心の傷


(読了目安5分)

目に見えない「心の傷」についてどう考えるか、という話です。


大きなケガをした足のまま歩こうとしたら、歩くのが苦痛になります。
ヨロヨロと足をひきずったりして、まっすぐに気持ち良く歩けません。
ムリして歩けば悪化して、二度と歩けなくなるかもしれません。


次に歩き出すために必要なのは、治るまで休むことですし、包帯を巻いて松葉杖を持ち、足を引きずってヨロヨロと歩いている姿を見た周囲の人も「休んだらどう?」と助言をくれます。
簡単に言えば、「大きなケガをしたら休む」ということですが、これはみなさんもわかりますよね。


では、「心の問題」はどうでしょうか。
心の傷は見えないため、無理をしようとする人が多くいますし、ムリをさせようとする人も多くいます。
しかし、大きなケガをした心のまま生きようとしたら、どうなると思いますか?


・・・そうです。
生きるのが苦痛になります。
毎日平和に気持ちよく過ごせませんよね。
それでもムリしてしまうと、心の傷が悪化して、二度と平和な生活に戻れなくなるかもしれません。
平和な生活を取り戻すために必要なのは、心の傷が治るまで休むことです。
ただ、どの程度の傷なのかは、足の傷と違い、「見えるもの」ではないのでわかりません。
そこで、「周囲の意見」に耳を傾けてみるんです。


みなさんも、たとえば、

「本人にはわかっていなくても、その人がそのままの心の状態で行動を続けたら、どんなことが起こるか・・・」

ということが予想できることがありませんか?
周囲の人たちは、心の状態が悪くなった人を見て、本人よりも本人の未来が見えることも多いんです。
そして、だからこそ「休んだ方がいいよ」と言ってくれます。


足の傷は、本人が「痛くない・歩ける・歩きたい」と思えれば完治と言えます。
しかし心の傷は、判断する自分の心が傷ついているわけですから、判断力がおかしくなるのは当然で、自分でなにかを決めることが困難です(過労自殺をしてしまう人は、「辞職」という考えが浮かばないそうです)。
ですから、心の傷を負っている人は、他人から「休んだ方がいい」と言われたときは、その言葉に耳を傾けてください。
ただ、いつも書くように、ストレスを抱えている人から助言をもらっても、言葉に愛がない場合もありますから、ストレスを抱えていない人、つまり平和に生きている人からの助言を選んでください。
傷ついている人に「平和に生きている人」を選べるかというのも微妙な話ですが、ここを間違えると悪循環から抜けられず、同じことの繰り返しになります。




◎休む


身体の傷は、小さいものなら放置しても大丈夫ですよね。
蚊に刺されたときの傷や、ちょっとした擦り傷などは、生活しているうちに治ってしまいます。
しかしそれが、大きなヤケドや切り傷、骨折などになると、治ったとしても、傷跡は生涯身体に残ります(マスターにも開腹手術や切り傷の跡など、いくつかの傷跡があります)。


さらに、その傷を負ったまま治療もせず歩き続けたり、一度に大きな傷をいくつも負うと、集中治療をしなければ感染症や出血多量で命を落とします。


心の問題も同じです。
「心に負う小さな傷」は日常的に誰にでもあり、蚊に刺された傷のように、放置していても治っていくものです。
しかし傷が大きくなると、治ったとしても傷跡は残ります。
そしてさらに、その傷を負ったまま治療もせずにその生活を続けたり、一度に大きな心の傷をいくつも負うと、「自死・飲酒喫煙などによって命を縮める・錯乱状態で交通事故や飛び降り」など、命に関わる行動を起こしてしまいます。


では、そうなる前にどうすればいいか・・・


・・・そう、やっぱり休むんです。


人は足を骨折したら、休みますよね。
それができる人なら、心が折れたときも休めるはずです。
足を骨折したときは、休まなければ悪化します。
心が折れたときも、休まなければ悪化します。
他人の命に関わることでもない限り、休むことで周囲に迷惑などかかりません。
むしろ、心に傷を負っている人が休まないことが迷惑になることの方が多いかもしれません。


ですから、周囲から「休んだら?・会社辞めたら?」と助言をもらったら、その助言には自分の判断力を補う大きな意味があると考え、助言を受け入れることを考えてください。


休む期間は人によると思います。
一概に言えませんが、3日でいい人もいれば、3週間必要な人、または3ヶ月、そして3年など、傷の種類や深さによって変わると思います。
折れた心を癒し、再び立ち上がって人の役に立つために、今、休むことが必要な人は、休んでください。
休むことも社会貢献です。



◎住む場所を変える


休んだ

復帰した

やっぱりダメだった

休んだ

復帰した

やっぱりダメだった

休んだ

以下繰り返し


このパターンを繰り返してしまう人がいます。
これを30年間繰り返したら、愛や社会貢献どころではなくなります。
これは悪循環に入っているわけですから、極論すれば、仕事を辞めて住む場所を変えるのもいい方法です。
心の傷を負った人が住む場所を変えれば、本人は新しい場所で心をリセットでき、周囲も気使いから解放されます。


もちろん移住すれば全てがうまくいくわけではないと思います。
住む場所が変わることの不安の方が大きい人もいると思いますし、コスト面の不安によってさらに心の傷が悪化する人もいるかもしれません。
様々な条件を加味して慎重に判断する必要があり、その判断が愛だとすれば、必ず良い結果になって現れます。

・・・

投稿タイトル一覧は以下です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?