20分弱くらいいたと思う。
この間に何名かの選手に抜かされたけど、F7以降は走れるパートが少ないので焦る必要がまったくなかった。この後は自分のペースで進めて、最高地点の杓子山を目指す。それ以降は惰性でゴールしようと考えていた。走れないところは寒くなると予想したため、半袖に着替えてアームカバーを装着してスタートした。

メンタルやられる道

F7山中湖きらら→F8二十曲峠

すぐに登りになるが野焼きされていたため見渡しがよい。ただ、エイドで休んで冷えてしまったため寒く感じる。シェルを着るが斜度がきついところでは暑くなってしまったためすぐに脱いでしまった。
2019のUTMFでは降雪のためにコース短縮となり二十曲峠前の山伏峠で終了してしまった。そのため二十曲峠までの距離感は未知数でもあり、140km走ってきて杓子山を登れるのかどうか未知の領域であった。
とにかくF8二十曲峠までが長く感じた。ロード区間がないため進むスピードが遅くなかなか辿りつけない。そして暑くて汗の量が増えてしまい、スピードが上げられない。おそらく脱水だったと思う。そんなときに女子の3位に抜かれるなどペースがだいぶ落ちていた。
F8二十曲峠が見えたときには安心してわずかに残っていた水をすべて飲み干すくらい嬉しかった。水を補給できる喜びだけでなく、2019大会では辿りつけなかった地点に到達した喜びもあったと思う。
水を大量に飲むことは今回のレースではやらなかったが、脱水がひどいと感じていたため水分を大量摂取することのデメリットを理解した上で1Lくらい冷たい水をガブ飲みした。これが意外とよい判断だった。

杓子山

F8二十曲峠→F9富士吉田

杓子山まではひたすら登り基調。仲間たちからは疲労した身体で杓子山はキツイと聞いていたので、パワーウォークで登っていく。先ほど大量に水を飲んだことで汗が出るが、喉の渇きがほとんどなくなった。かなり脱水だったのかもしれない。登りで暑いが水の摂取量は少なく登ることができていた。
問題の岩場の鎖場に到着するとロープを使って腕の力で登り、足を温存させた。岩場も登りきり、杓子山の向かうだけ!と思ったけど、この道のりが意外と長かった。応援の方が杓子山までもう少し!と言われたけれどなかなかたどり着かない。おそるべし杓子山と思っていたらあっけなく着いてしまった。杓子山にはクロ姐がボラでいたので元気をいただいた。鐘を鳴らして、苦手な下りへ。
「急な下りは450mですよ」とか、結構下ったのに、「まだキツイ下りは500mくらいあるよ」と言われたり、下り苦手な自分にはメンタルボロボロになった。
林道の下りも得意ではなくひたすら我慢して走った。ここでふと気が付いた。杓子山ばかり考えていたら補給食摂ることを忘れていたw
このとき、カロリーメイトを食べてみよう!と初めて考えた。スタートからずっと持っていたカロリーメイト(バニラ味)の初出番である。食べると、「うまい!」。カロリーメイトがこんなに美味しいものだったなんて…。バニラ味は好きだったけど、一瞬で食べきってしまった。なぜもっと早く食べなかったんだろうと後悔した。多分、暑くて水分足らないし、カロリーメイトは口の中の水分取られるし、食べた後に水分飲まないといけないし、暑いときには不向きかもしれない。とカロリーメイトの余韻に浸っているうちにF9富士吉田に到着した。ここでは吉田うどんが食べられる。このためにここまで走ってきたと言っても過言ではない(大袈裟)。吉田うどんは普通の量を頼み、七味唐辛子をかけて食べる。もう少しカロリー摂取したいのでおにぎりとコーラも摂取した。あとはゴールへ向かうだけ。霜山なんて余裕だと強気でこのときはいた。長い時間滞在してしまったのでゴールに向けて進むことにした。

吉田うどん

F9富士吉田→FINISH(富士急ハイランド)

