変性意識状態になる条件

(読了目安9分)


世の中には、以下のような不思議な体験をしている人がいます。


「神からのメッセージを受け取った」

「宇宙と一体化した」

「守護霊が語りかけてきた」

「先祖からのメッセージを聞いた」




これらの人たちは、「変性意識状態」になり、通常とは違う脳の状態になった結果、そう感じている場合がほとんどです。


以前「光の体験について」で書いたように、「変性意識状態」は誰でも体験する可能性があります。
みなさんもそのときに備え、冷静な判断ができるように準備しておきましょう。


・・・


「変性意識状態」と言っても、意識がもうろうとしている状態だけでなく、はっきりとした幻覚や幻聴を感じたり、幽体離脱状態を体験したり、さらに以前書いた金縛り状態も含め、いろいろな状態があります。


20 世紀半ばには、右側頭葉の「シルビウス裂」という場所を電気的に刺激することで、音や光の体験、幽体離脱体験ができることが解明されました。


しかし、手術などをせず、普段の生活の中で直接シルビウス裂を刺激する方法は、まだ確立されていません。
変性意識状態は、概して「素晴らしい体験」に繋がるため、ある意味現実逃避の手段でもあり、一部のマニアックなコミュニティーでは、どうやったら変性意識状態を意図的に作れるか、薬物などを使い法律ギリギリで試行錯誤しています。

※法律を超えたところで試行錯誤しているコミュニティーもあります


「強い変性意識状態」は、とにかくなんでもありの「すごい状態」です。
体験者の多くは繰り返しその状態を求めたくなるようですが、確実な方法が確立されていないため、安易な方法として、「薬物」を使う人が出てくるわけです。
しかし、天然薬物にしても合成薬物にしても、人には個体差があり、ある人にはうまく作用しても他の人が望みどおりに変性意識状態になれるとは限らず、苦痛のみが残る場合もあります。
また、薬物の中毒症状が出たりして、日常生活に影響も出てきます。
しかも薬物では、本来求める「プラスの意味での変性意識状態」になることは、まずないようです。


ちなみに、効き方は鈍いですが、安易で合法的な方法が、「お酒」です。
芸術家などが創作活動で行き詰まると、変性意識状態を作って「神の声」を聴こうとしますよね。
そのとき、「お酒」を飲んで変性意識になろうとするのはいいんですが、「ドラッグ」に手を出して捕まることもあります。
「納期に間に合わせないといけない」とか、「みんなからチヤホヤされたい」などの理由から、手っ取り早く「神」と交信したくなり、作用が強いドラッグに手を出してしまうわけです。


以下、マスターの体験や、いろいろと調べた結果、「変性意識状態になる条件」を簡単にまとめます。
念を押しますが、意図的に狙い通りの変性意識になる方法は、まだ人類の知恵では確立されていません。
国の機関も民間の機関も、そしてマニアックな集団も、それぞれの方法で変性意識を研究している最中です。


◎変性意識状態になる条件


変性意識状態になる方法として知られているものを挙げてみます。


・長い間ひとつのことを突き詰めて考えているときに、半分眠りかける
(一般人・芸術家・研究者など)


・通常の生活の中で過度なストレスがかかる
(一般人のだれもが体験の可能性あり)


・それまでの人生経験から、変性意識になるきっかけをつかむ
(特殊能力者・チャネラーなど)


・苦しい修行の末、変性意識状態になる方法を会得する

(荒行をする人・お坊さん・イタコなど)


・瞑想で脳波をコントロールする
(お坊さん・趣味で瞑想をする人など) 


・飲酒
(全ての人)


・天然薬物の使用
(一部宗教の修行・個人や集団など)


・合成薬物の使用
(一部宗教の修行・個人や集団など)


・外科的な処置を行う
(医学的、科学的な実験による)


・現代技術を使う

(ヘミシンクやヘッドギア、磁気発生装置などによる)

などです。


飲酒で得られることがある軽い変性意識状態は、みなさんも普段の生活で体験していることですが、その中でも、特に心身共にストレスを強く受けているときが大きな変性意識状態が出やすいようです。
とは言っても、ストレスを受ければ誰でも変性意識状態になるわけではなく、初めにも書いたように、普段の生活の中で確実に体験する方法は、現代の人類の知恵ではまだ確立できていません。
また、仮になんらかの変性意識状態になることができたとしても、「賭け」の要素が強く、デメリットの方がはるかに大きいので、マスターはオススメしません。


