産後クライシス 1

(読了目安13分)

「産後クライシス」という言葉、みなさんは知っていますか?
マスターは10年ほど前に、この言葉を目にしました。


今回から3回、産後クライシスについて、マスターの経験から書いてみます。


言葉の意味を調べてみたところ、「産後、夫婦の関係が急速に悪化する現象」という説明が一般的だとわかりました。
出産し、子育てで余裕がない妻に対して夫がうまく気使いできず、妻が夫のことを嫌うパターンが多いようです。
なんと1人目を産んで2年以内に、夫への愛情がなくなる奥さんが半数以上を占めるんだそうです。
これじゃ、離婚するカップルが多くてもしかたないですよね。


産後クライシスは、夫婦のお互いの気使いで防ぐことができますから、みなさんはスマートに切り抜けてください。
「産後クライシスの回避」、それは夫婦お互いのためでもあり、周囲への愛情でもあり、なによりも未来を担う子どものためだからです。


では以下、産後クライシスを少しでも防ぐための助言ですが、とても限定的な範囲になります。
ただ、「小さなことの積み重ねが、産後クライシスを防ぐ」ということは間違いありませんから、これをヒントに、他のことにもどんどん応用してください。
また、大きな意味では、このnoteそのものが「産後クライシスを防ぐ方法」です。
よかったら参考にしてください。


まずは「結婚後に夫が変わってしまう理由」を書きます。
次に「母親の負担を減らす方法」、特に赤ちゃんが泣いている時間を少しでも減らすヒントについてです。
母親の負担が減ることで、夫への気配りができ、結果的に夫婦間のマイナス思考が減りますからね。
将来、みなさんの役に立つことは間違いないと思いますが、もし小さな子どもをもつ兄弟や友人がいたら、この投稿を紹介してあげてください。



<結婚後に夫が変わってしまう理由>

◎王様から奴隷へ

結婚当初の夫のほとんどは王様気分です。
セックスしたいときにできますし、食事も作ってもらえますし、妻もそれが楽しみで、笑顔でいる時間が長いはずです。
しかし、いざ妊娠すると、妊娠中は、妻の体調や気分がネガティブになることが多く、思うようにセックスできなくなり、食事も作ってもらえなくなるだけでなく、夫が妻の分も作る必要があったりします。


自由にセックスできない、食事を作る・・・
夫としては、王様から奴隷になった気分に陥ってしまう人もいます。


その気分が夫から笑顔や気力を奪い、若くて明るい女性へ目を向けさせることもよくある話です。
お金を使えばいつでも王様気分を味わえる世界がありますしね。




◎妻の変化にビックリ


妊娠中や子育て中の妻には、余裕がなくなることが多くなります。
妊娠中や出産直後はノーメイクになりがちですし、妊娠初期は「つわり」で吐いたりする妻を見ることもあります。


極端に書けば、

「イライラしているすっぴんのおばさんが、吐いたり怒ったりしている」

という状態です。


結婚式であんなに美しかった妻がヘンなおばさんになっている・・・男性は、妻の変化にビックリし、外に遊びに逃げてしまいます。


そしてお酒の席で浮気・・・よくあるパターンです。
お酒の席で妻がいる男性の相手をしたことがある女性も多いはずです。


はじめての妊娠で、自分と子どものことで精一杯のとき、夫に対しても気づかいできる女性なんてめったにいません。
男性も、もし結婚前に女性との同棲を経験していれば、女性がいつもいいコンディションばかりじゃないことはわかるはずですが、結婚や女性に対して過剰に期待していると、妻の変化にビックリするのかもしれません。




◎妻を取られてしまう恐怖

結婚当初、自分だけを見てくれていた妻が、出産後は赤ちゃんにつきっきりになり、夫に対する態度が変わることがあります。
夫は、自分の子どもに妻を取られてしまう恐怖に襲われるわけです。
妻は子ども中心の生活になり、寝不足が続きますから、セックスもおろそかになります。


