光の体験について ―脳の限界突破―

(読了目安12分)

マスターの「光の体験」についてです(自己紹介の投稿でお約束した話です)。
短く説明すると、過労による幻覚、脳の限界突破、火事場のばか力のような、「脳の変性意識」にまつわる話です。


光の体験は、最近の言葉だと「ゾーンに入った状態」で体験する出来事と言えるかもしれません。
みなさんも経験する可能性がありますので、知っておくと役に立つと思います。
すでに「光」を見ている人は、確認の意味で参考になると思います。


読了目安10分以上の長い投稿になりましたが、よかったらお付き合いください。


◎光の体験について


「光の体験だなんて、なんだか怪しい話だよね」と思う人もいるかもしれませんが、これはだれにでも起こる可能性があるものです。
マスターの場合は、仕事を頑張りすぎたマスターの脳が、おそらく「オーバーヒート」して幻覚を見ました。


脳のオーバーヒートは、脳の「変性意識状態」のひとつです。
変性意識を作り出すのは「薬物・アルコール」が手っ取り早い方法ですが、もちろん日常生活の中でも起こります。
そして脳が変性意識状態になると、誰でも不思議な体験をします。



昔は、人間に「不思議な体験」を説明する知恵がなく、「神・悪魔・あの世・宇宙・霊・魂」などのキーワードで説明される神秘的なものでした。
しかし現代は「脳」をキーワードにして科学的に解明されつつあります。


・・・

マスターが「光」を見たのは、30代半ばの2006年5月、連休の最終日の日暮れ時のことでした。
毎日見ている景色が、カラフルに輝き、「心地良く不思議な体験」でした。

マスターの仕事は、来店したお客様のために料理を作ることですが、ゴールデンウィークは、起床後から慌ただしく動き、気が付くと夜になっているような忙しさを体験します。



「朝から食事もしてないし、トイレにも行ってないなあ・・・」

「あれ?今日一度も座ってないじゃん」

こんな、異常な忙しさです。


当時妻は妊娠中だったため、マスターの仕事量は増える傾向でした。


また、レストランを開業して間もない「不慣れ」と、もともと身体を動かすと悪化する「難病」を患っているマスターにとって、その忙しさは「激しい疲労」と言えるものでした。
しかし同時に、妻の妊娠の喜びや、売上が伸びるという喜びもあり、前向きな疲労のまま、なんとか最終日を終えることができました。


マスターの店にはウッドデッキのオープンスペースがあり、コーヒーを飲みながら自然の景色を楽しむことができます。


すでに辺りはうす暗くなっていましたが、仕事がひと段落したマスターは、狭い厨房から出てオープンスペースの椅子に腰をおろし、全身の力を抜きました。



あーーー! やっと連休がおわったぁ~~~~~!


ふーーーっ ・・・ ・・・ ・・・


・・・



・・・

・・・

(身体ごと椅子の中に溶けていくような感覚を味わっていました)


・・・


・・・




あれ?


・・・


なんだ?


・・・


なにこれ!

・・・

見慣れた景色がキラキラと、ステンドグラスの光のように輝いていました。


「大きな感動」というより「疲れてるのかな?」程度の感覚でしたが、とても気持ちの良い瞬間でした。
たぶん、長くても数十秒の出来事だったと思います。
もしかしたら、意識もはっきりしていなかったかもしれません。
夢の中の風景が、現実の景色に重なっただけだとも考えられますが、いずれにしても、心地よい感覚の中、キラキラと七色に輝く光を見る体験でした。



・・・そしてその後、マスターは、自分の内面が変わっていくことに気付きます。


光の体験以前、マスターの人生経験は、それぞれがバラバラに存在していました。
ひとつひとつの経験をただの単体として認識し、たとえば、


「友達と旅行に行きました、楽しかったです」

「彼女と別れました、悲しかったです」

「お腹をこわしました、痛かったです」

「バイトで叱られました、頭にきてやめました」


みたいな感じです。
しかし光の体験後、それまでの経験同士が頭の中でリンクしあい、ひとつの連続した経験としてまとまりました。


上記のことで、ごく簡単に言えば、


「友達と旅行に行って彼女に寂しい思いをさせたから、彼女がすねた。
すねた彼女を批判した結果、彼女と口論になって、彼女にふられた。
そのストレスが原因で体調が悪くなって腹痛が増えた。
腹痛が原因でバイトを無断欠勤した。無断欠勤したことを叱られ、頭にきてバイトをやめた」



