力の差

(読了目安8分)

マスターが知っている女性A子さんとB子さん、両極端な2人について書いてみます。


もう10年以上前のことです。
2人とも「将来は自分のカフェをオープンさせたい」という夢を持った女性でした。
「カフェ経営のトレーニング」としてマスターは同じように接しましたが、2人の反応は違いました。
さて、みなさんはどっちのタイプでしょうか。



まずは力のあるA子さんの話です。


◎A子さんの場合

36歳のA子さんは既婚者で、3人の子どもがいます。
「カフェのオープン」という夢のため、会社を辞めて準備を進めていました。
「カフェの実情を勉強したい」ということで、約2週間、マスターの店に滞在したんです。
なんと、生後2ヶ月の子供と一緒にです(他の2人の子は実家に預けたようです)。

初日、駐車スペースに停まったA子さんの車を見たマスターは・・・


「・・・え?」


思わず自分の目を疑ってしまいました。
なんとその車、けっこう高級な外車なんです。


A子さんは自然な笑顔がステキな、自信があって堂々とした女性でした。
とりあえずあいさつを済ませ、ちょっと話してから、気になっていた車のことをたずねました。


マスター 「いい車だね~、もしかして年収1千万ぐらいあるの?」


A子さん 「夫婦で合わせるともっとありますよ」


話を聞くと、彼女はイギリス在住10年の経験があり、日本でイギリス系の企業に勤めていたんだそうです。
30代にして40代50代の男性の部下を何人か持っていたこともあり、社会で鍛えられた女性でした。


生後2ヶ月の娘についても、「もう3人目なんで大丈夫だと思います」という言葉どおり、滞在中の2週間、子どもがいるから何もできないなんてことはなく、ちゃんと仕事をこなしたんです。
仕事と子育ての両立という「本当の忙しさ」を経験していますから、滞在中は常に余裕があり堂々としていました。


「接客もしてみたい」とのことでやってもらったんですが、これも難なくクリア。


「お、おまえなんでもできるんだな・・・(マスターの心の声)」


彼女は在職中、年上の人たちを何人も相手に、時には何十人も相手にプレゼンテーションをしてきたそうなので、数人のお客様と話すことは、なんてことないんです。
とにかく安定感があり「愛を発信する力」「知恵」「大人の思考」を高い次元で持っている女性でした。


そして半年後にメールが来ました。


「半年前にお世話になったA子です。おかげさまでカフェをオープンさせたんで、私のサイト見てください」


・・・すごすぎです 。
3人の子育てをしている最中に、一人で計画を立て、物件を探し、インテリア・食器・メニューをそろえ、HPも作り、オープンさせてしまったんだそうです。


「私が欲しいものはお金じゃないんです。儲からなくても自分の店を持ちたいんです」


これが彼女の言葉でした。


15年会社員、そのうち10年は主婦、そして10年のうち8年はお母さんをやってきたA子さん、仕事と子育てで鍛えられた実力を持ってすれば、カフェのオープンはたやすいことなのかもしれません。
きっと楽しく経営を続けていることと思います。



次に、力のないB子さんの話です。


◎B子さんの場合

自分のカフェをオープンさせたいB子さんは当時33歳。
独身で、これまでに仕事をいくつかしてきましたが、長くは続きませんでした。
そんな彼女、「カフェ経営の勉強をしてみたいんです!」と、マスターの店に来ました。


ほぼ未経験だったんですが、「6ヶ月間でカフェのオーナーになれる程度の実力を身につける」という目標でした。


「短期集中講座」ですが、技術面だけでなく、人間面についても現場で仕事をしながら付きっ切りで教えるわけですから、やり遂げれば、かなりの実力が身につく・・・予定だったんです。


が・・・


実際にトレーニングが始まると、2週間でダウンしてしまいました。


体力的には全く問題ない人でしたが、精神面な弱さが彼女をダウンさせたと言えます。


まず、元気にあいさつができないんですが、そのことを言われると不機嫌になり、「なんで私が叱られなくちゃいけないの?私だってがんばってるのに」という思考でさらに自信をなくし、悪循環に入っていくクセがあったんです。
時間を守れないとき、寝坊したとき、また調理や接客についても同じように、注意を受けると、そのたびにへこむわけです。


本来、トレーニング(今どきはコーチング?)というのは、自分が気づかないことを他人に言ってもらい、自分を鍛えていく作業です。
助言や忠告をする側も、本来は言いたくないことを、その人の夢の実現のためにあえて言うわけですから、言われた側がそのつどへこんでいたら、本人だけでなく全体の士気も落ち、トレーニングにはなりません。


