大切な人がいれば

(読了目安6分)


◎大切な人がいれば


「大切な人がいたら、お酒を飲むでしょうか」

「妊娠してお酒をやめるのは、大切な人を守るため」

今回はそんな話です。

・・・

お酒は、体内の血中アルコール濃度を上げることで、普段とは違う脳の状態を作り出す薬物の一種です。
昔は「神事」に使われる神聖な液体でしたが、安く大量生産する技術によって一般市民に浸透しました。



現代人がお酒を飲む理由は、主に、

「その場の快楽を得るため」

「不安を感じなくするため」

「ストレス発散のため」

などですが、これは、日常生活が「苦痛・ストレス」になっていることの裏返しです。
日常生活がストレスになるため、お酒でごまかそうとしているわけです。
しかし、人生は、「日常生活」の積み重ねです。
日常生活こそ人生そのものですから、日常を楽しめないと、非日常の世界でお酒を飲み続けることになってしまい、悪循環から抜け出せなくなります。


現代における飲酒の弊害は様々ですが、その一部として

・地震などの災害時に大切な人を守れなくなる

・相談のメールや電話に正常に対応できなくなる


・事件や事故を起こすことがあり、被害者も加害者も不幸になる


・多くの疾病の原因になり、自分も周囲も苦労する


・人間関係のトラブルを生む


などが挙げられます。


ですから、

「大切な人を守ろう」

「困っている人を保護しよう」

「人と平和にかかわろう」

などの気持ちがあれば、お酒を飲むことはありません。

お酒を飲む人というのは、上記の逆、つまり、

「守ってもらいたい」

「保護されたい」

「平和な人間関係に興味がない」

などの気持ちがあるわけです。
愛をもらうことばかり考え、自分の責任で幸せになれない人なんです。




◎飲酒にかかるコスト


普段の生活が楽しければ、あえてお酒を飲んで「楽しもう」とか、「ストレスを発散しよう」とは思いません。
お酒を飲む人は、普段の生活を、「制限ばかりの生活」と考えていることになります。
ということは、お酒を飲む人の集まりというのは、「普段の生活を楽しめない人」の集まりと言えます。


しかし、人生は「普段の生活」で成り立っていますから、普段の生活を楽しめない人は、人生そのものを楽しむことができないということです。
お酒を飲む人は、人生そのものを楽しんでいない人と言えます。
長く愛する力がある人は、もちろんそんな人たちを避けます。


お酒を飲む女性に「飲まない男と結婚するといいよ」と助言をすると、「飲まない男なんているんですか?」と質問されることがあります。
この質問が出る理由は、お酒を飲む人は、お酒を飲む人と付き合うからです。
自分がお酒を飲むから、周囲がお酒を飲む人ばかりになっていくわけです。
世の中にはお酒を飲まない人はいます。
そんな人たちは、お酒を飲む人がお酒に使う時間を、他の娯楽や建設的なものに使って人生を楽しんでいます。


飲まない人は、酔っている人に声をかけません。
声をかけたところで、建設的な会話なんかできないわけですからね。
ですから、「お酒を飲む」ということは、人生を楽しむ実力がある人たちを遠ざけるということです。
お酒を飲む人は、いつまで経っても、お酒と無縁の「普段の生活」を楽しめないわけです。


「私はたくさん飲まないわ、少し飲むぐらいなにが悪いの?」と思う人もいると思います。
マスターも20歳のころはそう考えていました。
しかし、なぜお酒を飲む必要があるのか考えてみてください。
「少しぐらいいいじゃないのよ」と思うなら、なぜ少しのお酒を飲まなければならないのか考えてみてください。
なぜお金と時間を使って自分の病気のリスクを上げ、周囲に迷惑をかけ、心配をさせる必要があるのか、そのお金や時間を、なぜ大切な人のために使おうとしないのか、冷静に考えてみれば、飲酒が愛ではないことはわかるはずです。


飲酒にかかるコストも膨大です。
たとえば毎週お酒に5千円と2時間を費やす人は、年間の飲み代として25万円と100時間使います。
4年で100万円使い、時間は400時間以上使います。
酔いがさめるまでにも数時間使いますから、実際に使う時間は、400時間よりも多くなります。
そこに愛はあるでしょうか。

※極端な例では、年間数千万円を飲み代に使う人もいます



◎妊娠


妊娠するとお酒をやめる人がほとんどなのは、「大切な人ができたから」です。
実際、お酒が身体に悪いものだと多くの人が認識していて、大切な人を守るため、お酒を飲みません。
大切な人がいれば、お酒をやめることができるんです。
そして、ここが大切なところですが、お酒を飲む人は、「自分」は大切な人ではないんでしょうか。
子供に対する愛としてももちろん、自分に対する愛としても、妊娠中にやめていたお酒をわざわざ飲む必要はないはずです。


お酒を飲まないというのは、なによりも、「自分を大切にする」ということでもあるんです。



お酒を飲む人は、自分を大切にしない人ですから、お酒を飲む人の集まりは、自分を愛せない人の集まりと言えます。
自分を愛せない人が他人を愛せるはずはありません。
そして、大人の愛は「先払い」ですから、他人を愛せない人は愛されません。
お酒の席に集まる人は、長く愛されないということです。


◎まとめ


人は、大切な人がいれば、お酒を飲むことはありません。
それは、いつでも大切な人を守ることができる自分でいるためです。
また、大切にされている実感があれば、やはりお酒を飲むことはありません。
大切にしてくれる人の「誇りでありたい」と思うからです。
また、妊娠中の禁酒も、お腹の中の赤ちゃんに対する愛です。
そして、自分を大切にしている人は、自分に対する愛として、お酒を飲むことはありません。


お酒を飲む人は、「大切な人がいない人」、つまり、「寂しい人」なんです。


寂しさの原因は、もちろん自分にあります。
自分を変えようとせず、お酒でごまかしていても、長く愛される人になれるはずはありません。


お酒は、「非日常」の瞬間を作ります。
しかし人生は、「日常」の積み重ねです。
大切な人がいれば、お酒は飲まないはずです。

余談:
結婚は、相手に求める条件をひとつ増やすと、自分がしなければならないこともひとつ増えます。
自分がなにもせず相手に求めているうちは、結婚できても長続きしません。
相手に求めるなら、自分も変わる必要があります。

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