という感じで、自分の人生に「連続性・因果関係」などが見えてきました。


上記はあくまでも一例ですが、体験後は、「物事の流れや仕組み」がよくわかるようになり、今の自分がどうしてここにいるのか、なぜこれをしているのか、これからどうなるのか、ということが認識できるようになったんです。
「目先のこと」しか見ていない状態から、「過去、現在、未来」をまとめて見ることができるようになり、「なぜそうなるか」「今後どうなるか」がわかるわけです。

車の交通事故で言うと、「なぜ交通事故になったか」「このままだとどんな事故が起こるか」が深いレベルでわかるようになるのと同じです。


光の体験後の感覚は、ジグソーパズルの最後の1ピースをはめたときの感動にも似ています。
ジグソーパズルのひとつひとつのピースは、雲ならただ白いだけだったり、建物ならなにかの模様にしか見えないものですが、全体が組み上がると、ひとつの作品として完成し、どれかひとつが欠けても作品になりません。


同じように、これまでの小さな経験のひとつひとつが今の自分を作り上げてきたということ、些細なことや辛かったこと、悲しいこと、意味がないと思っていたことなど、過去の経験の全てが今の自分を作り上げ、そのどれが欠けても、今の自分は今の状態で存在しないと実感できました。


光の体験の後、離れて暮らしている父に、


「今までにない重厚な幸福感を味わいました」

と手紙を書いたことを覚えています。


・・・

これが、マスターの「光の体験」です。
そしてこの体験は、世間では「覚醒体験」と呼ばれているもので、心身に強い負荷をかけると誘発されることがわかっています。



◎覚醒体験について


たとえば、過激な苦行をする「僧侶」や、青森県の「恐山(おそれざん)」で有名な「イタコ」などは、意図的に心身に強い負荷をかけ、半ば強制的に覚醒を促すマニュアルを実行し、実際に、かなり高い確率で覚醒できるようです。


20世紀半ば、脳を電気信号で直接刺激すると、幻覚や幻聴、体外離脱の感覚を再現できることが実験的に証明されましたが、「心身に強い負荷をかけること」でも、その部分が同様に刺激されることが解明されました。
僧侶やイタコの「苦行」には、根拠があったということです。



そして連休中のマスターの仕事のように、期せずして苦行になってしまった場合でも、条件がそろえば覚醒体験に繋がることもわかっています。
「火事場のばか力」という言葉があるように、極限状態では、人は普段では考えられないような筋力を発揮することがあります。
同じように、心身共に極限状態になると、「脳」が「火事場のばか力」を発揮するわけです。


一般の人が、あるとき突然声が聞こえたり、何かが見えたりするようになるのは、マスターと同じように日常生活内で「苦行」をしてしまい、覚醒体験をしたからだと考えられます。
(「薬物・脳障害・精神異常状態・生体の防御反応」などから起こる異常体験についてはここでは触れません)


ただ、覚醒体験がいつも良い方向へ向かうとは限りません。

予備知識がない人が覚醒を体験すると、あまりにも感動的なため、

「神が降りてきた」

「私は神になった」

「神からのメッセージを受け取った」

などと感じてしまうことがあります。

こうなると、自分になにが起こったか冷静に判断できないまま、盲目的にスピリチュアルな方向へ突っ走る人も出てきます。


そんな人たちは、言ってみれば「神がかり」の状態ですから、「これが私の使命だ!」と、なにをするにもすごいパワーで推し進めようとしてしまいます。
宗教や自己啓発セミナーを主催し、超能力やスピリチュアルな話をする人の中には、ヘンな意味でパワーに満ちた人もいますので、注意が必要です。


ちなみにマスターは、神でもなんでもないですからね。
光を見たことがあるただのお父さんです。
自分に起こったことをできるだけ冷静に見つめ、謙虚に生きたいと思っています。


