カフェ経営は2人以上で

(読了目安4分)

「会社を辞めてカフェ経営したい」という話を聞くことがありますが、基本的にマスターも賛成です。

ただ、「個人でカフェを経営したい」と考えている人には、できれば2人以上で経営することをお勧めします。
1人で経営すると、「経営のための人生」になってしまう可能性が高いからです。


人生を楽しむためにカフェ経営をするならいいですが、経営をするために生きてしまったら、結局「なんのための人生か・・・」となってしまいます。
人生の目的は、カフェの経営ではなく、「楽しむこと」です。


◎複数経営の利点


2人以上で経営することの3つの利点について書いてみます。

1:営業日が安定する
1人で経営すると、店主の生活や体調に直結した営業になります。
急用ができた日や体調が悪い日などは、その都度「臨時休業」の看板を出すことになり、休みを予告することもできません。

「あの店っていつやってるのかわからない」

こう思われてしまうと、経営にとってはとてもマイナスです。


しかし、複数の人で経営すれば、一人が欠けてもなんとか営業を続けることができるので、「あの店は、行けばいつも営業している」となり、信用が上がります。
いつ営業しているのかわからない店より、いつも営業している店の方が、信用が高くなるのは間違いありませんよね。


2:時間的余裕が生まれる
人員にゆとりを持たせることで、通常の営業中はスタッフ全員に「時間的余裕」が生まれます。
そのため、それぞれが趣味を楽しむことができ、人生が豊かになります。
「朝から晩まで忙しく働き、気がついたら10年経っていた」ということはないわけです。
「人生が豊かになる」というのは、収入にはかえられない大きな意味があります。
なぜなら、人は人生をより豊かにするために仕事をしているからです。
接客にもゆとりが生まれ、お客様に喜ばれます。
複数で経営する利点は、そんなところにもあります。


3:周囲の人の役に立てる
人員にゆとりがあれば、困っている人のために誰かが動くことができます。
たとえば先日の出来事なら、ぎっくり腰で困っている知人に、急きょマスターが痛み止めを届けに行ってあげることができました。
腰が痛くて動くのが辛い人は、病院に行くことも大変ですから、痛み止めを持ってきてもらえたらありがたいはずです。
「周囲の人の役に立つ」というのは、愛をそそいだことになり、その愛はいつか必ず自分に返ってきます(期待したら返ってきませんが)。

まとめると、

1:営業日が安定する

2:時間的余裕が生まれる

3:周囲の人の役に立てる

これらの利点があります。

余談:
「1:営業日が安定する」については、人生にも当てはまります。
営業日が不安定な店だとお客様が離れていってしまいますが、これは人間関係にも言えることなんです。
みなさんは、いつ機嫌がいいのかわからない人より、いつも機嫌がいい人と一緒にいたいと思いませんか?
感情が不安定な人からは、人が離れていってしまうんです。


◎カフェ経営にとって大切なこと


マスターの経験から、カフェ経営は2人以上でやることをオススメしますが、そこがわかったとしても、「じゃあ、どうやって仲間を見つければいいの?」となりますよね。
実は、この部分がとても難しいんです。
カフェ経営は、料理の腕や知識の量よりも、「人間力」の方が大切です。
仲間が瞬間的に盛り上がってカフェをオープンさせることはできても、そのあと、全員に人間力がないと、空中分解してしまうんです。
どんなことも、「目的を達成するためになにをすればいいか」なんですが、「自分の主張を通すためになにをすればいいか」と考える人が多く、その結果、感情論になってしまい、経営が破綻するんです。
カフェを経営するにあたり、「接客は好きだけど計算が苦手」「料理はできるけど接客は苦手」「数字とのにらめっこは全く苦にならない」など、人によって得手不得手があります。ですから、「好きなこと(やりたいこと)」「得意なこと(好きではないが突出している特技)」「できること(やっても苦にならないこと)」、これらをよく考え、経営に必要な事柄を複数のスタッフで補い合えたら、その店は長く続きます。

「スタッフが2人だと利益が半分になる」と考えると、現金収入より大切なものをなくしてしまいます。
「スタッフが2人だと自分の利益は減るかもしれない、でも楽しさは2倍」、こう思える心のゆとりを保てるといいと思います。

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