食事のバランス ―娘からの質問―

(読了目安3分)


以前、夕食のときに娘が言いました。


「お父さん、うちの食事って栄養バランス考えてる?」


小学校の授業で栄養バランスの話があったんだそうです。


マスターはすぐにこう答えました。


「もちろん考えてるよ、出されたものはなんでも食べな。細かく考えなくていいから、おいしいと思うものを食べていいよ」


マスターはレストランを経営していて、食のことについては考える機会が多くあります。
子どもが産まれ、考え抜いて出した答えが、「おいしく食べること」でした。


食事のバランスは、「カロリーバランス」と「栄養バランス」に分かれます。


「カロリーバランスがいい」とは、一日の消費カロリーと摂取カロリーが同じということです。
このバランスが崩れ続けると、痩せていったり、太っていったりするわけです。


「栄養バランスがいい」とは、体調を保つために必要な栄養素の消費量と摂取量が同じということです。
もちろん「消費」と「摂取」が毎日カッチリ同じ数値になる必要はなく、体内に「蓄え」ができる範囲でバランスが取れていればいいわけです。
このあたりの話は個人差もあってなんとも言えませんが、多くの種類の食材を少しずつ摂ることで解決できる場合がほとんどです。
もちろん必要な栄養を満たす優れた食品があれば、それだけでもOKです。
マスターの場合、以前「亜鉛不足」で味覚障害になったことがありましたが、これは理由も対策もわかり、意識して亜鉛を摂取することで、半年で治りました。


単純な話ではないですが、カロリーバランスが崩れた場合は、主に「体重」に変化が現れ、栄養バランスが崩れた場合は、主に「体調」に影響が現れるということです。


ただ、「食事のバランス」について簡単に判断する方法のひとつとして「体型」を見るのは本質と言えます。
まさか身長160センチで体重80キロの女性が、バランスの取れた食事をしているとは言えませんよね。
俗に言う「バランスの取れた食事」をしていれば、標準体型でいられるわけです。


そしてマスターは思いました。


「バランスの取れた食事をしましょう」と言っている先生が、もし太っていたら・・・


実際、メタボの内科医や管理栄養士がいるわけですし、先生もメタボだったら、子どもたちの見本になることはできませんよね。
まずは大人がしっかりしないといけないわけです。
幸いなことに、娘との食卓では、栄養バランスについて質問した先生の名前が出なかったので、誰が言ったのかわからないままにしておき、先生がスリムであることを祈ろうと思いました。


「食事のバランス」についてマスターの人生経験から言えることは、

おいしく食べること。
楽しく食べること。
食べたくないものは食べなくていい。
なんでもかんでも食べ過ぎない。
同じ物をたくさん食べない。

などです。
マスターは、飢餓状態にならない限り、昆虫は食べたくないです。
ムリして食べると精神的なストレスから、おそらく胃腸も正常に動かなくなり、身体と心の負担になりますから、食事は楽しくおいしく食べられるものを食べるのが一番だと思います。


それから、子どもたちに念を押したこととして、以下のように言いました。


「人間は、どんなに栄養にこだわっても、永遠に元気なわけじゃなくて、いつか寿命は来るんだよ。バランスにこだわり過ぎて不安になるより、なんでも食べて楽しく元気でいられる人になりなさい」


子どもたちはどう感じたかわかりませんが、夕食の食卓はマスターにとって楽しい時間になりました。

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