もちろん食事の内容も結婚当初とは違ってきます。
子育て中は、コンビニやスーパーの惣菜が多くなるのは仕方ないんですが、それでも夫は以前の新婚ホヤホヤの従順な奥さんを求めてしまうんです。
その結果夫は寂しくなり、遊んでくれるオネエチャンを探しに外に出ますが、それがさらに妻にとっては苦痛になります。


「忙しい妻をおいてなにしてんの!手伝ってよね!」という心境です。
夫も夫で「オレをそっちのけで子どもばっかりかよ!」という心境かもしれません。
これではお互いに反発しあうだけです。



<補足:女性の立場>

女性としては、体調が悪いのに子育てをするんですからもう大変です。
インフルエンザだろうが生理痛だろうが、赤ちゃんは休ませてくれません。
これまでの趣味だって全部おあずけで、数年間、子どもだけをほとんど毎日見続けるわけです。


夫への愛情がなくなるのは、夫の存在が「重荷」になる場合です。
子育てや家事を手伝ってくれるなら、「大切なパートナー」なんですが、妻にとって、「子供が2人状態」になってしまったら「重荷」です。
「夫よ、私は子育てで忙しいの、せめて消えてくれない?」となってしまいます。
夫も夫で、「あれほどかわいかった妻がなんでこうもオバサンなの?」となってしまうわけです。
やっぱり、お互いに好きで結婚したカップルなんですから、子育てを楽しんでこそ結婚です。
夫が「子育ての邪魔をする生き物」になってしまったら、「産後クライシス」です。


上記のような状況を防ぐには、たとえ妊娠中・子育て中であっても、お互いに愛とはなにか考えて実行し続けることが大切です。
「夫婦になる」ということは、2人で最大のパフォーマンスを発揮するということです。
お互いの価値観をぶつけあってイライラし、飲酒やケンカをするために結婚したわけじゃないんです。


なんと言っても、夫を選んだのは、妻です。
そして妻を選んだのも、夫です。
お互いに相手を指差して「おまえは不良品だ!」と言い合って、なにか生まれるものはあるでしょうか。
人間は不完全な生き物ですから、不良品でいいんです。


あとはどうやって夫婦で補い合い、役に立つ部品になれるかです。
感情的になって口論する夫婦は、自分の主張を通すことを目的として口論していることがほとんどです。
自分の主張を通すための感情的な口論は、「愛をそそぐための話し合い」から大きく逸脱しています。


「自分は悪くない」という感情が、「産後クライシス」の始まりです。
大人の思考にならなければ長く愛されることはありませんから、口論などの「争いごと」は避け、協力し合いましょう。
期待せずに協力するのは難しいですが、いつかお互いがそれぞれの愛に気付きます。


たとえば夫は、周囲の既婚男性から他の結婚生活を聞かされ、「うちの妻は素晴らしい妻なんだ」と気付くかもしれません。
そして妻は、ママ友から他の家庭の内情を聞き、「うちの夫は素晴らしい」と感じるかもしれません。
なんと言っても、本当の愛をそそげば、見返りがなくても幸せでいられます。
愛をそそぐことで、産後クライシスは大幅に減少するはずです。




◎子育て初期

産後クライシスというのは、産後2年までがポイントだそうです。
子育て初期はいろいろと苦労します。
特に1人目の子なんて、育てる側にもノウハウがなくて大変です。
さらに、「親と同居したくない」と核家族を選んだ人は、数年間ほとんど子どもと2人っきりで過ごすわけですから、さらに大変です。
でも、全て自分で選んだ道ですから、その環境の中でなんとか産後クライシスを防ぐことが必要です。


親がイライラしないことは、子どもに健康食品を食べさせるよりはるかに愛ですが、「親に余裕があること」を実現する大きなポイントとして、なにがあると思いますか?
「夫からの愛」はもちろん、他にもいろいろあると思いますが、中でも赤ちゃんの「ぐずり(泣くこと)」が減ると、親の負担は大きく減ります。


赤ちゃんにとって「不快なこと」は命の危機ですから、自分が不快なときは、大人に頼って改善してもらう必要があります。
そのため不快を知らせる「泣き声」は、大人にとって「危機感のあるもの・耳障りなもの」として認識されるようになっています。
泣くことですぐに大人に対処してもらえ、赤ちゃんは生き延びることができるわけです。


