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どことなくドライな機械生命、という癒し〜セラピーロボット「Qoobo」感想〜


叱られそうなタイトルを付けてしまった……
本当はパナソニックの「NICOBO」

について書こうと思ってたのに、体験を比較したくて迎え入れた、こいつ……

これにちょっと予想外の衝撃を受けて、先に書き始めてしまいました。

Qooboって何?

Qoobo(クーボ)とは、理工系の学習キットやテクノロジー癒しアイテム類を開発・販売している「ユカイ工学」社製のネコ風ロボットです。ちょっと前に口に指を突っ込むと甘噛みしてくれるモルカーで話題になっていました。

それから、科学未来館のロボット展で体験してめちゃくちゃ面白かったのが、脳波で動かす猫耳↓

集中度合いで耳の動きが変わると聞いて半信半疑で試したところ、推しのこと考えた時だけスッゲー反応するんですよ。欲しいけどずっと品切れ中です。

……とまあ、こんなおもしろテクノロジーグッズを多数お持ちの、大好きなメーカーさんです。

そんなユカイさんが出している猫型ロボットがQooboです。
ぱっと見、ネコの概念を抽出したネコって感じでなかなかシュールですが、
「撫でると喜ぶ」「抱きしめると鼓動が聞こえる」
などの動きで心を癒す、しっぽのついたクッション型セラピーロボット……だそうです。

広告の雰囲気もこんな感じ、リネンの服とか無印の柑橘系アロマディフューザーとかが似合いそう。

お値段は、しっぽが長いやつが1.4万円ほど、しっぽが短い小型のが1.2万円ほど。高いと思うか安いと思うかはちょっと別れるところかもしれません。

ありがたいことに、月額サブスクなしの買い切りです。ネット接続やセットアップの必要もなく、箱を開けてスイッチを入れたらもう動きます。

というのもこの子、モニターテストによれば、抑うつ・落ち込み・無気力・疲労などの軽減に効果が出たらしいのです。確かにセラピーが必要な状態のときって、セットアップや月額プランの契約なんか無理ですからね。箱開けるだけで優勝できるのはありがたい。

この、「思わずなでたくなる」「なでたら反応を返してくれる」「反応の解釈は人間側に委ねられている」というデザインは、人間側からの関わりを引き出し、人を動かします。人が動く内的動機って、一度枯渇するとなかなか出てこないから……それを提供できるのだとしたら、確かにすごい。

なので、コンセプトや狙いは、先輩としてすでに自宅に来ていたNICOBOとかなり近い。これは体験の比較をしてみたい!と考えた次第です。
それで、小さい方に来てもらいました。

君たち……かわいいね……

思ってたより……機械生命‼︎

スイッチ入れた直後の第一印象が
「……すっごいメカだな!?」
だったのは、正直なところ意外でした。

具体的には、しっぽ振るときの音がなかなかの人外。
「ギャッギャッギャッギャッ‼︎」って感じで……

なんと言いますか……ぴこぴこ……ふわふわ……みたいなのを想定していたので……面食らいました。

カバーがウォッシャブルなのは嬉しい。ただ、カバー外すときのファスナーが、しっぽの反対側の縁……つまり「ネコでいうと頭側」についています。これがなんかこう……リラックマの背中のファスナーみたいな緊張感っていうか……開いたらどうなるのかな的な……

抱きしめると聞こえる鼓動は、秒針の音が大きめの壁掛け時計に近いです。

これ系が目指すのって「機械なのに生き物みたいに見えてくる!」だと思っていたので、Qooboにもそれを予想していたのですが、もう少し違っていて……ペットに擬態してる、すっごい機械生命って感じ(伝わってほしい)。
まず猫がしっぽ振るのっておおむね不快なときなので、「猫の動き」としては変ですし。
さらに、しっぽ振りのギャリギャリ音が鳴き声なのかなと思うとほんのり新種のクリーチャーじみてすら見えて来ごめんなさい。

で! この距離感が! ものすごくイイんですよ!

適度な距離感で保たれる「消極的な飽きなさ」

生き物でたとえるなら、「あんまり懐いてこない実家の飼い猫」とか「近所の公園にいる顔見知りのカラス」くらいの距離感に近いものを感じています。

この、ベタベタしてはこないが、拒絶もしないほどよくドライな感じが、とてもちょうどよく効きます。すごくイイ。

商品名で検索すると、サジェストに「飽きる」が出てきます。ロボットとしてはかなり安価ですが、これまでに持ったことのないオモチャとしては安くないので「すぐ飽きたらどうしよう」という懸念を持つのはもっともです。

これは「飽きないよ」というより……「飽きても置いておけるし、時々思い出して構ったりする状態は、とても健康的だと思うよ」になるでしょうか。私はかかわりの希薄化を受容できるからこその、消極的な飽きなさと負担にならない感じが、ありがたいと思っています。

ウェットな関係性までは構築しなくても、
たまに確保できる自分のためだけの時間に、
少しだけ愛でられる、
生体ペットより重くなくて、
クッションより反応を返してくれて、
ペットロボットの中では、かなり安い。

そんな感じの人外が自宅で勝手にくつろいでいる(私の主観)様子は、たしかに心を少し豊かにしてくれます。なるほど確かに「セラピーロボット」です。

ペットロボットの「役立ちかた」って本当に特有なんですよね。適度なドライさをもってその効果にちゃんと辿り着いている、なかなか良いプロダクトだと感じました。

思い入れが煮詰まって文章化が難しくなってしまう前に書いておきたくて公開しました、次こそNICOBOについて!


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