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ライターのクリエポ出展記録(事前調査と試算編)

いきなり出展を決められる額じゃない


「クリエイターEXPOって知ってます?」
……と、在宅ワーカーが集まる通話アプリで聞かれたのが、ことの発端です。

私はロボットスタートアップとフリーライターの二足の草鞋ワーカーです。どちらの仕事も基本的には自宅の書斎でするため、時々人と話さないと思考が詰まってしまいがちで、そういうときに通話アプリは助かります。
平日昼間に信用できる同業者と通話をつなぎ、作業したり唸ったり、相談をしあったり。友人から始まる横の連携がとても心強い。クリエポ出展も、そんな雑談の中でふと聞いたのがきっかけでした。

教えてくれたイラストレーターの友人いわく

  • 出展費用がエグい

  • 作家ではなく、ビジネスクリエイター向け

  • 法人向けの硬い仕事に強い

  • 一度の出展で一年分の仕事を獲得する人もいるらしい

……とのこと。
その友人も参考書や実用書の挿絵を作るビジネス志向のクリエイターで、都内在住の私が何か知らないかを聞きたかったのだそうです。ゴメン全然知らなかった。

ただ、私も常から新規開拓の難しさは感じていました。華やかなタレント業とは異なるビジネスライターなので、最も信用できる「お客さまからの紹介」でお仕事をいただいているものの(ありがたい限りです)広く知ってもらえる機会はなかなかありませんので。
そこのブレイクスルーが望めるなら挑戦してみようかな!?  と思って出展費用を調べ、「赤ブーなら6500円じゃん!?」みたいなことを叫んだのも良い思い出です。

ヒアリングとワーストケースの想定

もしかして私が知らなかっただけか? と思ってフリーランス仲間に聞いてみたところ、反応は様々でした。

  • 聞いたことない、金ドブでは?

  • 名前は知っているが出展費用が高すぎてムリ

  • そこで本当に仕事がとれるの?

  • 動画やアート系特化じゃないの?

だ・よ・ねーーーー私もそう思うーーーー!

実際にライターの出展枠は絶滅危惧種並の少なさで、その中でもチームや編集プロダクションの出展があるため、個人で出展している人はマジでレア種のようです。
でも、その費用を出す個人がいるってことは、絶対何かがあるはずなんです。
ただ怖いのは、本当に企業との商談会として機能していない場合です。ワーストケースとして想定したのは、以下のような状況でした。

  • 専門学校のカリキュラムに「出展」があるなど、出展が目的化している

  • 上記のような若手の就活/青田刈りの場所になっている

  • いわゆる「いつメン」の同窓会

  • プロダクションの売り込み場

とりあえずやってみるかで個人が出て、上記のような環境で場違いな三日間を過ごすことになったら目もあてられません。「いやあ失敗失敗⭐︎」で済む額じゃないです……
幸い都内在住でビッグサイトが近いため、一度どんな感じが見てみるかー!
というつもりで、2023年12月開催に行ってみました。

なるほど、これは商談の場だ

どんな人が出展しているのか、どんな人が来るのか、本当に仕事が取れる場なのか。
20万の出展費用を支出する価値のある場所なのか。
その価値があるのだとしたらどうすれば価値を最大化できるか。
出展してる人たちの年齢や性別、キャリアの雰囲気はどうか。
出展するとしたら、どんな装飾がよさそうか。
ついでに言えばたいへんお行儀の悪い考えも浮かんでいました。出展しなくても逆営業で仕事取れないかなあ……

どんな人が出展していたか

  • イラストレーターが多い!

  • 見たことあるイラストがある

  • 見たことある名前の人がいる!

  • ちゃんとクライアントワークやってる人がほとんど

  • ベテラン層も多い

おお! ペイウォールの高さは質の高さ!!!
が、第一印象でした。特に景気が良さそうだったのが映像系にいた事業者さんで、いわく「前回すごい売り上げがあったから、今回は2ブース連結で出展した。ここで一年分の受注を目指している」とのこと。

どんな人が来場していたか

同人開催のコンテンツやライセンスのビジネスに関連する商談会に出展・参加する人が見に来ている様子です。
さすがにブース張り付きで盗み聞きはできないので具体的な商談が進むかは未知かな……少なくとも徒手空拳で飛び込み営業するよりは、ずっと確度が高そうです。
ただ、若い女性のブースにはお金なさそうなダル絡みおじさんが時々いる様子です。本当にどこにでも湧くよねあの手合い。すげえ迷惑。

また、先輩出展者の方に(失礼を承知で)「実は出展を検討しているのだけれど、ポンと出せる額じゃないから見にきたんです」という話をふったところ
「分かりますよ!!!!」「私もそうでした!」
みたいな反応をいただけて、世間の優しさに感謝しました……。

どんな装飾が良さそうか

ざっと見てまわり、「これはちゃんとビジネスの話ができる、私にとって価値のある場所だ」と判断して以降は見て盗むのターンに入りました。
人を惹きつける装飾、何だかイマイチ分からない装飾、メッセージはどこに置けばいいか、私だったら自分の強みをどう生かすか、などなど。

費用については相談に乗っていただいた先輩に「助成金を出している自治体がある」と聞いて俄然やる気が出てしまい

えぇい経費で一括償却の範囲内だ!!エェイ!!!!!!

のメンタリティで、その日のうちに申し込みを済ませました。支払いを済ませてからずうっとガクガクしています……

逆営業もしてみた

まあ一応はね……の思いで、同日開催の展示会に出展している企業ブースに売り込みも。
まあ先方も「そういう人」には慣れてる様子で対応していただきました。明確なお誘いであったのは「お前もプロダクション所属にならないか?」くらいかな……まあ当たり前に、出展してない人に仕事頼みたくはないですよね。私もそう思う。

……というわけで、出展を決意。
この聳え立つペイウォールを越えた者にのみ見える景色を目指すことにしました。

試算の考え方

前回書いた通り、出展小間料と紙もの、什器なんかの調達費用を合わせると、どれだけ抑えても25万円くらいはかかります。
つまり、年1回の出展だとすると、1ヶ月あたり2万円強……こう見ると安い気がしてきます。でも現実問題として怖いのは手元の現金なので全然安くないです……

冊子が必要な方であれば+10万円くらい、映像系の方は+50万円もあるかも。

それだけの額を出して仕事を取りに行くのであれば、そりゃあ最低でも出展費用分、できれば出展費用の数倍は(潜在的にでも)受注したいもの。
自分の単価もしっかり定めて(これがまた怖いんだよねえ)、最低でもペイできるように動いているところです。

よろしければ下記から招待状を取って、弊ブースに来てください。
招待券発行はこちらから(主催の入場バッジ登録サイトに飛びます)

次回更新はクリエポ開催後の予定。具体的な出展レポを公開します。

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