オーガニック教 2

(読了目安7分)

◎2人のオーガニック教女性


マスターが印象に残る2人の女性について書きます。
自分がこんな人になっていないかチェックしてみてください。


1人目は、28歳の独身女性U子さんです。


彼女からこんなメールをもらったんです。

「環境に配慮した生活が大切です。食事や身の回りのものがオーガニックじゃない人の気が知れません」
「石鹸は手作りのものにして、環境負荷を減らす必要があります」


これは「自然環境に配慮したノンケミカルの石鹸」をマスターが使っていないことに対する強い調子の批判でした。
マスターの生活背景を考えず、石鹸のことだけを批判してしまったわけです。


オーガニックライフを送っている人の中にも、価値観の違いを認める人と認めない人がいて、さらに価値観の違いを認めない人は、他人を批判する人と批判しない人に分かれます。
そしてさらに、価値観の違いを批判する人の中にも、その手段として、オーガニックな方法を使う人と、反オーガニックな方法を使う人にわかれます。


他人との価値観の違いを認めず、相手を批判し、その批判方法に反オーガニックな方法を使う人が、オーガニック教の最強の妄信者です。


さて、U子さんはというと・・・


そう、最強の部類の人でした。
彼女はマスターとの価値観の違いを批判し、批判の道具にパソコンを使ったからです。
スマホやパソコンなど、インターネット関連の機器や、ネット社会そのものが、環境破壊の上に成り立っているんです。
アンテナを立てるのに森を伐採しますしね。
衛星を打ち上げるのに出る二酸化炭素も少なくないはずです。


人類の営みは、多かれ少なかれ、環境汚染の上に成り立っています。
中でも先進国の国民一人当たりの環境汚染度は、発展途上国のそれとは比較になりません。


「私は石鹸ひとつにまで環境に配慮しています」と主張し、マスターを感情的になって批判するU子さん・・・
そんな彼女が、パソコンに頼らなければ生きていけない時点で、オーガニックライフはアウトなんです。
人は、パソコンや携帯電話がなくても生きていけるんですから、パソコンを使わない生活の楽しさに共感した人たちが集まり、石鹸ひとつにまでこだわるオーガニックライフを楽しめばいいはずです。


彼女の行為を極論すれば、お酒を飲みながら、他人に「お酒をやめろ!」と言うのと同じです。
これは「戦争はやめろ!」と武力で訴えているのと同じです。
つまり「平和のための戦争」を認めることと本質は同じなんです。


・・・


2人目は、50代女性K子さんの話です。
30代で離婚し、子供を連れて農家の長男と再婚し、新しい夫とその両親と、同じ家で暮らし始めたまではよかったんです。
しかしその後、オーガニック農法を始め、既存農法だった夫の両親と、もめ始めました。
やがて、「電磁波」と「大きな地震」に対する不安がつのり、電磁波から身を守るグッズを集めたり、「地震情報」を追いかけるようになったんです。
そしてその結果、オーガニックライフと安全な場所の確保のために、夫婦で田舎に引っ越してしまいました。
夫の両親と、移住に反対する自分の子供を残してです。
(夫は口応えしない従順な男性です)
そして彼女、「私は店を始めるつもり」などの夢を語っていましたが、結局実現しませんでした。


マスターはそれまでの過程を知っていますから、彼女が自分のオーガニックライフのために、どれだけの人を巻き込んでいるかわかっていました。


おそらく本人はこう言います。

「やむをえない事情があった・こうするしかなかった・周囲の理解がないからだ」

しかし結局は、「愛(家族)」よりもオーガニックが優先なんです。
これでは「家族よりも宗教」という妄信者の図式と全く同じです。


そしてK子さんは、

「オーガニック最高!電磁波は身体に悪い!」

と、「パソコン」でつぶやくわけです。


反オーガニックかつ電磁波が出るパソコンでつぶやくんです。
それから、お酒もタバコもやっていたんです。
気に入らないことがあると飲んで愚痴を言うわけです。


マスターは、程度の差こそあれ、「オーガニックライフ」を取り入れている人たちを見ています。
マスターの近くに妄信者はあまりいませんが、「プチオーガニックライフ系」の人は意外と多くいます。