走る前に吉田うどんの写真をツイートし、さて出発するかと思ったらどこからか自分を呼ぶ声が聞こえる。
ボラのキレイなお姉さんが「コクさんですか?」と言っている。見たこともない方だし、私をコクと呼ぶのはTwitterだけでなくリアルな人たちにも呼ばれているので顔と名前が一致できない私にとって頭をフル回転しても疲れているし全然わからない。そして2名の見たことのない男性も私のことを知っている感じで声をかけてくる。この3名は何者だ!?と頭の中で混乱しているが、誰だかわからないままスタートしてしまう(人見知りでもある)。
スタートしてから、ハッと気付く。あのお姉さんはもしかしたらうずらさんだ!そしたらあの2名はもしかして。
先ほどの吉田うどんのツイートにうずらさんがすぐにリプくれていて、やはりうずらさんだったことが判明。それならもう少しゆっくり滞在すればよかったぁ…
てことは残りの2名の男性は…と思ったらやっぱりしいたけ先生ともりもり先生であの場でもう少し滞在すればよかったとめちゃくちゃ後悔…
早く気付かずごめんなさい。

話をレースに戻して、ラスボスの霜山まではロード。歩道橋渡されたり、疲労がたまった足にはロードでもなかなかキツイ。古い団地が見え、やっと霜山の入り口に辿り着いた。あのゲートはラスボスへの扉に見える。ここからはピークまで600mくらいひたすら上る。冷たい風も感じなく、めちゃくちゃ蒸し暑い。ここで先ほどのエイドで失敗したことに気づく。F8二十曲峠のように水分を多めに摂取しておくはずがコーラしか飲んでいない。むしろうどんの汁で喉が渇いている。
フラスクには水満タンにしているが蒸し暑くて飲水量が増えている。なので平坦に近い登りは走ろうと思っていたが、”霜山は全歩き”することにした。
暑いし、パワーウォークのペースが上がらない。
高身長のイケメソな選手に抜かれる。足が長くて細くてうらやましく思った。下りでこの方と話したけど初めての100mileだったようだ。すげえな。
やっとピークに辿り着き、あとは下りだ!と思ってペースを上げる。時計を見ると25時間中盤くらいでゴールできると確信する。目標タイム通りなので少しでも早くゴールしようと気持ちを切り替える。ずっと下りだと思っていたら少しだけ登りもあり気持ちが切れかかるも、ゴールに向けて足が動く。ロードに出るとやはり暑い。富士急ハイランドの入り口付近に来た時にコースがわからなくなり焦ったけどとりあえず前日受付の方に向かえばいいやと思って走るとコースだったようで一安心。暑くて残り1kmくらいが長く感じたけどゴールが見えてきたときには2019と2021大会の悔しかった気持ちを思い出し、やっとUTMF卒業できる喜びしかなかった。ゴール前の応援の方は少なかったけどJRさんのチームや同年代スターの小原さんとタッチをしながらゴールへ向かう。ゴールテープ切るときはなぜか恥ずかしさもあったような気がしたけど安堵していてあまり記憶がないw
フィニッシャーベストを受け取った。2019はUTMFを完走できずにフィニッシャーベストを貰ったためあまりうれしい気持ちではなかったけど完走してもらうフィニッシャーベストはやはり印象がまったく違った。
ゴールにはサポーターたちも来ていて、直後にビールで乾杯する元気も残っておりとても充実したレースとなった。

メルカリには出品してませんよw

御礼

5日前のかすみがうらマラソンでボロボロ状態になり、FUJIへのアドバイスいただいた皆様に感謝いたします。
正直にいうと、もっと万全な状態でレースして上位を狙いたかった気持ちもありますが、レースの疲労が抜けず故障を抱えた今の身体の状態ではベストを尽くせたと思います。
また、周回コースは得意だけど1wayの100mileレースは完走したことがなく、潰れたときにはDNFすることが頭によぎっていて一人で走っていたら復活を待たずにDNFしていたかもしれません。
サポーターたちがいたおかげで復活できたと思うし、今回掲げた目標タイムにも挑戦することができました。

これにて2019の大きな宿題であった旧UTMFは卒業することができました。
かおりん
シビたん
仕事を休んでこんな自分のために長時間サポートいただきありがとうございました!!

チームコク

おしまい(長文駄文でごめんなさい)



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