本当の弱者(じゃくしゃ)は誰?

(読了目安5分)


最近上司から頭ごなしに怒鳴られたり、いじめられたりして、イヤな思いをした人はいませんか?


また、一緒に食事や買い物に出かけた男性が、店員に対してあからさまに威張るのを見て、イヤな思いをした人はいませんか?


今回は、「本当の弱者」とは誰なのか考えてみましょう。
それがわかれば、「強い人」とはどういう人なのかわかります。
どうせなら、「強い人」と一緒にいてください。
そしてあなたも「強い人」になってください。



◎本当の弱者(じゃくしゃ)は誰?


以前、お客さまが連れてきた小型のかわいい犬に、娘がキャンキャン吠えられたことがありました。
大人の前では静かなんですが、一番小さな娘にだけ吠えるんです。
その犬の言葉を人間の言葉に訳すと、きっとこんな感じでした。


「このチビ!ちょっと来いよ、調子に乗ってるんじゃねえぞコラ!オレと勝負しやがれ、怖いのか!」


なんだか、みっともないですけど、意外と他人事じゃないんです。
人間でも、弱い立場の人に対してぎゃーぎゃー言う人っていますよね。


たとえば、「ケンカなら絶対に誰にも負けねえ、オレが一番だ。かかってこい!」と、いきがってケンカをするような若者に、「それならリングの上に出てきて、全国放送でプロボクサーと戦ってみませんか?」と誘ったら、おそらく出てこないはずです・・・本当は自信がないからです。


また、「おまえの態度が気に入らない、誠意を込めて謝れ」と店員に言う人は、自分が逆の立場になったら素直に謝るんでしょうか。
・・・たぶんイヤイヤ謝ったあと、バックヤードで他の店員に当たり散らすんでしょうね。


人はなぜ他人に対して、いきがっていなければならないのか・・・きっとそれは、自分の自信のなさを「隠したい・認めたくない」という心理からなんです。
強く見せかけることで、弱さを隠そうとしてるわけです。


つまり

弱いから強がる

ということです。


自分に自信がなくて怯えている人ほど、他人に対して上からいこうとします。
言ってみれば、自分が弱いがゆえの「弱い者いじめ」です。
特に、自分の「立場」を利用した弱い者いじめというのは、今のマスターは愛ではないと思っています。
「立場を利用した弱い者いじめ」というのは、たとえば上記のような、「自分はお客様」という立場を利用して、上から目線で店員と話すようなことです。


逆に、自分に自信がある人、余裕がある人というのは、決して上からいきません。
むしろ弱い者を守ろうとします。
「運動」「技術」「学問」など、なんでもいいんですが、自分に確固たる自信がある人は、なにを言われても動じません。
外からの力に対して、いざとなれば小指一本で対応できるからです。
小さなことでイライラするのもめんどくさいわけです。


「確固たる自信」というのは、「私は世界で一番だ!」という自信とは違います。
「自分の弱さを認めている・自分の実力を客観的に理解している・自己確立ができている」ということです。


たとえば「ONE PIECE」の90話でルフィが叫ぶセリフがそうです。
「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!」
このセリフを本心から思うことができれば、それが「確固たる自信」です。

マスターが以前「小さな家 ―プライドとは―」の投稿に書いたように、本物のプライドというのは、傷つかないものです。
ですから、「プライドが高いから傷ついた」という言葉自体がおかしくて、正しくは、「プライドが低いから傷ついた」となります。
また、「あの人はプライドが高いから傷つかない」という表現ならアリです。


子どもの思考だとプライドが身についていないので、不安や怯えがあり、それを振り払うために強がりたくなります。
お店に行ったときに「客は偉いんだ」なんて考え、威張るわけです。
「威張ることで心の安定をなんとか保っている」という状態です。


ということで、

「本当の弱者」とは、「弱い立場の人をいじめる人」です。

「弱い立場の人をいじめる人が、最も愛から遠い人」というのが本質的な意味になるかもしれません。


今の時代、「暴力」などの物理的なイジメは減りつつあり、弱い立場の人に精神的なイジメをしたり、大げさな情報でだまし、お金を巻き上げようとする、「頭脳的なイジメ」が横行しているように思います。
たとえばダイエットサプリなどは最悪です。自分の力で痩せることができない「精神的弱者」に対して、「これを飲めば痩せる!」とウソの情報を流し、お金を巻き上げようとしているわけです。


長く愛されたいと願うみなさんは、弱い者いじめをするような人を見極め、そんな人たちには近づかないでください。
また、弱いものイジメをする側にもならないでくださいね。
弱いものイジメをすると、あなたが一番欲しいもの・・・「愛」を見失います。


さて、ここまでをまとまると、弱者をいじめる人が「弱い人」ですから、弱者を守る人が「強い人」ということになります。


たとえば、会社などの「上司」は、部下を守る必要があります。
つまり、「強い人」である必要がありますが、お酒を飲んで部下をいじめる上司は、「最も弱い人」の部類に入ります。
まず、お酒を飲んだら部下を守れませんよね。
しかも部下をいじめるなんて、やるべきことが完全に逆です。
きっとその上司の夫婦関係や親子関係は崩壊しています。
(弱さゆえ、最高に幸せそうな写真を撮ってネットにアップするかもしれません)
その上司からはなにも学ぶことはできませんから、上司の愚かさが感染し、自分もそうなってしまう前に離れましょう。


あなたをいじめる人は、あなたより弱い人です。
弱い人から悪影響を受けて、落ち込んでしまうのはもったいないですよね。
もしできるなら、あなたは弱い立場の人を助けてください。
弱者を助ける人が、「強い人」です。
そして、長く愛されるのは、「強い人」です。

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