ヨガ 2 なぜブームに?

(読了目安6分)


では、ヨガについて短編でいろいろ書きます。
内容は、昔からの「修行ヨガ」ではなく、お金が動く「商業ヨガ」がメインです。
流れとしては、「長く愛されないのは、商業ヨガが一因です」という話です。



◎「ヨガ」って?


ヨガの源流をたどれば5000年の歴史があるそうで、形を変えながら現代まで続いています。
現在のヨガブームは、20世紀半ばごろ、インドからアメリカに伝わったものです。
今では世界的なブームになっていますから、みなさんの友達にもヨガブームに乗っている人がいるかもしれませんね。


ヨガはもともと宗教上の修行のひとつで、60年ほど前までは、男性だけのものでした。
60年前に「ヨガの印象は?」と尋ねたら、多くの人から「ヘンなおじさんが気持ち悪いポーズをとってるヘンな修行」なんて思われていたんです。
それが、いまや「美容・健康・精神鍛錬」の代表的なものになり、見事にイメージチェンジを成し遂げたと言えます。



◎なぜブームに?


では、なぜいま、ヨガは世界中に広がり、流行に敏感な若い女性の間で流行っているんでしょうか・・・


それは・・・「アメリカで認められたから」です。
「アメリカ」がポイントです。
アメリカで認められたものの多くは、世界に広がりますからね。
アメリカのハリウッド女優やモデルたちが、ヨガを取り入れたことで世界中に宣伝され、美容と健康のための「ヨガ」という位置付けで、瞬く間に広がりました。
もともと男性のものだったはずのヨガですが、いまや「女性のもの」という認識の方が強くなっています。


ハリウッド女優が認めると、なぜ世界に認知されるのか。
それは、「人気がある人が認めた」という簡単な理由からです。
世界レベルで人気がある女優がヨガをやっていれば、「あの女優がやっているなら私もやろう」と、一般の人が安心するんです。
仮に、もしマスターが20年前からヨガをやっていて、「さあ、みなさんもヨガを!」なんて言っても、きっと怪しまれるだけです。
それは、マスターが美の象徴でもなければ有名人でもなく、ハリウッド女優を指導している立場でもなく、ただの「おっさん」だからです。
でもハリウッド女優が「さあ、みなさんもヨガを!」と声をかけると、若い人たちはなぜか「ヨガっていいかも!」と思ってしまうわけです。
やっていることは同じでも、指導者がどんな人かで、イメージが変わるんです。
言ってみれば、人はヨガそのものを見ているのではなく、ヨガをやっている人を見ているということです。


「有名女優がやっているなら私もやる」

「好きな歌手がやっているなら私もやる」

「モデルがやっているなら私もやる」

・・・自分の価値観が確立されていない人たちによるこのような思考の連鎖が、今のヨガブームを作っていると言えます。



◎商業ヨガ


男性だけのものだったヨガを利用して新ビジネスをやろうと考えたとき、みなさんならどうしますか?


そう、女性を取り込めばいいんですよね。
その瞬間、ビジネスの対象が2倍になるんですから。
そして、女性をターゲットにするなら、健康効果に加え、「美容効果がある・ダイエット効果がある」という宣伝をすればいいわけです。
ハリウッド女優やモデルがヨガをやれば、まさに美容イメージで宣伝ができます。
これが、情報発信者が利益を得るための「商業ヨガ」です。


ただ、宣伝に出ている女優やモデルがヨガをやっているかどうか、本当のところはわかりません。
10人の有名人がヨガの宣伝をしていても、10人全員が本気でヨガをやっているわけではありません。


仮にあなたが美しくて有名な女性だとします。
企画会社からこう言われたらどうですか?


「100万円あげますから、ヨガのポーズをとって写真を撮らせてください。それから、ヨガに興味があって、普段からやっていることにしておいてください、弊社が紹介するヨガ教室に3回ぐらい通ってもらえればいいです」



お金が欲しかったら、言われるままにやって100万円もらう人も多いはずです。
企画会社は100万円の投資でそれ以上稼げますから、お互いに嬉しいわけです。
もしあなたが芸能プロダクションに入っていたら、あなたは30万円、芸能プロダクションが70万円という配分になるかもしれませんが、細かい話は抜きにして、ヨガを薦める有名人がいても、その全員が本気でヨガをやっているわけではないというのが本質です。


前回紹介したブログの管理人は、女性ヨギでしたよね。

(前回紹介したブログ)
インド人はヨガをしない
http://keiko5.blog108.fc2.com/blog-entry-101.html#cm


彼女はヨガ系の雑誌に自分の絵を提供している側でもあります。
彼女のブログの中に、「私、編集部の内情を知ってるから、ヨガ雑誌や情報はあんまり有難くない」みたいな記述がありましたが、実際、どんな業界でも内部はそんなものです。
「ヨガを使ってどうやって人類の幸せを追求するか」ではなく、「ヨガを使ってどうやって自分たちの利益を追求するか」という話になってしまうんだと思います。
余談ですが、「ダイエット業界」も同じです。
女性をターゲットにしたダイエット業界とヨガ業界は、いまやセットと呼べるかもしれません。



◎広めてしまえば


上にも書いたように、自分の価値観が確立されていない人は、他人の価値観、つまり他人の評価を基準にして物事を決めますから、世間で人気がある人が薦めるものに共感します。
子供は、大人が持っているものや、他の子供が欲しがっているものに価値を見出して、強くこだわりますが、それと同じことです。


繰り返しますが、「人気がある」という意味で一番効果があるのが、世界中に影響力があるハリウッド女優です。
ハリウッド女優が「これいいよ!」と言うと、すごく信じたくなる人もいるんです。
ハリウッド女優と組んでヨガを広めてしまえば、あとは簡単です。


ヨガの仕掛け人は頭のいいインド人、もしくは頭のいいビジネスマンです。
そしてハリウッド女優、もしくはその女優を抱えるプロダクションの社長と以下のように話します。


インド人 「ねえ、新しいビジネスとして、ヨガ、やりません?」


女優・社長 「私が宣伝したらいくらくれるの? 私、もっと有名になれるわよね?」


インド人 「いくらでも稼いでください、もちろんもっと有名になりますよ」

女優・社長 「オッケー、まかしといて、バンバン宣伝するから」


インド人 「では今日から私たちはパートナーということで」

こんな感じで、いまやハリウッド女優の専属ヨギになったり、講演会やイベントなどで活躍し、豪邸に住むヨギがいるようです。
本来、ヨガの真髄は「質素・精神世界」のような、内面的世界だったはずなんですが、商業世界のヨギは、たくさんの物を所有している人も多くいるようです。


次回に続きます。

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