地震の予言が当たる仕組み
（読了目安8分）
今回は、地震の予言が当たる仕組みについてです。
これを知っておくと、「ニセモノの神」を排除できるようになります。
「スピリチュアル」の世界と「地震」の関係に興味がない人は、読まなくていいと思います。
「スピリチュアル」の世界では、地震の予知も大きなテーマのひとつになっていて、地震予知で有名な女性が支持を集めています。
大きな地震が起こるたびにその人がピックアップされ、「彼女には神につながる大きな力がある、その人の言うことを信じよう」と思ってしまう人が後を絶たないようです。
◎地震の予言が当たる仕組み
地震の発生が予めわかるなら、本当に素晴らしいことです。
特に日本は地震国ですから、地震の予言が当たるなら、どれほどありがたいことかわかりません。
では、みなさんは、地震の予言は当たると思います？
今後10年のうちに日本で震度5以上の地震が起こるとします。
その地震が、何年の何月何日の何時何分ごろ、どの県で起こるか予言して当たったら、すごいですよね。
実は、必ず当たるんです。
仮に日本人1億人がそれぞれ別の予言をすれば、です・・・
以下、計算が面倒な人は読むだけでOKです。
たとえば、日本を都道府県別に50のエリアに分けます。
10年間は3650日です（うるう年はここでは省きます）。
発生時間を予言するため、それをさらに24に分けます。
時間だけじゃなく、「何分ごろ」も予言するため、
1時間をさらに10分単位に区切り、6分割します。
これで、50×3650×24×6＝2628万になり、
「何年何月何日何時何分ごろ、○○県で震度5以上の地震が起きます」
という予言が2628万通りできます。
1億人がそれぞれの予言を担当すると、1億÷2628＝3.8・・・
ということで、日本で10年以内に震度5以上の地震が起こったら、いつどこで起こったとしても、必ず３人が予言者になれるんです。
・・・果たしてその3人は、「予言者」と言えるでしょうか。
逆に言えば、1人がする予言であっても、たくさんの数を予言するほど当たりやすくなり、また、場所や時間を特定しない、つまり「私には○○のような風景がぼんやり見えます」など抽象的な予言ほど当たりやすくなるということです。
また、占い師が「近いうちに日本のどこかで大きな災害が起こる」と言えば、この予言は必ず当たります。
なにか大きな災害が起こったら、「そのことを言っていたんです」と言えばいいわけです。
「近いうち」というのは、具体的に何年かわかりませんしね。
そして、占い師の周囲には、必ずその予言を「信じたい人」がいますから、そんな人たちが「あの占い師の予言は当たった！」とさらに周囲に言い、次の予言がさらに当たりやすくなるような心理的状況を作るわけです。
もちろん本当に当たっている人もいるんです。
でもそれはたった一回の偶然か、解釈の仕方次第でなんとか当たり、というレベルです。
もし「自分には地震の予言ができる」と公言している人がいるなら、その予言を詳細に記載した書類を用意し、多くのマスコミ関係者や地震予知連絡会に送るといいかもしれません。
自分の力を社会に役立てることは「愛」です。
地震の予言が当たるなら、自分も周りも助かりますからね。
世の中には、未来のことを占いで当てようとする動きがありますが、マスターが知る限り、地震については「1億人の予言」と変わらない気がします。
たとえば、「占星術は人類の英知」と信じて学んでいた人が、東日本大震災の予知ができなかったことを機に、占星術をやめたという話を聞きました。
マスターはそれが賢明だと思います。
それから、究極の頭脳が揃うとされている地震予知連絡会でさえ、東日本大震災ほどの大きな地震の発生日時を予言できませんでした。
的確な地震の予言は、今の人類の知恵では不可能だということです。
地震の予言について、世の中には「後出しジャンケン」のように、地震の後に「私はこの地震を予言していた」と言う人が多いような気がします。
中には、自分のブログの記事を書き換え、「私の予言は当たった」と言っている予言者もいます。
「当たる予言」というのは、たとえば今後起こる震度3以上の地震を、全て、当て続けることができたときだけです。
話をまとめると、以下が地震の予言が当たる仕組みだと思ってください。
実際は、現代の人間には地震発生日時を当てることはできません。
・予言が多いから。
（地震の予言は、1億人がそれぞれ別の予言をすれば、必ず当たる人が出てきます）
・一人でやる予言は、数を打てば当たります。
・あいまいな表現にしておけば当たったことにしやすいです。
・「後出しジャンケン」で当たったように思わせることができます。
・当たった予言だけを大きく宣伝すれば、周囲に当たりの確率が高いと思わせることができます。
・人は外れた予言には興味を示さないため、当たった予言だけが目立ちます。