逆に、赤ちゃんの笑い声って、大人にとって心地よいものですよね。
赤ちゃんが笑っている時間が長いほど、赤ちゃんにとっても大人にとっても心地よい時間になるわけです。


赤ちゃんの立場になって世話ができるお母さんほど、赤ちゃんが泣く時間が減り、自分の時間をゆっくりとることができますから、仮眠をするとか、夫とイチャイチャするとか、食事を作るとか、化粧をするとか、いろいろとゆとりが出てきます。


赤ちゃんが快適に過ごせるということは、母親も快適に過ごせるということでもあるんです。
これも、「愛をそそげば返ってくる」ということの一例です。


赤ちゃんを黙らせるために必死になってしまうと、黙ってくれないことによるイライラを赤ちゃんにぶつけることになりますし、夫から「はやく黙らせろ」と言われたくないために頑張っても、赤ちゃんが泣き止んでくれないときなどは、結局「夫がいちいちうるさい・あんたもやってみたらわかるわよ」と、夫を恨むことになります。


親の行動の本質は常に「赤ちゃんのため」です。
赤ちゃんが快適に過ごせるように、夫婦揃って考えて愛をそそぎ、それができたとき、赤ちゃんの笑顔や笑い声がしっかり返ってくるわけです。



<母親の負担を減らす方法>


◎赤ちゃんが泣く原因と対策
暑い・寒い・お腹が空いた・排泄した・痛い・痒い・ゲップが出ない・寂しい・・・こんなのが、あかちゃんが泣く原因です。


以下、主に、マスターの子育て体験から書いてみます。


中でも授乳とおむつ交換を夫が覚えれば、妻にまとまった睡眠時間を提供できます。
これも夫婦円満の秘訣です。



◎泣いた時は


赤ちゃんが泣いた時の対処法です。

慣れてくれば、「泣き方」でいろいろわかるようになりますが、わからないときは、まずお腹が空いているのか、オムツ交換なのかを見分けます。
赤ちゃんの口の横を指でつっついたとき、「ぱくっ」と食いついてきたらほとんどミルクです。
食いついてこなかったらオムツのニオイや手触りをチェックし、オムツじゃなければ次は暑さや寒さのチェックです。
首の周りの汗を確認し、汗をかいていれば涼しくしてやり、汗がなく、手足をさわって冷たい場合は温めてあげましょう。
泣きすぎると暑くなりますから、そんなときは新鮮な空気に触れるといいかもしれません。


また、授乳直後なら、ゲップが出ていない可能性があり、苦しいのかもしれませんから、ゲップを出してあげるといいと思います。
ゲップの出し方の方法はいろいろありますから調べてみてください。
声をかけて抱くことで泣くのがおさまるなら、寂しかっただけかもしれません。


なにかをつかもうとして手をバタバタさせているなら、誰かの「髪の毛」をしっかり握らせてあげれば泣きがおさまることがあります(動物の本能的なもののようです)。
市販の「おしゃぶり」でも泣き止むことがありますが、お腹が空いてるときにおしゃぶりを与えると、しばらくしゃぶり続けたのちキレますから気をつけてください。


また、これはマスターの考えなんですが、もしかしたらどこかがしびれているのかもしれません。
長い時間正座をしていると、足がしびれますよね・・・それです。
ヘンな体勢で寝ていたために手足がしびれて泣いているなら、愛をこめて「よしよし」と叩くほど逆効果になることもありえます。


マスターは赤ちゃんが泣いているときは、極力冷静になって観察し、なにを欲しがっているのか考えるようにしていました。
この泣き声のときはこれ、この泣き声のときはこれ・・・こうやってデータを集めていくうちに、徐々にわかるようになっていくんです。
赤ちゃんの要望に一回で応えられたときは、意思疎通ができた気がして嬉しいものです。