「瞑想」や「ヘミシンク」「ヘッドギア」などが、薬物を使わない方法として有名かもしれませんが、やはり誰もがはっきりと体験できるわけではなく、限界があります。
強い快楽を伴う変性意識を体験した人と同じ方法をとったとしても、「全く同じ体験」はできません。
同じお酒を同じ量飲んでも、人によって酔い方が違うのと同じことです。

参考:
人には様々な個体差があり、中には、生まれつきの脳の特徴により、「変性意識状態」と呼べる状態になりやすい人たちがいます。
彼らは、現代の言葉では「発達障害」と呼ばれるグループに入る人が多く、アスペルガー症候群・サヴァン症候群などと呼ばれることがあります。
しかし現代医学では、変性意識状態と発達障害については研究途上にあり、その関係性もはっきりと解明されていません。
学問や芸術の分野で、「天才・鬼才」などと呼ばれる人たちは、通常の人間の脳では考えられない能力を発揮しますが、極端に言えば、脳のリミッターがなにかの原因で解除されっぱなしになり、常に一般人の変性意識状態と同じような脳の状態で生きているのかもしれません。
また、彼らは概して「非常識」と言われますが、それは一般人からすれば「変性意識状態」の中で生きているため、当然のことと言えます。
今後、「発達障害」や「変性意識状態」という言葉は、より適切な言葉で表現され、関係性も解明されていくはずです。



◎変性意識状態の感覚は?


マスターは自然発生的に2回の大きな変性意識状態を経験しています。
中学時代、音楽にのめりこんでいたときに1回と、仕事でかなり疲れていたときに1回で、2回とも通常の生活の中で経験していますが、運が良かったのか、両方とも心地良かったです。


特に覚えているのは、冒頭に紹介した「光の体験」です。
とても心地良いため、その快感を他人にも体験してもらいたいと思うほどでした。
この「心地良さ」は、変性意識を体験した多くの人に共通するようなんですが、潜在意識の中にあるものが表に出ることが多いようですから、マイナス感情が多い人は大きなマイナス感情を感じる可能性もあります。
ただ、概して「快感」ということは間違いないと思います。
だからこそ、変性意識状態を求める人が後を絶たないのかもしれません。


変性意識状態の体験談は無数にありますので、興味がある人は検索してみてください。



◎マスターが聴いた「音」の正体


上記2つの変性意識状態のうち、もうひとつの変性意識状態のときの話です。


音楽に夢中になっていた中学生のマスターは、変性意識状態のときに、頭の中でオリジナルの音楽を聞いたことがあります。


当時のマスターには、脳の変性意識状態がもたらす幻聴の意味などわかりませんでした。
もし信仰心が強い家庭だったら、「神からの贈り物」と解釈したかもしれません・・・
親もきっと「音楽の神様が、音楽好きの息子にプレゼントをくれたのね」、なんて言って家族中で喜んだ可能性もあります。
しかし、マスターの家は本気で宗教を信仰している家ではありませんでしたから、当時は「神」については無関心で、「神からの声が聴こえた」なんて考えもしませんでした。


結局、中学生時代の幻聴については「1回だけの不思議体験」として、しばらくの間、心のどこかにしまいこまれたままでした。



36歳で光の体験をしたあと、中学時代に聴いた「音」の正体についても思い出し、「神からの贈り物」ではなく、変性意識状態のマスターの脳が、マスターの意思を超えて作り出したものとわかりました。


たとえば「金縛り」は、簡単に言うと「脳が起きていて、身体が寝ている状態」、つまり変性意識状態です。
中学生のマスターは運動部に入っていて身体を激しく使っていたせいもあってか、寝る前に「金縛り」になることが頻繁にありました。
頻繁に「軽い変性意識状態」になっていたわけですから、そんな状態で音楽ばかり聴く毎日を送っていれば、一曲ぐらい出来上がっても不思議ではなかったんだと思います。


ということで、繰り返しますが、マスターが聴いた音の正体は、「音楽の神様からの贈り物」ではなく、


「自分の脳の中で起こった幻聴」


と捉えるのが本質だと思います。


以上、変性意識状態になる条件についてでした。
みなさんも不思議な体験をしたときは、この投稿を思い出してください。

・・・

投稿タイトル一覧は以下です。