マスターにとって「光の体験」はとても気持ち良い体験だったので、マスターと同じ経験をした多くの先人たちも、きっとこの体験(自分が見た光)を誰かに伝えたかったはずです。

今ならLEDでキラキラ光らせればいいんですが、照明がない昔の人はどう表現するか考えてみたところ、「これだ!」と腑に落ちる答えが見つかりました。
それは、中世ヨーロッパの教会にある、ステンドグラスやきらびやかなタイルのモザイク画などです。
太陽光をバックにして見るステンドグラスの光、ろうそくの光に反射して見えるモザイク画の光は、マスターが見た光と同じです。
昔の人は、光の体験を「神との一体感」に結び付けたに違いありませんから、マスターと同じ体験をした人たちが、「神と一体化するとこんな光を見るんだよ」と礼拝者に伝えたのではないかと思います。

他にも、脳の変性意識による覚醒体験で見る光には、「縦に走る白い光・横に走る白い光」もあり、実際にマスターも体験者の話を聞いたことがあります。
これはアニメ「ドラゴンボール」のスーパーサイヤ人に変身するときの光や、古い文献に描かれている「白竜」などで表現されているとマスターは感じています。



◎まとめ


光の体験は、脳の「変性意識状態」がもたらす現象のひとつです。
光の体験後、人によっては脳の限界突破がおこり、パフォーマンスが上がるのも事実です。
しかし脳のパフォーマンスが上がったからと言って、「神が降りてきた」とか、「神と一体化した」とか、そういうものとは違います。
みなさんも今後「光の体験」をする可能性は充分にあります。
そんなときは、まずこの投稿を思い出し、冷静に対応してくださいね。


本文は以上です。


※今回の「光の体験」のような不思議な話については、将来「スピリチュアル?」というマガジンを作り、そこに入れていく予定です。
主に社会の仕組みを知らない若い女性が、スピリチュアルの世界に関わる傾向がありますので、本質を知るヒントにしてください。
「スピリチュアル?」のマガジンでは、具体的には以下のようなタイトルを予定しています。


<スピリチュアル?マガジン予定タイトル(順不同)>
心霊写真の話
オーブ
ミステリーサークル
電池は気合で充電できますか?
遠くから念じて時計を動かすことはできますか?
超能力1
超能力2
朝になったら部屋の鏡に指紋がついていた ―解離性同一性障害の話―
この土地は呪われている ―過換気症候群の話―
遠隔ヒーリング1 自分を癒すのは自分
遠隔ヒーリング2 癒しの次の段階へ
パワースポット
カルロス事件(善意の悪知恵)
超能力かマジックか
「呪い」とか「たたり」とか
生まれかわりはある?
肉体は魂の乗り物か
無とはどういうことか
瞑想の前に
マスターが聴いた音
変性意識になる条件
光の柱
金縛り 錯視
「ニセモノの神を排除する」とは
神の究極奥義「脈止め」
アステカ文明のいけにえの儀式
本当に「神」からの声?
「神」ができるまで 世代を超えた伝言ゲーム
モーセの海割りの意味
キリストは高機能自閉症だったか1
キリストは高機能自閉症だったか2
チャネラーの所得隠し
オーラは見えるか見えないか
サイババはなぜ自分の予言より早くこの世を去ったか
地震の予言が当たる仕組み
愛の波動・・・
セラピーストーンを買うタイミング
オーブ見せます ―仕組みを知るということ― 前編
オーブ見せます ―仕組みを知るということ― 後編
ブロックの解放
一瞬で幸せになる方法はあるの?
パワーストーン1 エンジェルブレス・イワシの頭
パワーストーン2 本物のパワーストーンがあるなら
スピリチュアル系の世界で愛を学べるか
悩んでいる人を助けるには
鉛筆が勝手に動いた!
一攫千愛
宇宙人にチップを埋め込まれたのはなぜか ―M子さんの妄信―
火を使う生き方 ―波打つ玄関マット事件―
軌跡の出会い
神を見るってどういうこと?
見ているようで見ていない
ヒーラーの条件
満月の夜A子さんになにが起こったのか
神についての短編集1
神についての短編集2
6本目の指は出るか ―第六感の話―
「霊能者」とは


※マスターのnote全体のタイトルは以下です。