夜、泣き始めたときは、寝ぼけているならおしゃぶりで充分ですが、だめなら基本的に縦抱きにして、ミルク・オムツ・ゲップ・暑い・寒い・痛い・痒い・寂しいなど、徐々に探っていくことで解決できます。
あと、「泣き声がうるさいと近所迷惑になってしまう」という焦りが、親の判断力を鈍らせますから、赤ちゃんが泣くほど冷静に対処する必要がでてきます。
お酒を飲む人が言う「とりあえずビール!」みたいな感覚で、「とりあえずおしゃぶり!」で一時的に泣きが止まる場合もあります。


また、赤ちゃんにとって、「揺れていない環境」というのは異常事態だと言えます。
「揺れていない」とは、親と一体ではなく「放置」されている可能性が高いということで、外敵から狙われやすく、「命の危険がある」ということです。
生まれる少し前まで常に動いている母親のお腹の中にいたんですから、赤ちゃんにとっては「揺れていること」が安心を保証する日常的な状態です。
車に乗せると寝てしまう赤ちゃんが多いのは、適度な揺れが母胎内の環境と似ているからかもしれません。
泣いているあかちゃんを抱き上げて揺らしてやると泣き止むことがあるのは、母胎内の環境に似ていて安心するからだと思います。


実は以前、マスターは4歳の娘に赤ちゃん時代のことを尋ねたことがあります・・・
喋れなかったころを思い出してもらい、「泣く理由」を尋ねたところ、「寂しいから」とのことでした。
「どういう気持ちだった?」と聞いてみたら、「お父さんどこ?来てよー!」という思いで泣いていたそうです。


赤ちゃんが泣く原因のひとつが、「親の腕の中で安全を確保するため」というものです。
しかも、動く親の腕の中で安心できる、ということです。
「バウンサー」とか「ゆりかご」で検索すると、最近はいいものがあります。
お金がある人は、「電動ゆりかご」を買えば、自分の自由時間がかなり増えるかもしれません。


マスターは、疲れたときはゆりかごに子どもを寝かせ、足首でちょんちょん突っつきながら揺らし、仮眠をとったり他の仕事をしていたときもありました。
マスターの経験から、「子どもは目を見て抱いてあやさなければならない」、なんてことはないと思います。
理想ではあると思いますが、そんなに集中していられる時間ばかりではないですから、限られた環境の中でどこまでできるかが大切です。

マスターは子どもが生まれて1年ぐらいの間は、両腕で抱くのはもちろん、おんぶひも、ゆりかご、スリングなどでいろいろな接し方を試し、赤ちゃんがなにをして欲しいのか考えながら、楽しい時間を過ごしました。




◎まとめ

赤ちゃんが泣いた時は、以下を疑ってチェックしてみましょう。

ミルク (口の横をつっついて噛み付いてきたらミルクをあげる)

オムツ (ニオイと手触りで探る)


ゲップ (ミルクを飲んだ後の場合はゲップしたい可能性あり)


おしゃぶり (寝ぼけているときに有効・本人がわかっているなら起きていても有効)


暑い (首元や脇の下などでチェック)


寒い (手足の冷え具合でチェック)


痛い (転落やムリなひねりをした可能性を探る)


痒い (虫刺されやあせもを確認する)

寂しい (だっこして声と揺れを与えて様子を見る・髪の毛を握らせる)




◎番外
マスターの子守りは「バイク」を使うことが多かったような気がします。
外で新鮮な空気に触れることができるのか、良い気分転換になるようです。


以下は子育て中の思い出の写真です。

娘 9ヶ月
息子 2歳


子どもたち


妻と息子


妻と息子2


みんな集合


娘 4歳

余談:
上は娘を乗せて初めて海に行ったときの写真です(走行中はこの上に安全な上着と長ズボンを着せています)。
娘は高校生になった現在でも、時々マスターの後ろに乗ってくれます。
妻や息子を乗せたときとは違う種類の幸福感があります。
2022年には息子は16歳になり、原付免許を取りました。
時の流れを感じます。


次回、「これできたら親も楽!」の、「授乳・オムツ交換」の話です。
男性もできるようになると「産後クライシス」をかなり回避できるかもしれません。

・・・

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