憧れの人に会ったときの反応でわかる自分の大人度

(読了目安5分)

ここで書く「憧れの人」というのは、ハリウッドの護衛つき超一流女優というようなレベルではなく、日本国内のちょっとだけ有名な芸術家や役者などのことです。
「ネットで検索して自分から会いに行けば会える人」ぐらいのレベルです。

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以前、体験学習で滞在したA子さんが、マスターに話してくれました。


ネットで見つけた陶芸家(男性)がいたんです。
HPをいろいろと読んでみると、愛や平和などの考え方に共感するところがあって、実際に会うために工房に行ってみました。
いざ会ってみると、HPで受けた印象とは違って、特にたいしたことなかったです。

その後、好きな女性歌手のブログに「チャリティーバザーに出店します」とあったので、思い切ってバザーの会場まで行き、話しかけてみたんです。
この人も、ブログで読んだ考え方や歌詞の内容に感動して好きになったんですが、実際に会ってみると冷たい感じがして、印象が悪くなりました。

きれいなことを言ってる人って、会ってみると冷たいなあ・・・って思うんですけど、現実はそんなもんでしょうか?



要約すると
「HPやブログの内容に憧れて会いに行ったけど、冷たくあしらわれた」
ということです。


みなさんはA子さんの疑問に対してどう答えますか?


マスターは、この出来事には2つの解釈があり、A子さんはそこから得られる教訓を大切にするべきだと思いました。



1つめ:「A子さんは悪くないよ。ファンを大切にしないなんてひどいね。芸術家なんてみんなそんなもんだよ。もうファンなんてやめちゃいな」


2つめ:「いきなり行って相手の都合も考えずに話しかけたんでしょ?A子さんの否定的な話し方、そしてアポなしでは、冷たくされて当然だよ」



ひとつめの解釈は、「原因が相手(外側)にある」というものです。
つまり、「人は理想ばかり描き、実際は行動に移せないものだ」ということです。
芸術家や歌手でも、愛や平和について美しい言葉を並べる人は多くいますが、実際の内情はメチャメチャで、浮気や不倫報道は後を絶ちません。
報道されるのは氷山の一角ですから、水面下では多くの人たちが愛や平和に反した行動をしていることになります。
この場合、「芸術家なんてこんなものなのね」と考えるのも「知恵」のひとつですが、これでは自分が成長しなくなってしまいます。



そしてふたつめの解釈は、「原因が自分(内側)にある」というものです。つまり、彼らはA子さん「個人」を相手にしたくなかった、ということです。
仮に、芸術家たちに会いに行ったのが、「ヒカキン」とか「はじめしゃちょー」だったら、芸術家たちの態度は変わった可能性もあります。
だとしたら、芸術家たちはA子さん個人を相手にしたくなかったと考えられます。



「相手によって態度を変える」というのは愛に反していますが、みなさんもわかっているように、誰に対しても同じような態度をとれる人は、おそらくほとんどいません。
ちなみにA子さんは、声が小さく言葉が否定的で、猫背で、元気がありませんでした。
マスターも、ヒカキンとA子さんなら、やはりヒカキンと話したいと素直に思います。


A子さんは芸術家たちに期待した「温かいリアクション」がもらえず、結局のところ「がっかり」して帰ってきましたが、この「がっかりした」は、「他人の善意に頼って幸せになろうとしたこと・他人から幸せをもらおうとしたこと」、つまり、「自分の責任で幸せになろうとしなかったこと」が原因です。



「愛をくれ!」と叫んで幸せをもらえるのは、子供の時代だけです。
大人になってしまったら、他人の善意に頼って幸せになろうとするのではなく、まずは愛をそそぐ必要があります。
それをしなかったわけですから、A子さんに期待外れのことが起こっても仕方ありません。



A子さんは、芸術家たちに対して「自分に好意的なリアクション」を期待し、一方芸術家たちは、A子さんに対して、アポを取ることや、明るい笑顔で大げさに褒めてもらうことを期待していたのかもしれませんし、自分の時間を拘束されたような気がして不快だったのかもしれません。
みなさんは、憧れの人に会ったとき、相手が期待通りのリアクションをしてくれなくても、悲しんだり恨んだりする必要はありません。
そんなときは、他人から幸せをもらおうとしてしまった「子供の思考」を反省するチャンスです。
人間の不完全性を理解する機会を得られたことに感謝し、人生の教訓にできれば、あなたはひとつ成長することができます。



「相手が悪い」と考えると、自分の成長が止まり、「自分が悪い」と考えると、自分が成長します。
これを忘れないでください。

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ところで、実生活で実践できないにもかかわらず、自分のHPやブログで愛や平和をかかげる芸術家がいるのはなぜでしょうか。


その答えは、

「その方が自分の作品が売れるから」

です。


極論すれば、「利益のためならウソをつく」ということですが、これは、男女の出会いから別れまでの流れや、「永遠の愛」を誓っても実践できない夫婦が多いのと本質的には同じだと思っていいかもしれません。
付き合い初めは、目先の利益のために、「実践できないこと」を言う人もいますが、自分も芸術家と同じことをしているわけですから、相手を責めたり、自分がストレスを抱えたりすることもないはずです。

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