・当たったと信じたい人に語らせれば当たったことになります。
◎当たる予言
少し話は変わります。
人類は、地震の予知はできませんが、2歳児に何が起こるか予言はできます。
2歳児が「キラキラ光るカミソリの刃」を持ちたがっています。
あなたは渡しますか？
・・・渡しませんよね。
「絶対に大丈夫！！！」と2歳児本人は泣くかもしれませんが、試すまでもなく、カミソリの刃を持たせればすぐにケガをします。
あなたは「持ったら必ずケガするよ」と予言し、その予言は当たるんです。
しかし本人は「絶対に大丈夫！」と言い張ってあなたを恨みます。
本人が「大丈夫！」と言っても、その言葉には根拠はなく、ただ、情熱しかないんです。
そんな2歳児に、カミソリの刃を渡せない理由を、どう説明して納得してもらいましょうか。
やはり体験させるしかないんでしょうか。
ケガをすることで勉強になりますし、あなたの予言能力を見せ、信用を得るチャンスでもあります。
マスターなら、2歳児が泣き叫んでも渡しませんが、実際は判断が難しいかもしれません。
いずれにしても、2歳児がケガをするというあなたの予言は、本人の予想より当たりますが、その理由はなんだと思いますか？
・・・そう、「人生経験の差」ですよね。
あなたは、自分の人生経験から、2歳児がカミソリの刃を扱うには経験不足だとわかっているんです。
では、あなたは彼氏との未来を占ってもらうために、占い師を訪ねました。
あなたは「円満な家庭」を持ちたがっています。
占い師は、あなたの実力では円満な家庭を持つのはムリだとわかりました。
占い師は自分の経験上、あなたの彼氏がどうであれ、あなたを見れば、円満な家庭を持てるかどうかわかるんです。
2歳児がカミソリの刃を持ったらどうなるか・・・この予言は必ず当たります。
当たるのは、2歳児の歴史に対して、大人の歴史が圧倒的に長く、データから予測できるからです。
占い師は、あなたがどんな家庭を作るか、100％ではありませんが、だいたいのことはわかり、その予言はおそらくほぼ当たります。
やはり占い師の人生経験の方があなたより豊富で、データから予想できるからです。
そして・・・これが本題ですが、人類は、地震の予言はできません。
人類が地震の予言ができないのは、地球上の地震の歴史に対して、人類の歴史が圧倒的に短く、データから予測できないからなんです。
数十億年の地震の歴史に対して、人類の地震研究の歴史は、多く見積もっても数百年程度です。
少し前まで、地震の原因は、「大ナマズ・蛇・牛・神・悪魔」と信じられていたほどなんです。
現在は、「プレートテクトニクス」という考え方が出てきて、地震の仕組みが徐々にわかり、地震の原因は、大ナマズではなく、「断層」によるものとされています。
ほかの要因として、「太陽の黒点・気圧」などの説もありますが、これらは「大ナマズ」同様、未来の科学によって否定される可能性もあります。
◎いつか解放されます
地震の被害は甚大で、現代人にとって、とても怖いものですから、地震を予知し被害を防げたら、これほど安心できることはありません。
地震予知は、人類のテーマの一つでもあるわけです。
「地震予知なんて神の領域だ」と思っている人も多いかもしれませんが、人類の歴史から考えると、いつか必ずできるようになり、地震の恐怖そのものを卒業するときがきます。
しかし、誕生から250万年の人類はまだ幼く、地震予知の知恵はありません。
現時点では、スピリチュアルの世界に、自分の地震予知が当たったことにして、信者を集める人がいる程度です。
14世紀の大流行で、人類の25％を死滅させたと言われる、「ペスト（黒死病）」という病気があります。
当時、ペストの流行を予知し、被害を防ぐ手段があれば、これほど安心できることはなかったはずです。
当時は、「ペストの流行を予知するなんて神の領域だ」と思っていた人も多かったかもしれません。
しかし現在、ペストの感染ルートの研究や衛生の向上、抗生物質の開発などにより、21世紀の日本では、ペストの被害はゼロになりました。
人類は、ペストの恐怖から解放されたわけですが、これと同じように、人類は様々な対応策を見つけ、地震の不安から解放されます。
◎まとめ
現代人に地震の予言はできませんが、地震の予言が当たるのは、簡単に言えば、地震予知の情報が無数にあるからです。
そして、「当てた！」と主張してお金を得ようとする人と、「当たった！」と信じたい人がいるからです。
特にスピリチュアルの世界では、地震予知情報を自分の行動の基準にしている人さえいます。
長く愛されるために必要なことは、長く愛をそそぐことです。
地震予知関連でスピリチュアルの世界にどっぷり入っている人は、それが愛をそそぐことになるのか考えてみてください。
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