そんな女性たちは、概して思考が偏っている人が多く、健康で明るい人は、ほとんどいません。
やることがないからオーガニックライフをやっているような、不安や恐怖から逃げるためにやっているような、自信がないからとりあえず信じているような、マイナスイメージの雰囲気なんです。


もちろん社会や心の仕組みに関する本質的な会話なんかできません。


また、そんな彼女たちには継続的なパートナーはいませんが、その理由は簡単です。
商業オーガニックの情報に右往左往しているからです。


自分に軸がなく、
「目先の苦痛から逃げる」
「目先の快楽に飛びつく」
「自分がオリジナルブランドになりきれていない」
そんな人だからです。


上記のU子さんとK子さんがその後どうなったのか、マスターは知りませんが、みなさんには同じようなことをしてもらいたくないと思っています。


◎オーガニック教は徐々に


オーガニック教は、世の中のほんの一部の流れではあります。
しかしマスターの印象からすると、いま、徐々に増えているような気がします。


理由はいくつかあります。


「オーガニック思考の弊害」が忘れ去られていること、次に商業オーガニック業界が、オーガニックを「神格化」しようと、強力なバイアスをかけて情報を流し、その情報を信じ切ってしまう若い女性がいるからです。


「オーガニック思考の弊害」については、300年前と現代を比べ、どっちの世界に住みたいか考えれば明白です。
300年前は、子供が病気や怪我であっけなく死んでしまいます。
感染症にかかると、現代より有効な治療ができないからです。
大人も病気になると治療が困難でした。
仮に、有機野菜や自然食を摂って、身体の抵抗力が増えて健康になれるなら、昔の人はみんな病気にならず、長寿だったはずです。


以前書いた「ワクチンは悪ですか?」を思い出してみてください。
ワクチン反対派の中核を占める若い人たちは、ワクチンがなかった時代の悲劇を知らないんです。
ワクチンを打つと、たとえば100万人中1人は、ワクチンの接種が原因で、死んでしまうかもしれません。
しかしワクチンを放棄すれば、100万人中1人の死者では到底すまないんです。
ゆるいオーガニック思考の人の中には、「食品はオーガニック、医療は現代医療」と考える人もいますが、強いオーガニック思考の人の中には、「食品はオーガニック、医療行為は民間療法と自然治癒力だけ、現代医療はダメ」、なんて言う人もいます。
これではやがて300年前の状況にさかのぼってしまいます。


オーガニックの「神格化」については、悪知恵を持つ人が展開する「イメージ作戦」で実現されていきます。
ハリウッド女優が味方になってしまえば、それまで「怪しい」なんて言われて敬遠されていたヨガやアーユルベーダ、マクロビなども、一部の女性の中で神格化されます。
数千年の歴史のあるヨガなんて、20世紀半ばまでは男性だけのもので、ただの「怪しい体操」だったんですが、今は「意識が高い系」の体操として認識されています。
同じように、オーガニックも本来の意味を越えて、女性の世界で「オーガニック教」として神格化されていきます。


オーガニック教は、30歳前後の女性を中心に徐々に広がりつつあるように感じます。
しかしみなさんは、「長く愛される」ということを常に頭に入れ、決して妄信をしないでください。
みなさんが望む「知恵のあるパートナー」は、「妄信者」に興味を持つはずはありません。


今回は以上です。
今後以下のような内容で続けます(順不同)。

◎余談 なぜ現代医療で治らない病気が民間療法で治るのか
◎皇室はオーガニックだけど
◎オーガニックライフの最後の最後に
◎中学生と同じ思考
◎自然との調和 人との調和 (崩壊する人間関係)
◎一昔前にとどまろうとする安心感
◎親のオーガニックのせいで仲間はずれに
◎微量のお酒なら
◎愛するためのオーガニック
◎「商業オーガニック」と「本当のオーガニック」の見分け方
◎白砂糖が身体に悪いなら
◎オーガニックライフに戻るのではなくその先へ
◎オーガニックライフで健康になれるか
◎オーガニックで病気は治るか
◎オーガニックで長く愛されるか
◎オーガニックの酒とタバコ
◎農家でさえわかってない
◎愛するためのオーガニック
◎まとめ

・・・

投稿タイトル一覧は以下です。


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