子どもが親に望むこと

(読了目安8分)

◎子どもが親に望むこと


2~3歳の子どもが両親に対して望むことは、なんだか知っていますか?

「だっこ、おんぶ、手をつないでほしい」

などです。


反対に、イヤなことは、「夫婦ゲンカ・怒鳴られること」ですから、まとめると、子どもが望むのは、


「だっこ・おんぶ・手をつなぐ・両親が仲良くする・優しくされる」


です。


子どもは親に対して「高学歴・高収入」は求めていません。
子どもが望むことをしてあげられる親になれば、子どもの心は安定します。
ですから、平和な家庭を作りたいなら、上記太文字がポイントになります。


マスターがこの話を書こうと思ったのは、以前娘と交わした会話と、ネットで読んだ子どもにまつわる記事が発端です。


「お父さんと一緒に寝てたの覚えてる?」と小学校に通っていた娘に尋ねたところ、真っ先に出てきたのが、1歳から2歳の記憶でした。

「お父さんの上に乗って寝てたの覚えてるよー」

と、仰向けに寝るマスターのお腹の上で、うつぶせになって寝ていたときの記憶を話してくれました。

「お父さんの上は暖かくて心臓の音が聞こえてくるから安心した」

「お父さんが先に寝るとイビキがうるさかった」

などニコニコしながら話してくれました。

娘がマスターのお腹の上で寝ていたのは2歳まででしたから、2歳の時の記憶があるということに驚きました。


子どもは明確には口に出しませんが、「だっこ・おんぶ・手をつなぐ」などの願いをかなえるため、親に近づいてきては、しきりにからみます。
それは人類がまだ自然の中に住んでいたころ、野生動物から命を守るための行動でもあるのと同時に、親が自分に心を集中してくれることが嬉しく、安心できるからだと思います。
親子のスキンシップは、子どもも安心しますし、親も安心します。
周囲も迷惑しませんから、「愛」です。

※昔、娘が4歳のころ、勇気を出して同じ敷地内の「ばあば」の家に泊りに行って、夜10時ごろ泣いて戻ってきたことがあります。
マスターの隣じゃないと不安だったそうです。


◎親の態度

子どもにからまれたときの親の態度が、子どもの将来を決めていきます。
守ってほしくて親に近づいたとき、「よしよし」とだっこしてもらえたら、子どもの心は安定します。
逆に「うるさい!」と突き飛ばされた子どもは、どうすればいいでしょうか。
怖くて不安で寂しくて、泣くしかないんです。
これは「私もあなたも周りも楽しい」という状況ではないですから、愛ではありません。
親が愛ではないことを何年もしていたら子どもの心はどうなるか、想像できますよね。


「だっこ・おんぶ・手をつなぐ」をしてもらえない子どもは、相手にされたいがためにいろいろなわがままを言います。
一部の親はそんな子どもに対して「わがままを言うな!」と責めますが、子どもは「わがままな子」になりたいわけではなく、親の態度のせいで「わがままを言わなくてはならない子」になったんです。
子どもはとても小さな存在ですから、親がいないと死んでしまいます。
子どもは命を守るために、どうしても親とスキンシップをして、安心させてもらいたいんです。
親がゲームやお酒、浮気に夢中になって子どもを邪魔者扱いしたら、子ども自身は死んだも同然の精神状態になってしまいます。


昔からそうかもしれませんが、「忙しさ」や「余裕のなさ」のあまり、「怒鳴る、叩く、叱る、無視する」など、子どもの望みと逆のことをする親も多くいます。


現代の日本は、日々が狩猟の時代ではなく、明日の食べ物に困る時代でもなく、戦争状態でもありません。
多くの人が、痩せるために悩めるほどゆとりのある状態です。
「だっこして」という子どもの願いぐらいはかなえてあげられるはずです。



◎両親の大人度


両親の仲がいいと子どもは安心です。
両親の関係がうまくいっていないと、親はイライラし、子どもはだっこしてもらえず、叱られることが増え、不満を抱えます。


人は幼少期に「だっこ・おんぶ・手をつなぐ」が少ないと、大人になってからもそれを求め続けます。
しかし、大人になってからそれらを親に求めるのは、誰もが違和感を持ちます。
みなさんも両親に対して、「だっこして」とは言いませんよね。
ですから、女性の場合、「だっこ・おんぶ・手をつなぐ」をしたいなら、年頃の男性に対して求めることになりますが、その場合、肉体関係を伴うことがほとんどです。
つまり、「幼少期に不満を抱えた子ども」は、心の隙間の埋め合わせのため、異性にのめりこむことになりやすいわけです。
「子どものころにだっこしてもらえないと異性にのめりこむ」ということです。
(異性にのめりこまない人は、偏った趣味にのめりこみます)


