自動ブレーキ・自動運転

(読了目安3分)

飛行機も船も、そして電車も、まだ完全ではありませんが、自動運転化が進んでいます。
そして、自動化することにより、事故が減っています。
その理由を単純に説明すると、「人間が壊れる確率より、機械が壊れる確率の方が低いから」です。
機械は、感情的になりませんし、居眠りもしませんからね。


さて、みなさんは車の「自動ブレーキ」を知っていると思います。
自動ブレーキが登場したことで、それまでの交通事故の死者が大幅に減りました。
ざっくり書くと、ピーク時に1万人を超えていた死者が、2千人台になったんです。


もちろん自動ブレーキと並行し、

「アンチロックブレーキ」

「シートベルト」

「エアバッグ」

「飲酒運転の取り締まりや罰則の強化」

などの効果もあり、トータルで交通事故の死者が大幅に減りました。


車の「自動ブレーキ」が出たばかりのころ、こんな意見があったんです。

「機械がブレーキなんて怖い」

「もし誤作動したら?」

「壊れたらどうするの?」

「自分でブレーキをかける方が安心」


しかしこれは、基本的なことを誤解しているため、そのようなことを言ってしまうんです。
自動ブレーキは、人間がブレーキを踏みそこなったときの補助をしている機能ですから、まずは人間からの操作が優先です。
「人間がブレーキ操作をしてはいけない」ということではありません。


自動ブレーキは、

「よそ見運転」

「前の車の急ブレーキ」

「ブレーキを踏む力が弱い」

「居眠り運転」

「ブレーキの踏み間違い」

「ブレーキの踏みそこない」

などをカバーしてくれる機能なんです。


安全という意味で確実にプラスの機能ですから死者が半減したわけで、そこを誤解していると、自動ブレーキに不安を感じてしまいます。


「自動・ロボット」などと聞くと不安を感じる人も多いですが、基本を理解してしまえば不安はなくなります。
初心者が苦手だとされる「駐車」について言えば、最近登場した自動駐車機能を使えば、自分で操作するより素早くうまく駐車でき、非常時にはもちろん人間が操作に介入することもできます。


自動駐車機能付きの車を買おうとする人に対して、「自動運転で駐車してたら駐車がうまくならないよ」と批判する人もいるようですが、もしマスターがそう批判する人に対して、

「カーナビに頼ってたら地図が読めなくなるよ」

「車に乗ってたら体力がつかないよ」

「LINEばかりで字を書かなくなると字が下手になるよ」

と言ったら、その人はどう反応するでしょうか。


「車が自動運転になった場合、運転システム全体が壊れたら事故が続出して不安になるから、私は自動はイヤ」と言う人もいます。


しかし「電気の供給が止まったら不安だから電気はイヤ」と、電気を使わない生活をしている人はいません。
やっぱり、便利なものはみんな使うんです。
そしてそのシステム全体がダウンしたときのことは考えていません。
「今の社会システムが崩壊したら怖いから、私は電気もガスも水道もない洞窟の生活をします」と言う人はいませんよね(いてもごく少数派です)。


同じように、「自動運転システムが壊れたら怖い」と言って、自動化された交通社会の中で完全マニュアル車に乗る人は、むしろ危険な運転と言えます。
わき見運転や居眠り運転をして自動運転の車に追突したり、駐車のとき、他の車両にぶつけたりして、自動運転の良さを知ることになるかもしれません。


新しいものに対して否定的なことを言う人も多いですが、否定的な人も結局は新しいものを利用し、便利な生活をしていることがほとんどです。
ですから、新しいものに対して反射的に否定するのではなく、まずは自分の歴史や人間の歴史を考え、冷静に判断してみてください。
新しいものに対して、考えもせずに条件反射的な否定をすることは愛ではないと思います。

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