結局以下のような言葉を残し、2週間でリタイヤしてしまったB子さんでした。

「こんなに大変だとは思いませんでした」

「カフェのオープンなんて今の私にはムリです」

「力のなさを思い知りました」

「いままでの自信が勘違いだとわかりました」



それから、B子さんは独身だったため、結婚についても前向きに考えていたんです。
しかしみなさんはもうわかりますよね、
上記のような女性だから、男性が近づいてきません。
男性とは身体だけの短い付き合いしかないわけです。
男性が近づいてこないから、まずはカフェのオーナーになり、経済的に安定させ、その後「縁があれば結婚」という考えなんだそうです。
マスターは、カフェも結婚も間に合うのか心配でした。


さて、みなさんは、上記2人のどっちのタイプでしょう?
きっと2人の中間ぐらいの女性が多いんじゃないかと思います。
ですから、今後A子さんのようになるか、B子さんのようになるかは、「これからのあなた次第」ということです。
努力すればA子さんのように自立した女性に、努力を怠れば歳だけとってしまい、なにもできないままB子さんのように30歳を過ぎてしまいます。
「若いから」で済まされるのは20代までです。
30代になったらある程度の実力を身につけていてください。


実力を身につけるには、徹底した客観視と、愛を込めて叱ってくれる人を大切にすることが近道です。
その上で「自分磨き」をすれば、実力は身に付きます。
「徹底した客観視」というのは、もう一人の自分が自分をどう評価するか考え抜くこと、そして「愛を込めて叱ってくれる人を大切にする」というのは、「私が誰かを叱ったとき(助言をしたとき)、どんなリアクションをされたら次もその人に助言をしてあげる気になるか」、こう考えることです。
あなたが誰かを叱る時、ほんとはあなただって叱りたくないんです。
でも、叱る側は、相手の未来を考えて叱るんです。
そんなとき、相手がどんなリアクションなら、次も助言をする気になるでしょうか。
「うぜーよ、わかってることいちいち言うなよ」なんて言われたり、目も合わさず小さい声でうなずかれたりしたら、「怖いなあ・不機嫌なのかなあ」と思ってしまい、次も助言しようとは思えませんよね。
そのあたりを考えて実行してみてください。


人の実力には、その目的に対して適しているかどうかという「先天的」な面もあります。
しかし、努力で解決できる面もとても多いんです。
たとえば、上記A子さんB子さんの2人で言えば、B子さんがA子さんと同じ行動を取ることができれば、カフェのオーナーになることができます。
「同じ行動」というのは、あいさつをするとか、返事をするとか、時間を守るとか、あきらめないで地道に仕事をするとか、眠いとか疲れたとか言わないで、笑顔で仕事をするとか、そんなことでいいんです(もちろん自分を変えるには努力が必要です)。


「私はやってるわよ、でもうまくいかないの」なんて言う女性は、自分でやっているつもりで、実際はやっていないんです。
それを教えてくれるのが、「徹底した客観視」と、「愛を込めて叱ってくれる人を大切にすること」です。


他人から言われなくなったら、自分がなにをしているのかもわからないまま時間が過ぎます。
マスターの周りにもそんな人が何人かいます。
冗談抜きで書きますが、知恵がないまま歳をとると、誰も近づかなくなり、完全に放置プレーなんです。
どうかみなさんは今のうちに「愛する力」を身につけてくださいね。


ということで、今回は、女性が持つ「力の差」について、マスターの経験からでした。


余談1
寂しさを癒す方法として、カウンセリング、セミナー、ヒーリング、宗教、占い、ペット、先祖供養、各種修業、インナーチャイルドの解放、宇宙と一体化・・・これらがあるかもしれませんが、これら「商業ベース」の方法では、表面的なことに終始してしまい、効果は望めません。
上記で人生が好転する人はいるんですが、それは一時的なことですし、好転しない人にも注目してみてください。
状況が好転しない時、先祖の供養でなんとかなるなら、そりゃ誰だって飛びつきたくなりますよね。
でも、今の状況は自分の問題なんです。
先祖のせいにしないでください。


余談2
寂しいと、他人の気を引きたくなります。
子どもがあえて不機嫌になり、親の気を引くことがありますが、大人になってそれをしていると、もっと人が離れていきます。
わざとおかしなことをし、他人から叱ってもらったり同情をもらうことで、人とのかかわりを持つという方法は「愛」ではありません。
もし今、あなたが孤独で寂しいなら、その原因を探り、改善の努力をしてください。
それができたとき、あなたの周りに笑顔で人が集まってきます。

・・・

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