これは、現代では「両親が不仲だと、子どもがデキ婚する可能性が高くなる」ということです。
マスターの場合、父親が争いごとをしないタイプだったので、両親のケンカはありませんでした。
しかし、母が21歳という若さでマスターを産んだため、「子どもによる子育て」だったことは否めません。
子どもが子どもを育てたら、いろいろな問題が起こります。
マスターはデキ婚はしませんでしたが、成人になったとき女性にのめりこんでしまったのは、母親が子どもの愛し方を知らなかったことが理由のひとつだと思います。
両親とも大人なら、子どもは安心して成長できるはずです。
子どもの安心や安定した成長は、両親の大人度にかかっていると言えます。



◎マスターの場合


マスターの子供は一男一女で、息子が先に生まれています。
その関係で、息子の世話は主に妻が担当し、娘は生後半年経ち、ハイハイなどして動くようになってからは、マスターがミルクやおむつ替え、寝かしつけなどを担当していた時期がありました。


娘は、言葉が出せる前の2歳ごろまでは、いつもだっことおんぶで過ごし、眠くなると泣き、親を(たぶんマスターを)呼びました。
言葉が出るようになってからは、常に一緒に寝ることを要求しました。
寝るとき、「私が寝るまで一緒にいて!」とマスターにねだるわけです。
「娘が寝るまで」だとキリがないので、時間を決めて添い寝するんですが、だいたいマスターが先に寝て娘に起こされます。
同じ部屋で寝るのは娘が小学校4年生まで続き、自分の部屋を持った5年生からは、徐々に一人で寝るようになりました。
寂しいですが、娘が大きくなり、マスターはめでたく解雇されたわけです。


ところで、子どもが親と一緒に寝たがる理由は、わかりますか?


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そうです、上にも書いたように、「命を守るため」です。


特に小さな赤ちゃんは、親と一緒にいないと大きな声で泣き、親を呼びます。
泣くことで周囲に「みなさん注目ー!私を守ってー!」と要求しているわけです。
子どもは親の保護を必要としていますが、もし泣いても親から抱っこしてもらえず、安心が保障されなかったり、幼少期になっても親から守ってもらえなかったとしたら、子どもは不安定な心のまま大人になることになります。


マスターの息子は幼少期の親子のスキンシップに満足できたのか、小学校5年生ぐらいから、「だっこしてやろうかー?」と襲いかかると、「やめろー」と逃げるようになりました。
娘もマスターが襲いかかると逃げましたが、「抱っこさせて」とお願いするとさせてくれました。
その後中学生になっても、マスターが黙っていれば、パソコンに向かっているマスターの後ろからマスターをだっこしてくれることがあります。
娘にとってはずいぶん小さくなった背中ですが、自分がおんぶされていたころを思い出しているのかもしれません。



ということで、2~3歳の子どもが親に対して望むことは、

「だっこ・おんぶ・手をつなぐ・両親が仲良くする・優しくされる」

です。


子どもは親に対して高学歴や高収入など望んでいません。
たとえば海外も含めて、有名芸能人の子どもたちを思い出してみてください。
お金や名声のある親の子として生まれ、世の中では二世と呼ばれていますが、彼らの大半が、犯罪者や薬物中毒になっていきます。
時には親が謝罪会見をすることもあります。
多額のお小遣いをもらい、遺産を何億円も手にし、そのお金で二世たちは自滅していきます。


「親は家にいなかった、そのかわりお金が置いてあった」・・・


お金を置いていくのは親としてせめてもの責任ですが、「だっこ」をお金で穴埋めすることはできません。
子どもが本当に欲しいものは、お金ではないんです。



◎優れた親・優れた人とは


たとえば「優れたレストラン」とは、来店した顧客のニーズに応えられるレストランです。
ですから、あえて「優れた親」を定義するなら、産まれてきた子どものニーズに応えられる親です。
つまり、「だっこ・おんぶ・手をつなぐ・仲良くする・優しくする」を、いつでもたくさん提供できる親です。
これから親になるみなさんも、子どもに対してそれができる親になってください。

話は少し外れますが、優れた「人」とはどんな人でしょうか。
優れた「親」は、子どもが望むことをしてあげられる人ですから、優れた「人」とは、他人が望むことをしてあげられる人ですよね。


では、多くの人はなにを望んでいるんでしょうか。
そこを考え、それを提供できる人になれれば、あなたは優れた人です。
優れた人は、もちろん長く愛される人です。


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